更新日: 2020.04.22 住宅ローン

住宅ローンの借り換えする際のポイントは?しっかりシミュレーションしてお得に

住宅ローンの借り換えする際のポイントは?しっかりシミュレーションしてお得に
年間の支出の大半として住居費(家賃や住宅ローン)が占めます。特に住宅ローンは少しでも改善することで日々の生活が大きく変わってきます。住宅ローンは近年の低金利時代の影響を受けて、低金利の状態が続いています。

仮に2000万円を借り入れて35年での返済をしたい場合、金利が「2%」と「2.1%」のわずか「0.1%」の違いでもトータルで約43万円の返済額の違いが出てきます。低金利である今、少しでもお得な金利で住宅ローンを借りることが出来るように住宅ローンの借り換えを検討されてみてはいかがでしょうか。

※ローンの借り換えなどを検討する場合には、今までのローンの滞納がないかなどの所定の審査がございます。ローンの借り換えを検討する際には、それまでの滞納がないか、年収等の条件がローン会社の審査基準を満たしているかを検討する必要があります。
藤山優里

執筆者:藤山優里(ふじやま ゆうり)

2級ファイナンシャル・プランニング技能士、AFP、第一種証券外務員

防衛大学校卒業後、海上自衛隊に入隊するが、体調悪化のため退職。

退職後、自身のお金に関する知識がないことに危機感を持ちFPの勉強を始める。

現在は保険の見直し業務や転職支援などを通して、ライフプランのトータルサポートを行っている。
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※金利プランは「当初期間引下げプラン」「全期間引下げプラン」の2種類からお選びいただけます。
ただし、審査の結果保証会社をご利用いただく場合は「保証付金利プラン」となり、金利タイプをご選択いただけません。

※固定金利特約は2年、3年、5年、10年、15年、20年、30年、35年からお選びいただけます(保証付金利プランとなる場合は、3年、5年、10年に限定されます)。
金利タイプを組合わせてお借入れいただくことができるミックス(金利タイプ数2本)もご用意しています。 お申込みの際にご決定いただきます。

※ただし、審査の結果金利プランが保証付金利プランとなる場合、ミックスはご利用いただけません。

※審査の結果によっては保証付金利プランとなる場合があり、この場合には上記の金利とは異なる金利となります。金利プランが保証付金利プランとなる場合は、固定金利特約が3年、5年、10年に限定されます

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そもそも金利何%だったら検討すべき?

住宅ローンを借り換えるときに検討される材料として「金利」は一番重要な情報となります。しかし、ただ金利が低くなるからとむやみに借り換えを検討してはなりません。その理由はただ一つです。
 
「住宅ローンの借り換えに諸費用が掛かる」からです。
 
かなり大胆な例ではありますが、今2%で借りている住宅ローンが1.9%になるということで借り換えを行っても、借り換えのための諸費用が掛かるため、見た目上は0.1%金利が低くなったとしても、損をしてしまうこともあるのです。
 
一般的には、住宅ローンの借り換えの基準は次の3つと言われています。
 

・現在のローンと新しいローンの金利差が「1%以上」
・「返済期間が残り10年以上」
・「残りの返済額が1000万円以上」

 
このどれか1つにでも当てはまった方は、住宅ローンの借り換えをご検討いただければと思います。また、現在変動金利でローンを組まれている方や、銀行の窓口でローンを組まれた方も住宅ローンを借り換えることで返済金額が少なくなってお得になる可能性があります。
 
しかし、実際にこの3つのいずれかに当てはまらない場合でも実際に借り換えをすることによって、返済額が軽減する可能性もあります。そのため、少しでも金利が下がった場合には、ローン会社に見積を依頼して、比較してみることをお勧めいたします。
 

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住宅ローンを借り換えするときに行うべきこと

住宅ローンを借り換える際に行う情報収集として、大きく3つのポイントがあります。
 

①新しいローンの金利、団信等の情報
②借り換えの際の「事務手数料」
③抵当権などの設定のための費用

 
情報収集の目的は、借り換えをするためにどれだけの費用が掛かるかということです。
 
まず、新しいローンの金利等の情報です。これは新しいローンが、金利がいくらで固定金利なのか変動金利なのかということを確認する必要があります。この情報はローンのパンフレットなどをご参照頂いて比較する必要があるかと思います。
 
また、ここでは「団体信用生命保険」(団信)の情報も収集しましょう。団信は万が一借入をしている方が亡くなった場合などに、ローン債務がすべてなくなるといった特徴を持つ生命保険です。近年では、3大疾病(がん、急性心筋梗塞、脳卒中)になった場合にもローン債務がなくなる団信も登場していますので、パンフレット等でご確認いただくことをお勧めいたします。
 

