更新日: 2020.03.10 住宅ローン
住宅価格は上昇し続けている!? 家を購入する前に知っておきたい、最近の住宅事情とは?
私の事務所から見える大阪の街にもたくさんのクレーンが立ち並んでおり、マンション建設ラッシュを思わせます。
執筆者:内宮慶之(うちみや よしゆき)
内宮慶之FP事務所代表
CFP認定者(日本FP協会所属)、ファイナンシャルプランニング
CFP認定者(日本FP協会所属)、ファイナンシャルプランニング技能士1級
会計事務所では、税務会計コンサルティングの他、資産税や相続事業承継の経験も豊富。
現在、相続及びライフプラン全般における相談業務、講演、執筆、非常勤講師などの業務を中心に活動している。高等学校での講演も多く金融経済教育にも尽力している。
平成30年度日本FP協会『くらしとお金の相談室』相談員、大阪市立住まい情報センター専門家相談員、修学支援アドバイザー(大阪府教育委員会)にも就任している。
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都市近郊の住宅事情
2020年、来年に控える東京オリンピックの影響から、建築資材・部材、人件費などの高騰により、住宅の価格は上昇傾向から高止まりにあるようです。
東京オリンピック前後で住宅価格に変動がでるのでは? と予測する専門家もいるようですが、現時点では値下がりの兆しは見えません。
大阪を中心とする関西圏では、2025年の大阪万博の誘致に成功したことから、今後の土地・建物等の相場はなかなか読めないのではないでしょうか。
〔マンション〕
マンションについては、都市近郊の駅近物件が人気を博しており、高齢世帯が郊外の一戸建てを売却して、駅に隣接するマンションに移る事例が多くあります。
これは、高齢になると病院やスーパーなどの施設が、ごく近い距離にあった方が便利だという理由からだそうです。
郊外の一戸建てでは、車での外出が必要なことも多く、体力的な理由もあるようです。また、駅から近い物件なら、離れて住む子や孫などとも比較的簡単に行き来できるのも魅力のようです。
〔一戸建て〕
首都圏では、マンションと一戸建ての価格の逆転現象が起こっているようです。
マンション事情でお伝えしたとおり、高齢世帯が駅に近いマンションに都心回帰していることが一因のようです。
この機会に、子育て世代は郊外の建売住宅という選択もありなのではと考えます。お子さんを、自然豊かな環境で育てるのもいいかもしれませんね!
〔住宅の資産価値〕
日本の居住用住宅、木造一戸建ての資産価値(建物)は20年から25年で限りなく0円に近づきます。また、現代の日本には良い家を建てて長く住む発想が乏しいと思われます。
ライフプランを総合的に考えると、中古住宅をリフォームする選択肢もありだと考えます。
〔中古住宅市場〕
日本の中古住宅市場は住宅流通市場全体の13%程度しかありません。
欧米では、住宅の流通市場が整備されており、アメリカでは中古住宅の流通は80%近くを占めるといわれています。イギリスでは90%に迫り、新築という概念はあまりないようです。
日本人男子の、いつかは新築一戸建てという夢想は、昭和の時代に作られたそうです。
〔中古住宅市場の問題点〕
・中古住宅市場が不十分
・中古住宅の価格が適正に評価されていない
・ほかに具体的な根拠がないため、税法に基づく耐用年数を設定せざるを得ない
・中古住宅に関する、正確な情報が乏しく、売買後にトラブルが発生するリスクを恐れて、
・建物価格を0円に設定する傾向にある
〔持家 VS 賃貸〕
持家と賃貸の比較で一番大きな違いは、持家は現金で購入しない限り、住宅という資産を手にいれる代わりに、大きな負債も抱えるということです。通常では、負債が減少するスピードより、住宅の価値の減少の方が早いということを認識しなくてはならないと思います。
◆永久的に賃料を支払う必要がなく、持家は自分のものになる。
◆同じ物件なら、賃貸より購入した方が毎月の支払いは安い。
◆定住感は老後が安心。
◆子や孫に帰る実家を作ってあげられる。
◆生活環境の変化に応じて、気軽に引っ越しができる。
◆ローン(負債)を負担しない。持家は初期費用も高い。
◆値下がりや地震などのリスクを負担しない。
◆ずっと同じ場所に住まなくてよい。
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まとめ
住宅事情を考えるというテーマで、現在の住宅を取り巻く事情や問題点などを記しました。
ライフプランなどのご相談で感じることですが、現在の家賃より安く買えますよ! といった不動産会社等の営業トークに軽く乗せられてしまうのは、本当に危険です。
人生の3大資金(教育資金、住宅資金、老後資金)についてよく理解、整理してから、しっかり考えなければなりません。一番忘れてはならないのは、大きな負債を抱えることです。住宅ローンを一定期間滞納すると、“期限の利益”は喪失し、一括返済を求められます。大きな負債です、住宅購入はよく考えなければならないと思います。
執筆者:内宮慶之
内宮慶之FP事務所代表・CFP認定者(日本FP協会所属)、ファイナンシャルプランニング
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