更新日: 2020.02.10 定年・退職

気になる退職金…みんないくらもらってる?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

気になる退職金…みんないくらもらってる?
日本では、退職時に退職金を受け取れる企業が少なくありません。転職や退職を控えていると、退職金の額が気になる人も多いのではないでしょうか。
 
今回は、実際に退職した人がどれくらいの退職金を受け取っているのか、具体的なデータをもとにご紹介していきます。自分が受け取れそうな退職金額を知り、計画的な転職・退職計画に役立てましょう。
 
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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退職金は必ず受け取れるわけではない!

退職時に退職金を支給している企業が多いとはいっても、すべてのケースで必ず受け取れるわけではありません。退職金は支給が法律で定められたものではなく、あくまでも企業が自主的に行っている制度だからです。
 
そのため、企業のルールなどを定めた就業規則に退職金についての記載がなければ、その企業では退職金の支給がない可能性が高くなります。逆に言えば、就業規則に記載があれば受給要件を満たす限り、退職金を受け取れるということです。
 
厚生労働省が公表している平成30年就労条件総合調査によると、従業員数1000人以上の企業では92.3%、300~999人では91.8%、100~299人では84.9%の企業が退職金制度を実施しています。30~99人の企業では少し割合が下がって77.6%ですが、それでも7割以上の企業で退職金は受け取れるということです。
 
退職金がいくらもらえるのか気になったときは、まず自社に退職金制度があるのかどうか、自分が受給要件を満たしているのかどうかを確認してみましょう。
 

職種・退職事由別!具体的な平均退職金額

退職金は企業が行う制度であるため、実際にいくら支給されるのかは各企業により異なります。同じ企業に勤めていても、勤続年数や役職、退職事由などさまざまな要素によっても金額が異なってくる点には注意しなければなりません。
 
そのため、自分がいくらもらえるのかは企業側に直接確認するのが一番ですが、退職金の額となるとなかなか尋ねにくいこともあるでしょう。そこで、次は厚生労働省が調査・公表しているデータを参考に、職種・退職事由別の平均退職金額を紹介していきます。
 
この調査によると、例えば製造業の退職金は定年退職の場合で1706万7000円、会社都合退職だと1874万1000円、自己都合退職では294万5000円です。建設業では、定年退職で1981万9000円、会社都合退職で1697万6000円、自己都合退職で395万3000円となっています。
 
銀行では定年退職で1042万1000円、会社都合退職で1347万8000円、自己都合退職で98万6000円です。私鉄・バス会社では定年退職で1952万1000円、会社都合退職で1942万4000円、自己都合退職で1093万9000円となっています。
 
各職種や退職事由によって、受け取れる退職金額に大きな開きがあることがわかるでしょう。なお、すべての企業をまとめた平均退職金額は、1216万7000円という結果でした。
 
この結果を見ると、退職金はどの職種でも会社都合による退職がもっとも高く、自己都合退職になるとかなり少なくなってしまうことがわかります。退職金は勤続年数が長いほど高くなる傾向にあるので、定年まで勤め上げると高額の退職金が受け取れる可能性が高いというわけです。
 
自己都合での退職を考えている場合は、この点をじっくり検討した方が良いでしょう。定年まであと数年という場合は、あえて自己都合退職せずに定年を待つというのもひとつの方法です。
 
なお、これらはあくまでも調査に応じた企業での話であり、退職時の年齢や勤続年数などに偏りがあるケースもあるため、必ずしもこの金額がもらえるとは限りません。それでも実際に退職した人が受け取った退職金額の貴重なデータになりますから、興味のある人は厚生労働省の統計調査を詳しくチェックしてみるのもおすすめです。
 

退職金は企業によりさまざま!必ず事前に確認しよう

法律ではなく、就業規則にもとづいて支給される退職金は仕組みが企業ごとに異なります。そのため、平均的な退職金額を参考に「これくらいもらえるはず」という期待で退職後の資金計画を立てるのは危険です。
 
いざ退職してから経済的な面で慌てないためにも、自分がいくら退職金を受け取れるのか、必ず就業規則などで確認してから退職を申し出るようにしましょう。
 
出典:厚生労働省「平成30年就労条件総合調査 結果の概況」
   厚生労働省「賃金事情等総合調査 退職金、年金及び定年制事情調査」(2017年)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部


 

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