※注意
金利の情報収集を行う際に、「キャンペーン金利」ということで、金利を優遇する商品もございます。その際には、キャンペーン金利を適用できる条件を確認しましょう。条件によっては、借り換えを控えたほうが良いものもあります。少しでも効率の良い借り換えを実現するためにもキャンペーン金利では必ず「適用条件」を確認しましょう。

 
続いてのポイントは事務手数料です。この費用は住宅ローンを借りる際の審査手数料やローン会社の人件費などに使われるものです。事務手数料は主に2種類あります。
 

〇定率型
この種類は、「融資金額の何%」という形で決定されます。借入金額が多いほど事務手数料は高くなります。

 

〇定額型
この種類は、いくら借りても「〇万円」といった形で決定されています。借入金額が多い場合はこちらの方がお得です。

 
借りる際の金利が同じであれば、借りる金額によって定率型と定額型どちらがお得かを判断します。
 
最後に抵当権などの設定費用についてです。住宅ローンを借り換える場合、抵当権の設定者が変わることになります。(借り換える前の金融機関から借り換えた後の金融機関へ)その際に、抵当権の設定費用を司法書士に支払ったり、印紙税として納付したりしなければならないため、この費用にも注意が必要です。
 

住宅ローン借り換えするときに気をつけるポイント

住宅ローンを借り換える際には、やみくもに借り換えてはなりません。先ほどの借り換える目安である「金利差」、「残りの返済年数」、「残りの返済残高」の3つのポイントの他、気を付けてほしいポイントが数多くあります。
 

〇「変動金利」or「固定金利」か?

 
一般的に現在は「低金利時代」と呼ばれることがあります。それぞれのメリットデメリットはどのようなものがあるのでしょうか?
 

 
低金利でローンが借りられる今は、変動金利よりも全期間の固定金利の方が低い金利が将来にわたって続くことや、資金計画を立てやすいメリットがありますが、変動金利に比べて金利が高いことも特徴であるため、全期間の固定金利にして諸費用込みでメリットがあるかという事が一番のポイントになるかと思います。
 

〇繰り上げ返済?それとも借り換え?

 
ローンには借り換えの他にも「繰り上げ返済」をするという方法が出来ます。繰り上げ返済を行うことで、借り換えの諸費用を考えなくても良くなるため、借り換えでのメリットをあまり得られない方(金利が元々低い、定年までに返済したいなど)は無理に借り換えをせずに「繰り上げ返済」を検討されることもいかがでしょうか。繰り上げ返済がお得な場合と借り換えがお得な場合の2種類に分けてシミュレーションを行います。
 
基準(借り換えシミュレーション):ローン残高3,000万円、返済期間35年、金利1.5%固定、元利均等方式、5年目に金利1.22%固定のローンに借り換えた場合
 

 

〇借り換えがお得な場合
(繰り上げ返済シミュレーション)
ローン残高3,000万円、返済期間35年、金利1.5%固定、元利均等方式、5年目に100万円繰り上げ返済

(返済期間を短くする「期間短縮型」の場合)
毎月の返済額  91,855円(変化なし)
残りの返済期間 30年→28年8カ月(1年4カ月短縮)
総返済額    38,579,100円→38,055,635円(523,465円減)

(毎月の支払額を抑える「返済額軽減型」の場合)
毎月の返済額  91,855円→88,404円
残りの返済期間 30年(変化なし)
総返済額    38,579,100円→38,336,740円(242,360円減)

借り換えた場合は約54万円のメリット額が出ているため、繰り上げ返済をした場合で期間短縮型でのメリット額約52万円、返済額軽減型でのメリット額約24万円と比べて、借り換えたほうがお得になります。

 

〇繰り上げ返済がお得な場合
(繰り上げ返済シミュレーション)
ローン残高3,000万円、返済期間35年、金利1.5%固定、元利均等方式、5年目に800万円繰り上げ返済

(返済期間を短くする「期間短縮型」の場合)
毎月の返済額  91,855円(変化なし)
残りの返済期間 30年→19年6カ月(10年6カ月短縮)
総返済額    38,579,100円→34,994,890円(3,584,210円減)

(毎月の支払額を抑える「返済額軽減型」の場合)
毎月の返済額  91,855円→64,245円
残りの返済期間 30年(変化なし)
総返済額    38,579,100円→36,639,500円(1,939,600円減)

