更新日: 2019.01.08 セカンドライフ

老後の貯蓄額は1000万円?今から考える老後の過ごし方【男性編】

執筆者 : 柴沼直美

老後の貯蓄額は1000万円?今から考える老後の過ごし方【男性編】
日ごろは日常のルーティーンに忙殺されて見つめる時間も余裕もなかったけれど、年末年始の大掃除の中でふと自分の来るべき老後について考えてみると不安ばかりが募ってしまうというご相談が年末年始には急増します。どんな人にも訪れる老後の暮らしについて、今回は男性編として考えてみたいと思います。
柴沼直美

Text:柴沼直美(しばぬま なおみ)

CFP(R)認定者

大学を卒業後、保険営業に従事したのち渡米。MBAを修得後、外資系金融機関にて企業分析・運用に従事。出産・介護を機に現職。3人の子育てから教育費の捻出・方法・留学まで助言経験豊富。老後問題では、成年後見人・介護施設選び・相続発生時の手続きについてもアドバイス経験多数。現在は、FP業務と教育機関での講師業を行う。2017年6月より2018年5月まで日本FP協会広報スタッフ
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「入社=ミッション・コンプリート」からのパラダイムシフトができない男性

特に多いご質問は60歳で一度定年を迎えてから65歳の年金支給開始までの5年間の過ごし方です。今からこの時代に突入する人は、自分達の親世代の生き方が全く通用しません。
 
親世代は「入社」イコール「ミッション・コンプリート」でした。レールに乗っていれば、退職金が確保でき、住宅ローンや子どもの教育費も完済。その後の老後は、生活には困らないだけの十分な年金が用意されている。このストーリーがまったく役に立たなくなったのは、国が十分な社会保障制度(年金)が提供できなくなっていったこと、企業も少ない顧客(少子化)から収益を確保するために体質を変えていかなければならならなくなったためです。
 
何が悪い、だれが悪いという悪者探しをしても時間の無駄です。「自助努力」という4文字が腑に落ちていない人は、今すぐにでも頭を切り替えましょう。パラダイムシフトが自分の中で起こせていないのです。
 

再雇用後~年金支給開始の収入激減時期の乗り切り方

今は、定年を60歳と定めていても、65歳まで再雇用して働く機会はあります。企業側にしてみれば60歳のときには1000万円かかっていた人件費が、ほとんど労働生産性を落とすことなく300万円で確保できるのですから、願ったりかなったりです。
 
そう考えると、我々従業員としては面白くないと感じるかもしれませんが、大前提として、よほどの別の選択肢がない限り再雇用制度に乗るべきです。
収支というのは、お金の入り(収入)とお金の出(出口)のバランスですから、たとえ細くても収入の途は安易にあきらめることは得策ではありません。そのうえで出口を小さくする工夫をすれば乗り切ることは可能です。
 

1か月だけでも「家計簿おじさん」の勧め

入り口を確保したとして、次の課題はお金の出口をどうやって小さくするか、ということですが、現役時代のように何気なく使っていた「後に残らない」お金をチェックしてみましょう。
 
家計簿おじさんの勧めです。家計簿をずっとつけ続けるのは煩雑ですし、家計簿チェックが日常生活の柱になってしまうのは貴重な時間の無駄遣いです。1か月だけやってみましょう。
 
心がけは特に必要なく、普段通りに「何に」「いつ」「いくら」お金を使ったのかを単純に記録するのです。思わぬところで、「傘もってない。ビニール傘」「ちょっと休憩。スタバ」「動画見すぎちゃった。通信費上限越え」「小腹すいたなぁ。ファミレス」「家に新聞忘れてきた。外で買って読み捨て」など、少しの工夫で、ストレスなく締められるところがたくさんあることに気づくはずです。
 

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