更新日: 2019.01.10 セカンドライフ

我が子が巣立った後の「老後」というセカンドライフを過ごす為に考える事

執筆者 : 柴沼直美

我が子が巣立った後の「老後」というセカンドライフを過ごす為に考える事
団塊の世代、プレシニアは自分たちの役職定年、定年、再雇用という大きな節目と同時に、そろそろ子どもたちの巣立ちの時期を迎えます。

このようなとき、これまでの生活環境が激変するのに伴い、空虚感・脱力感が倍増するようです。

そこで、新たなステージへのスムーズなトランジットについて考えたいと思います。
柴沼直美

Text:柴沼直美(しばぬま なおみ)

CFP(R)認定者

大学を卒業後、保険営業に従事したのち渡米。MBAを修得後、外資系金融機関にて企業分析・運用に従事。出産・介護を機に現職。3人の子育てから教育費の捻出・方法・留学まで助言経験豊富。老後問題では、成年後見人・介護施設選び・相続発生時の手続きについてもアドバイス経験多数。現在は、FP業務と教育機関での講師業を行う。2017年6月より2018年5月まで日本FP協会広報スタッフ
http://www.caripri.com

生活環境が激変すると、感情が客観的思考を凌駕する

これまでは、子どもに教育費がかかるとはいえ、同居していたので「教育費がかかる」けれど「子どもの成長を間近で見られる」というやりがいと、仕事という2大原動力が一度にすっぱりとなくなり、拠り所をどこに求めたらいいかわからなくなる人をよく見かけます。
 
他方、子どもは別居したとはいえ、大学生であれば大学の授業料や生活費でかなりの出費は継続します。したがって、生活環境は激変しても家計は慎重に管理していくことが求められる、重要な乗り越え時期でもあります。
 

一時金の管理と毎月の収支の2方面からの調整

もし、なにがしの退職金が支給される場合、住宅ローンの完済や住宅のリフォームを考えている場合は、一時金の出入りをしっかり管理しなければなりません。
 
退職金が入る場合も、ローンを完済する場合も、通常の月々の収支とは違う目線で考えていきます。
 
大きなお金が動く場合には、つい気が大きくなって月々の再雇用の収入、年金収入の計算や、そこをベースに設計していかなければいけない支出の計算がおろそかになりがちです。
 
現役時代のように、「来年のボーナスで間に合わせるから」とか「もっと給料のいいところを探して転職活動」という、収入の上乗せは見込めないことを肝に銘じるべきです。
 

教育費や子どもからの援助申請についても計画を立ててから

ふっとした空虚感・脱力感が漂うなかでも、子どもの大学の授業料は待ったなしです。また、子どもが結婚するといってお金の無心に来られると、ついつい財布のひもも緩みがちになり、ない袖も振ってしまいがちです。
 
しかし無計画にいわれるがまま提供するのではなく、自分のこれからの生活設計を確実にしてから、可能な援助を行いましょう。
 
かつてのシニア世代と違って、年金支給額は低減傾向にありますし、少子高齢化が続く限りこの状況が変わることはありません。
 
Text:柴沼 直美(しばぬま なおみ)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者
日本証券アナリスト協会検定会員、MBA(ファイナンス)、
キャリアコンサルタント、キャリプリ&マネー代表

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