住宅ローンはどこの銀行を選べばよい?表面だけじゃなく選ぶ方法を徹底解説
配信日: 2019.06.26 更新日: 2020.03.09
また、その風潮に追い風となるように借入金利1%以下という低金利状態によってが続いており、後述するローンの年末残高の1%を税額控除される「住宅ローン控除」を利用した場合、住宅ローンの利息を支払っても税還付によって利益を得られるという逆ザヤ状態となっています。
そのため、例え全額を一括で支払える層であってもあえて住宅ローンを利用する場合もあり、マイホームを購入する上で「住宅ローン」を活用する機会や動機は多くなってきています。
さらに消費税の10%への増税も控えているため、これを機会に増税前にマイホームの購入を検討することも増えています。2019年はマイホームの取得に関して大きな変化の年です。今回はマイホーム取得に欠かせない選択肢となってきている住宅ローンについて掘り下げていきます。
執筆者:菊原浩司(きくはらこうじ)
FPオフィス Conserve&Investment代表
2級ファイナンシャルプランニング技能士、管理業務主任者、第一種証券外務員、ビジネス法務リーダー、ビジネス会計検定2級
製造業の品質・コスト・納期管理業務を経験し、Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(評価)→ Act(改善)のPDCAサイクルを重視したコンサルタント業務を行っています。
特に人生で最も高額な買い物である不動産と各種保険は人生の資金計画に大きな影響を与えます。
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独立系ファイナンシャルプランナーとして顧客利益を最優先し、資金計画改善のお手伝いをしていきます。
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目次
銀行の住宅ローンってどんなところがある?
住宅ローンの借入先には、銀行・信用金庫・労働金庫・JAバンクなど多くの選択肢があるが、住宅ローンの契約先としては、やはり最も身近な銀行が多く選ばれています。
国内銀行は、ネット銀行・都市銀行・地方銀行などにさらに分けることができ、ひと口に銀行といっても規模や業務形態により以下に示すように少しずつ特徴が異なるため、住宅ローン契約の際は異なるタイプの銀行に複数の見積もりを取ってみるのもおすすめです
三菱UFJ銀行・みつい住友銀行・みずほ銀行といったメガバンクが該当し、全国または複数の地方にまたがる広い営業基盤を有していることが特徴です。広範な営業基盤を有していることから、地域に関わらず住宅ローンの融資を受けることができ、窓口も多いため融資や手続きの相談を行いやすいといった特徴があります。
本店を置く地方を中心に営業を行っている銀行で地元の中小企業や、そこに勤める会社員などを主な顧客としています。
メガバンクと比較して規模が小さいことが多く、住宅ローンの融資対象となる物件も、営業エリア内に限られるなど制約も多くなってくるが、地元密着という特徴から、地場の中小企業に勤めている場合はメガバンクよりも有利な条件で融資を受けられる可能性があります。
金融庁が「あらたな形態の銀行と」定義する銀行であり、従来の銀行と大きな差異としては通帳が存在せず、実店舗も営業上必要最小限のものしか置かれておらず、ATMも他の銀行やコンビニATMを利用することになります。
その性質上、ウェブやテレフォンサービスを利用して取引を行うため利用者は時間に縛られずに済み。銀行側も事務手数料や店舗維持費が最小限で済むので、預金金利や住宅ローン金利などが他のタイプの銀行よりも有利であることがあります。
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銀行によって注力が違う?金利タイプでみる
住宅ローンの金利タイプは、変動金利型・固定期間選択型・全期間固定型の3つに大別されます。
どの金利タイプの住宅ローンに力を入れるかは各銀行によって異なるため、自分自身が利用しようとしている金利タイプに注力している銀行を選ぶことが大切です。住宅ローンの金利タイプは変動金利が最も契約件数が多く、固定期間選択型・全期間固定型がそれに続きます。
さらに固定期間選択型は2年・3年・10年・10年以上といったタイプがあり、多くの場合で10年固定型が選ばれています。固定期間選択型は、例えば子どもの教育費を別に準備する必要があり、資金計画の見通しをつけたい場合に金利変動リスクを一定期間排除することに優れた効果を発揮します。
現在はウェブサイトの発達により、住宅ローンの金利条件などをランキング形式で一覧することもできるようになってきています。
それぞれの金利タイプの特徴とメリット・デメリットを把握し、自分にあった住宅ローン選ぶ事が大事です。
金利で探すと変動が低い。これってどう見るべき?
変動金利は融資実行時の金利が最も安いことが多く、住宅ローン契約の際に選ばれることが多い金利タイプです。
しかし、変動金利は市中金利が拡大すれば返済総額が増加してしまい、当初の計画通りに返済が完了しない恐れがあります。
このリスクは住宅ローン残高が多いほど、受ける影響も大きくなるが、近年は住宅ローンの低金利状態が続いていることから住宅ローン控除による還付金の方が大きくなっており、住宅ローンの返済を急ぐ必要が薄くなっているため、住宅ローンの貸出残高は年々増加を続けています。
住宅ローンの残高によっては、金利上昇局面での変動金利による負担増加は、資金計画に吸収しきれない影響を及ぼす恐れもあるので、繰り上げ返済のための手元資金を多く用意したり、当初契約時の融資額を低く抑えるなどの対策を施すと家計の安定性を増すことができます。
変動金利を選ぶ場合は、金利変動のときのリスクプランを用意しておくことが大切です。
やっぱり厳しいの?銀行の審査基準は?
