更新日: 2019.01.07 セカンドライフ

不安は不安。それなのに、なぜ老後資金の準備が後回しになってしまうのか

執筆者 : 廣重啓二郎

不安は不安。それなのに、なぜ老後資金の準備が後回しになってしまうのか
皆さんは、人生三大費用をご存じですか。
 
これは、人生でかかる費用のうち、とくに大きなもので、一般的に「住宅購入費」「教育費」「老後の生活費」と言われています。
 
人生にはさまざまなライフイベントがあり、人により関わり方は異なります。しかし、「老後資金」だけは、全ての方に共通して、前もって準備しておかなければならない資金です。
 
では、いつから準備をしていけばいいのでしょうか。
 
廣重啓二郎

Text:廣重啓二郎(ひろしげ けいじろう)

佐賀FPオフィス 代表、ファイナンシャルプランナー、一般社団法人日本相続支援士会理事、佐賀県金融広報アドバイザー、DCアドバイザー

立命館大学卒業後、13年間大手小売業の販売業務に従事した後、保険会社に転職。1 年間保険会社に勤務後、保険代理店に6 年間勤務。
その後、コンサルティング料だけで活動している独立系ファイナンシャルプランナーと出会い「本当の意味で顧客本位の仕事ができ、大きな価値が提供できる仕事はこれだ」と思い、独立する。

現在は、日本FP協会佐賀支部の副支部長として、消費者向けのイベントや個別相談などで活動している。また、佐賀県金融広報アドバイザーとして消費者トラブルや金融教育など啓発活動にも従事している。」

なぜ、老後資金の準備は後回しになるのか

皆さんは、どちらを選びますか?
 
A:今、1万円もらえる
B:1年後に1万500円もらえる
 
ほとんどの方がAを選ぶのではないでしょうか。これは「遠い将来なら待てるけど近い将来のことは待てない」という、行動経済学の「双曲割引」と言われる概念にもとづく作用です。
 
ダイエットを始めようと思っても、目の前にあるケーキの誘惑に負けてしまう。禁煙を始めようと思っても、目の前の「最後の一本」が延々と続いてしまう。これらも「双曲割引」による行動と言えるでしょう。
 
「老後資金の準備をしようと思っても、どうしても後回しになってしまう」これには、身に覚えのある方も多いと思います。
 
それは、将来の必要性は遠ければ遠いほど過小評価してしまい、合理的に準備することができないからです。
 
だから、意思に任せるのではなく、仕組みを作ることが大切です。
 

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85%の方が老後に不安を感じている

皆さんは、ご自身の老後の生活をイメージできていますか。
 
平成28年生命保険文化センターの調査によると、なんと85.7%の方が老後に不安を感じています。では、なぜほとんどの方がそう感じているのでしょうか。
 
不安の内容を見ると、「公的年金だけでは不十分」が80.9%と最も高く、以下「日常生活に支障が出る」(57.2%)、「自助努力による準備が不足する」(38.1%)、「退職金や企業年金だけでは不十分」(36.7%)と続きます。
 
老後不安の3要素と言われる「お金」「病気」「孤独」の中でも、とくに「お金」の不安を感じている方が大半を占めているのがわかります。
 
しかし、老後のお金はそのときが近づいてきて、慌てて準備を始めても間に合いません。
 

人生を4つのステージで考えてみる

私はお客さまと面談をする際に、まずその方のライフイベントを確認させていただきます。なぜなら、人によってライフイベントは異なるからです。
 
そして、これから迎えるライフイベントを大きく4つに分けて考えていきます。
 
・第1ステージ:就職~お子さまが小中学生の時期
・第2ステージ:教育ローン、教育費のウエイトが高くなる時期
・第3ステージ:住宅ローン返済の終わりが見え、教育費のウエイトが低くなる時期
・第4ステージ:年金生活が始まる時期
 
人生には、お金の「貯めどき」と「使いどき」があります。第1、第3ステージが「貯めどき」、第2、第4ステージが「使いどき」と言えるでしょう。
 
老後の準備を始める方の多くは、住宅ローン返済のめどが立ち、お子さまが独立する第3ステージから考えるのではないでしょうか。しかし私は、どのステージにいたとしてもまず第4ステージ、つまり老後のことを先に考えることをおすすめしています。
 

今始めることで老後のお金の問題は解決できる

皆さんは「ライフプランニング」という言葉を聞いたことがありますか。
 
ご自身が経験するであろうライフイベントに優先順位をつけ、そこに必要なお金を見積もっていくことです。
 
ここではまず、先ほどの第4ステージの「老後」の生活をイメージして、真っ先に考えていきます。
 
・いつまで働くか?または、いつまで働きたいか?
・持ち家か?ずっと賃貸か?
・どこで生活したいか?移住は?
・基本生活費にいくらかけたいか?今の生活費と比べてどうか?
・車は現状維持か?手放すか?
・老後とくにやりたいことはないか?
 
老後の生活をイメージしていただいたら、老後の収支を把握した後に、現時点に立ち返って計画を立てていきます。
 
もし老後の貯蓄が不足するようであれば、今から対策を打たなければなりません。
 
とくに、三大費用の中で「住宅購入費」や「教育費」の支払いが目前という方は、まず老後の生活をイメージしていただきたい。なぜなら、「住宅購入費」や「教育費」にかける費用が増えれば、老後の生活費に大きく影響を及ぼすからです。
 
ぜひ、目先のライフイベントだけでなく、将来のライフイベントを見据えて計画を立てていただきたいと思います。そうすることで「老後不安」は「老後安心」に変わっていくのではないでしょうか。
 
出典
公益財団法人生命保険文化センター 平成28年度「生活保障に関する調査」
 
Text:廣重 啓二郎(ひろしげ けいじろう)
ファイナンシャルプランナー、DCアドバイザー、相続支援士