更新日: 2019.07.28 セカンドライフ
60歳以上で働く事が当たり前の時代?本音は「働きたくない」それでも働く理由
少子高齢化社会といわれて久しい日本。税収から年金を捻出するわけですから、年金は今よりも先になればなるほど減っていくものと考えるのが、現状に即しているようにも思われます。
では、どうしたら老後の生活への不安をぬぐえるのか。老後の生活を具体的に考えてみることで、年金をあてにするだけの暮らしとは縁遠い、明るい将来像を描けるのではないでしょうか。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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現在、老後、つまり退職後も働いている人たちの現状とは
60歳以上で働いている人たちは、どのくらいいるのでしょうか。内閣府「平成30年版高齢社会白書」によると、60歳以上で働いている人の割合は、この10年で右肩上がりに増えています。
年齢階層別就業率
2007年:60~64歳55.5% 2017年:60~64歳66.2%
65~69歳35.8% 65~69歳44.3%
70~74歳21.7% 70~74歳27.2%
男女別で、最新の就業率を見てみましょう。
2018年:【男】60~64歳79.1%
65~69歳54.8%
70~74歳34.2%
【女】60~64歳53.6%
65~69歳34.4%
70~74歳20.9%
上記は、なんらかの形で働いている方々の割合です。次に、その働き方が正規なのか非正規なのかを示す雇用形態を見てみましょう。
男女別に非正規の職員・従業員比率を見てみると、男性の場合、非正規の職員・従業員の比率は55~59歳で12.2%ですが、60~64歳で52.3%、65~69歳で70.5%と、60歳を境に大幅に上昇しています。
女性の場合、55~59歳で60.8%、60~64歳で76.7%、65~69歳で80.8%となっており、やはり60歳を境に非正規の職員・従業員比率は上昇しています。
つまり、60歳以降も働く方は、近年増加傾向にありますが、その後、継続して雇用されるにせよ、別の会社や職種に就くにせよ、非正規という形態で老後は働いている方が多いということがわかります。
老後に起業!? 雇われるという形にこだわらない
老後(定年後)の就業率と、雇用形態を見てきましたが、新たな働き方もあります。例えば、起業して、個人事業主として収入を得るという方法です。
起業家の年齢別構成の推移、つまり起業した人たち全体のうち、60歳以上が占める割合はどのくらいかというのを見てみると、昭和54(1979)年には6.6%だったのが、平成24(2012)年は32.4%まで増えています。
老後(定年後)も働くためにはどうすればよいのか
もちろん働く意欲や、健康状態が良好であることが前提となります。
そのうえで、いよいよ少子高齢化、労働力不足問題が顕著になってきている世の中ですから、会社から、世の中から求められる人材であれば、老後も働けるといえるでしょう。では、求められる人材であるためには、どうすればよいのでしょうか。
60歳を間近に迎えてから準備するのではなく、30代、40代、50代と若いうちから長期ビジョンを見据えて備えたほうが理想の人材に近づけることは明白です。
具体的には、今の職場で新たなスキルや資格を身につけ、人脈づくりにいそしむのも有効です。さらに、転職や起業にも可能性を広げることもできるでしょう。
スキルや資格を身につけるのには、時間と費用がかかります。まずは、社内での研修や雇用保険からの給付制度など、受けられるものがあるかどうか調べて、利用することも費用を抑える最善策といえます。
雇用保険の教育訓練給付金は、退職後も一定期間のうちに受講を開始すれば受給可能です。具体的な対象者の条件等は、該当HPでご確認いただきたいのですが、
一般教育訓練給付金で、「入学料・受講料(最大1年分)の20%(10万円が上限。4000円を超える場合。)」。
専門実践教育訓練給付金で、「受講の場合、費用の50%(1年の場合40万円が上限、2年の場合80万円が上限、3年の場合120万円が上限)」「資格取得後、1年以内に被保険者として雇用された場合、費用の70%(1年の場合56万円が上限、2年の場合112万円が上限、3年の場合168万円が上限)」が給付されます。
また、雇用保険を受給できない求職者向けには、ハローワークの支援指示により職業訓練を受講する場合に職業訓練期間中の生活を支援するための給付を受けることができる「職業訓練受講給付金(求職者支援制度)」があります。
出典
内閣府 平成30年版高齢社会白書(全体版)第1章 高齢化の状況
ハローワーク 教育訓練給付
厚生労働省 職業訓練受講給付金(求職者支援制度)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部