この場合は、借り換えの際のメリット額が約54万円であるため、期間短縮型で繰り上げ返済をした方が約358万円のメリット額が出ているため、約304万円お得になります。また、返済額軽減型の場合でも約150万円お得になる計算となります。

 
これらのシミュレーションから、繰り上げ返済と借り換えどちらがお得かはシミュレーションをして判断する必要があります。しかし、検討する材料としては、
 

・繰り上げ返済を考える場合は、繰り上げ返済の資金が多くある場合、または返済期間を短くしたい場合(返済額軽減型は効果が薄いためお勧めはしませんが、どうしても返済額を抑えたい方は検討されても良いかと思います)

・借り換えを考える場合は、繰り上げ返済をするほど自己資金がない場合、または金利差が大きい場合

 
この基準で繰り上げ返済か借り換えかを検討されると良いかと思います。
 

〇諸費用を借り換え後のローンに組み込むことも出来るものも。ただし、必ずシミュレーションを!
先ほどのシミュレーションで借り換えの場合の諸費用の概算を算出しました。この諸費用を支払えない場合でも、ローンに組み込むことも出来るという商品もございます。しかし、その場合諸費用にも利息が付くことになるため、必ず諸費用のローン返済も含めたシミュレーションを行うようにしましょう。場合によっては、借り換えによるメリットが諸費用のローンによって打ち消しあってしまうことがあります。

 

借り換え改善シミュレーション1

シミュレーション1では、借り換えのポイントである「金利の差が1%以上」、「返済期間が残り10年以上」、「残りの返済額が1,000万円以上」の全てのポイントに当てはまる場合です。この場合は、毎月9,000円以上の返済額の差額が出ることになり、諸費用を考慮しても、約170万円の節約になります。
 
※ここでの諸費用はあくまで参考額ですので、詳細に関しては司法書士にご確認ください。また、今回のシミュレーションは計算の関係上すべてのシミュレーションで「固定金利」として算出しております。
 

 

借り換え改善シミュレーション2

次のシミュレーションでは、残りの借入額が1,000万円を下回っている場合です。この場合でも、毎月の支払いが約5,000円の節約となり、諸費用を考慮しても約27万円の節約となります。
 

 

借り換え改善シミュレーション3

最後のシミュレーションは残りの借入額が1,000万円以上の場合です。金利差が1%以上なかったとしても、借入の残りの金額が多い場合は借り換えを行っても諸費用含めても節約が出来る計算となります。
 

 

住宅ローン借り換え向き商品比較

それでは、住宅ローンの借り換えをする際には、どのような商品が良いのでしょうか。3つほど商品を比較してみます。
今回は、
 

①「フラット35」
②住信SBIネット銀行「ネット専用住宅ローン」
③auじぶん銀行「住宅ローン」

 
この3つを比較検討してみます。
 
まず①の「フラット35」ですが、大きな特徴は固定金利ということです。現在低金利時代に差し掛かっているため、資金計画が立てやすい固定金利も検討されてみてはいかがでしょうか。
 
固定金利ですので、返済期間がまだ長い、繰り上げ返済の予定もない方は検討してみてはいかがでしょうか。また、優良住宅である場合、さらに金利が引き下がる「フラット35S」を適用できます。その場合には、固定金利でも一定期間1%ほどでローンを申し込む事も出来ます。
https://credit.orix.co.jp/flat35/
 
次に②の住信SBIネット銀行の「ネット専用住宅ローン」です。
 
ネット専用ということもあり、金利が低いのが特徴です。また、変動金利をご希望の方であれば、借り換えで2019年6月現在「年0.418%」でローンを借りることが出来ます。固定金利で借りたい場合でも、借入年数が短いほど金利が低いことが特徴であるため、短期の借入にはお得なローンです。
https://contents.netbk.co.jp/lp/homeloan/net_02/index.html
 
最後に③のauじぶん銀行「住宅ローン」です。
 
auじぶん銀行の住宅ローンの特徴は「当初期間固定金利」を選ぶことが出来ます。この制度は一定期間ローンの金利を固定する制度で例えばお子様が中学校にご入学される頃に住宅ローンを借り換える際、「大学卒業までの10年間は固定金利にしたい、ただ金利は抑えたい」という希望にも応えることが出来ます。
https://www.jibunbank.co.jp/products/homeloan/
 
この3つのローンはあくまで一例です。住宅ローンの借り換えをご検討の際には、専門家にお問い合わせの上、皆様の少しでもニーズに合った借り換えが出来るように複数社の商品を比較いただくことをお勧めいたします。
 
執筆者:藤山優里(ふじやま ゆうり)
2級ファイナンシャル・プランニング技能士、AFP、第一種証券外務員
 

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