各銀行の住宅ローンの与信審査の内容は公表されていないが、一般的に重視される項目は購入する予定のマイホームの担保価値と契約者の年収や勤務形態・勤続年数といった個人の返済能力のほか、信用情報が審査対象となります。
この中でも信用情報は契約の可否を判断する大きな材料となります。個人の信用情報は国内に3団体ある信用情報機関に登録・管理されています。
この信用情報には奨学金などを含むローンの契約内容や毎月の返済額とローンの残高に加え、返済の遅延や金利や元金の割引きなどの調停に関する内容や自己破産などの信用事故の情報が登録されているが、こうした事故情報が登録されていると住宅ローンの契約は極めて困難となる傾向があります。
過去にクレジットカードなどの返済遅延を起こしてしまった場合は自己情報が登録されているケースもあります。信用情報は本人が情報開示を請求することもできるので、心当たりがある場合は住宅ローンの申し込み前に信用情報を確認しておきたい。
これは、例えば銀行からの信用情報の照会とローン審査拒絶も信用事故として一定期間登録されてしまうためです。
また近年は住宅価格の上昇によって市街化調整区域内のマイホーム売買も増加してきています。市街化調整区域は、市街化を抑制すべき区域と定義されており、新たに建造物を建てたり増設することを抑える地域となっています。
対をなす市街化区域と比べて土地の利用が制限されるので資産価値が低くなります。
銀行によっては市街化調整区域内の物件を担保としての住宅ローンを行っていないところもあるので、住宅ローンの申し込み前に確認を入れておきたいポイントです。
新築と中古。借り方の違いはある?
住宅ローンの審査に関しては、購入する予定のマイホームに銀行が担保権を設定するので、マイホームの資産価値が融資可能額に影響することがあります。
特に昭和56年以前の中古住宅の場合、耐震基準が導入された新しい建築基準法に則していないため審査や融資条件が厳しくなる恐れがあります。
中古物件で住宅ローンを申し込む場合は、なるべく築年数が浅く修繕履歴が明らかなものを選び、頭金も多めに用意すると良いでしょう。
また中古マンションの場合は、木造と比較して堅牢性の高い構造を採用しているため、耐用年数が長いので築年数の経過による資産価値の減少が穏やかであり、修繕に関してもマンション管理組合に修繕履歴が残されている場合もあるので住宅ローンの融資条件が好転する可能性があります。
消費税の増税によってこう変わる。マイホーム取得に関わる公的支援とは?
2019年10月に消費税の税率は現在の8%から10%への増税が予定されています。
マイホームの購入の際、個人間の取引や土地の購入分には消費税は課されませんが、建物の購入には課税されてしまいます。2%とは言え金額が大きいため負担の増加も大きくなるでしょう。
そこで消費税の増税に対応したマイホーム取得の促進策が提供されています。
マイホーム取得に関わる公的支援として「住宅ローン控除」と「すまい給付金」が有名ですが、消費税の増税によってこの制度が大きく変わります。
当初の10年間は現在の制度と同じで住宅ローンの年末残高の1%が税額控除されますが、11年目以降は住宅ローンの年末残高の1%か建物価格の2%÷3のいずれか少ない方の金額が税額控除の対象となります。
すまい給付金に関しても、現在は年収510万円以下が対象ですが、増税後は年収775万円以下まで拡大され、給付額に関しても最大30万円から50万円に増額されることになります。これらの公的支援制度を十分に活用し、消費税の増税に伴う負担を緩和・吸収することが重要といえるでしょう。
まとめ
近年は住宅価格の高騰を受け、従来は1億円までであった住宅ローンの借入額が2億円まで拡大されるなど、マイホームと住宅ローンを取り巻く環境は大きな変化を続けているが、個人が住宅ローンについて取り組む機会は多くないため、知識・経験が蓄積しにくいです。
しかし、マイホームの購入は人生において最も高価な買い物であり、それに伴う住宅ローンも契約の仕方によっては人生設計に大きな、時には取り返しのつかない影響を及ぼす可能性があるでしょう。
金利タイプの特徴や、契約する金融機関の峻別の必要性と、購入するマイホームの資産価値を維持するための対策など、いずれも高額な物品をローンを利用して購入する場合には欠かせない検討であり、また低金利状態も底を打ちつつあり、固定金利型の金利タイプでは金利が上昇するケースも出てきています。
しかし、住宅ローンを契約している人のうち、5人に1人は金利上昇による負担額増加への対応について対策を講じていないと言われています。
資額が拡大したこともあり、今後住宅ローンを契約する場合は金利上昇のリスクも考えておいても損はないかもしれませんね。
執筆者:菊原浩司(きくはらこうじ)
FPオフィス Conserve&Investment代表
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※審査の結果によっては保証付金利プランとなる場合があり、この場合には上記の金利とは異なる金利となります。金利プランが保証付金利プランとなる場合は、固定金利特約が3年、5年、10年に限定されます
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