現在40歳ですが、「35年ローン」でマンションの購入を考えています。完済時は「70歳を超えてしまう」のですが、ローンの審査に影響はありますか?
配信日: 2025.06.04

そこで今回は、住宅ローンは何歳まで組めるのか、住宅ローンを組む平均年齢、35年の住宅ローンを組んだ場合の毎月の返済額について解説します。

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目次
完済時の年齢が70歳を超えていると審査に影響があるのか?
一般的に住宅ローンを組む際には、次のような年齢条件が設けられていることが多いようです。
●借入時満18歳以上(あるいは満20歳以上)満70歳未満の方
●完済時の年齢が満80歳未満の方
国土交通省住宅局が行った「令和6年度民間住宅ローンの実態に関する調査結果報告書」によると、完済時年齢を住宅ローン審査の項目としている機関は98.4%にも及びます。これは、健康状態、借入時年齢、勤続年数、年収などの項目の中で最も高い数字です。完済時年齢は住宅ローンの審査において重要な項目の1つといえるでしょう。
このことから、完済時の年齢がより若い方が住宅ローンにおいては審査が通りやすいと考えられます。
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住宅ローンを組む平均年齢とは?
同じく国土交通省住宅局が行った「令和5年度住宅市場動向調査報告書」によると、初めて集合住宅を取得した世帯主を年齢別で見ると次の通りです。
●1位:30代(51.0%)
●2位:40代(26.2%)
●3位:50代(11.4%)
●4位:30歳未満(6.4%)
●1位:30代(39.5%)
●2位:40代(27.6%)
●3位:60歳以上(14.9%)
●4位:50代(14.0%)
さらに詳しく見ていくと、住宅ローンを利用して分譲住宅を購入している人は新築で54.8%、中古で38.8%です。平均返済期間は新築で28年、中古で29年という結果でした。
40歳で住宅ローンを組む際の注意点
40代で住宅ローンを組む際は次のような点を意識してみましょう。
●借入期間をできるだけ短くする
●頭金を多めに用意する
●住宅ローン以外のローンは完済しておく
40代で住宅ローンを利用する際に最も大切なのは、定年までに完済できるようにローン計画を立てることです。40代は子どもの進学に伴い支出が増える時期でもあります。
教育費が増えることを前提として、毎月無理のない金額でローンを組むことがポイントです。可能な限り頭金を用意することで、毎月の返済額を下げながら返済期間も短くすることができるでしょう。
40歳で住宅ローンを組んだ場合の返済シミュレーション
ここからは、40歳で住宅ローンを組んだ際の返済シミュレーションをご紹介します。
以下の条件で、借入期間35年と25年、500万円の頭金ありとなしの場合の毎月の返済額を表1に、返済総額を表2にまとめました。
●借入金額:3000万円
●固定金利:1.5%
●返済方法:元利均等返済
●ボーナス払いはなしとする
表1
返済期間35年 | 返済期間25年 | |
---|---|---|
毎月の返済額 頭金なし |
9万1855円 | 11万9980円 |
毎月の返済額 頭金500万円あり |
7万6546円 | 9万9984円 |
※筆者作成
表2
返済期間35年 | 返済期間25年 | |
---|---|---|
返済総額 頭金なし |
3857万9007円 | 3599万4148円 |
返済総額 頭金500万円あり |
3214万9099円 | 2999万5049円 |
※筆者作成
35年ローンは月々の返済額がおさえられる一方で、25年では毎月の返済額は多くなりますが65歳の定年までに完済できるという安心感を得られます。状況に応じて頭金の有無や借入金額なども含めて、無理のない返済計画を立てることが大切です。
完済時に70歳を超える住宅ローンは審査に影響することがある
住宅ローンの完済年齢は住宅ローン審査において重要な項目の1つです。国土交通省の行った「令和6年度民間住宅ローンの実態に関する調査結果報告書」では、完済時年齢を審査している機関は98.4%です。
これは、健康状態、借入時の年齢、年収、勤続年数などの項目の中でも最も高い数字であることから、完済時の年齢は住宅ローン審査において重要な項目といえるでしょう。
例えば、40歳で35年の住宅ローンを組むことは制度上可能です。しかし、途中で返済が難しくなる、貯蓄が足りなくなるなどのリスクを回避するためにも、頭金を多めに用意して定年までに完済できるようなローン計画を立てることが大切です。
将来を見据えた安心できるローン設計を行うことで、住まいと家計の両面で安定した暮らしを手に入れることができるでしょう。
出典
国土交通省住宅局 令和6年度民間住宅ローンの実態に関する調査結果報告書
国土交通省住宅局 令和5年度住宅市場動向調査報告書
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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