最終更新日: 2020.03.12 公開日: 2020.03.13
老後

リタイア前後のライフプラン(3) 起業家への道

政府は70歳まで働けるように、高年齢者雇用安定法の改正案を閣議決定しました。長く働くことが当たり前の時代が来ています。「ならばいっそうのこと、これまでの経験を生かして起業したい」と考える人も増えています。起業するための準備について考えます。
 
宮﨑真紀子

執筆者:

執筆者:宮﨑真紀子(みやざき まきこ)

ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士

大阪府出身。同志社大学経済学部卒業後、5年間繊維メーカーに勤務。
その後、派遣社員として数社の金融機関を経てFPとして独立。
大きな心配事はもちろん、ちょっとした不安でも「お金」に関することは相談しづらい・・・。
そんな時気軽に相談できる存在でありたい~というポリシーのもと、
個別相談・セミナー講師・執筆活動を展開中。
新聞・テレビ等のメディアにもフィールドを広げている。
ライフプランに応じた家計のスリム化・健全化を通じて、夢を形にするお手伝いを目指しています。

詳細はこちら
宮﨑真紀子

執筆者:

執筆者:宮﨑真紀子(みやざき まきこ)

ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士

大阪府出身。同志社大学経済学部卒業後、5年間繊維メーカーに勤務。
その後、派遣社員として数社の金融機関を経てFPとして独立。
大きな心配事はもちろん、ちょっとした不安でも「お金」に関することは相談しづらい・・・。
そんな時気軽に相談できる存在でありたい~というポリシーのもと、
個別相談・セミナー講師・執筆活動を展開中。
新聞・テレビ等のメディアにもフィールドを広げている。
ライフプランに応じた家計のスリム化・健全化を通じて、夢を形にするお手伝いを目指しています。

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気軽に事業を始められる?

定年を迎え、当初は自宅で自由な時間を楽しんでいたものの、しばらくすると力を持て余し気味。同期の仲間は何かしらの仕事をしている様子。中には「起業した」という話もあり、何か始めようと考えている方も多いのではないでしょうか。
 
もちろん、「定年後は今までの経験を生かして起業したい」「人生100年時代。70歳まで働くプランなら、早期退職してやりたい仕事にチャレンジしたい」と、以前から起業の構想を練っていた場合もあります。
 
若者のスタートアップやベンチャー志向も手伝って、シェアオフィスなどの設備も充実してきました。ネットを使った販売や広告が当たり前の世の中です。事務所や店舗の設備を整えることが必須ではなくなりました。初期費用を抑えて事業を始められる環境が、シニア世代にとっても後押しとなっています。
 
筆者は、日本政策金融公庫が行った「創業時の資金調達」のセミナーに参加する機会がありました。その中で起業のヒントになる話を紹介したいと思います。

金融機関は融資審査の際に何に着目しているか

事業実績がある企業なら、財務データや信用情報の蓄積があり判断材料となります。創業企業にはそれがありませんので、以下の2点にポイントを置いているそうです。
 
・経営者としての能力が備わっているか
・ビジネスプランは的確なものか

 
さらに観点を3つに分けて判断しているとのことでした。
 
<やる気> 創業動機・自己資金の準備
      困難を乗り越える熱意や信念・志の高さ
<キャリア>これまでの仕事の経験や人脈
      必要なスキルや信用の有無
<ニーズ> ビジネスプランの内容
      市場の需要にあったものか
 
実際には3つの重なりに欠けている事例も多く、解決策としてビジネスプランの見直しが重要です。融資を受ける場合は「創業計画書」と「収支計画書」などを提出します。

創業計画書を作成して課題を可視化

融資を受けるための創業計画書ですが、これを作成する意味はそれだけではありません。金融機関以外の出資者や取引先に対しても、事業内容を理解してもらう重要な資料となります。また作成することで自身のプランを整理し、事業として継続するための課題や準備を明確にできます。
 
日本政策金融公庫のホームページでは、業種別の記入例も見ることができます。
 
リタイア後の起業は、退職金や老後資金の一部を充当することが多く、公庫で融資を受けることは少ないと思いますが、このページは起業を考える参考になります。ダウンロードできます(※)ので、自身の創業計画書を作成されると、イメージが明確になります。
 
作成の流れは
全体の構想、事業イメージを固める
→具体的な事業内容を詰める
→創業時の資金計画をつくる
→収支計画・返済計画をつくる
 
講師からは、「矛盾している点がないか繰り返し確認し、当初の創業動機を見失わないことが大切」とのアドバイスがありました。

資金繰りの計画表は2年先まで作成

「創業時~1年後、何に苦労していますか?」という質問に対し、多数の人が(1)販路・顧客の開拓、(2)資金繰り・資金調達、と回答しています(日本公庫 総合研究所「2017年度新規開業実態調査」)。
 
資金計画は細かくチェックする必要があります。必要な資金は、設備資金と運転資金に区分して考えます。創業時は“せっかくだから”と設備にお金をかけてしまいがちですが、そこは我慢が必要です。小さく始めて、余裕資金を残しておくことが事業の成功率を高めます。
 
また運転資金に関しても、同調査によると黒字基調になるまでの期間の平均は6.7ヶ月、創業して約1年経過後の経営状況が目標売上に達成しているのが50.5%、創業後の採算が黒字基調61.6%、というデータがあります。
 
採算に自信があっても、半年間の赤字に耐えられる資金計画が良さそうです。講師から「『月別収支計画書』だけでなく『資金繰り表』を2年間分作成することがお勧め」という話でセミナーは終了しました(いずれも前出のサイト(※)からダウンロードできます)。
 
“融資審査を通す”ということは、「当該企業が存続し、将来にわたり貸付金の返済能力がある」と判断することです。起業を考える、またすでに創業されている事業にとっても今後の参考になると思いました。
 
日本政策金融公庫では、創業に関する専門スタッフに相談ができるそうです。何か不安なことがあれば、専門家にご相談されてはいかがでしょうか。
 
「創業ホットライン」
TEL:0120-154-505 *自動音声ガイダンスによる案内後「0」をプッシュ
受付時間:平日9:00~19:00(国民生活事業)
 
(※)日本政策金融公庫「国民生活事業」
 
執筆者:宮﨑真紀子
ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士

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