更新日: 2024.09.27 その他ローン
どうしても通勤用に車が必要でローンで購入予定ですが、「奨学金」の返済が厳しくなりそうです。返還猶予の制度があると聞きましたが、本当ですか?
しかし、社会人になっても余裕で返済できるほどの収入を得られないこともあります。本記事では、そんな場合でも返済を猶予してもらえる制度について解説をします。奨学金の返済に不安を覚えている人は参考にしてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
日々の生活における、お金にまつわる消費者の疑問や不安に対する解決策や知識、金融業界の最新トレンドを、解りやすく毎日配信しております。お金に関するコンシェルジェを目指し、快適で、より良い生活のアイディアを提供します。
奨学金制度と返還方法の概要
奨学金制度には民間の制度もありますが、もっとも一般的な日本学生支援機構の奨学金制度と返還方法について解説します。
国内の教育機関(大学・短期大学・高等専門学校・専修学校などや大学院)で学ぶ人を対象とした返済が必要な奨学金には、以下の2種類があります(併用可能)。
・第一種奨学金……無利子
・第二種奨学金……有利子
2種類の奨学金は主に成績などの審査基準に違いがあります。無利子の奨学金は成績が一定以上優秀であることが必要です。
一般的には定額変換方式によって返済をします。定額変換方式には以下の2種類があります。
・月賦返還……貸与総額を割賦金の基礎額で割って12倍した回数を支払う
・(ボーナス)併用返還……月払い分は同上。半年賦分(ボーナス分)の返還回数は貸与総額割賦金の基礎額で割って2倍した回数
日本学生支援機構のシミュレーションを利用して算出した返済金額は以下のとおりです。
・月賦返還……8011円
・併用返還……4005円(ボーナス月2万4044円)
※ いずれも最終支払額は増額があります
奨学金の返済には各種の救済制度がある
奨学金の返還期間は余裕を持って設定されていて、返済期間が長いものの、返済が困難になることもあります。
たとえば、職を失ったり奨学金返還以外の返済が増えたりすることもあります。そのようなときのために、日本学生支援機構では以下の3つの制度を提供しているので利用してみましょう。
減額返還制度
日本学生支援機構には、月額の返済金の支払いが厳しい場合に、返還期間を延長できる減額返還制度があります。これによって、当初の返還月額を2分の1・3分の1・4分の1・3分の2に減額して返還できます。
減額返還制度の適用条件は以下のとおりです。
・災害・傷病・その他経済的理由によって奨学金の返還が困難な場合
・子供の人数によって年収400~600万円以下などの条件を満たしていること
・申請時点で延滞がないこと
・対象は口座振替と月賦償還のみ(申請前の変更可)
返還期限猶予
日本学生支援機構には返済期限を猶予する制度もあります。減額返還制度と異なる点は、この制度では返済金額の変更がされず、支払いをしない期間があるだけです。最長で10年間の猶予期間を申請することが可能です。
対象となるのは以下の場合です。
・新卒等
・経済困難
・生活保護受給中
・失業中
上記は、一般猶予と呼ばれていて有利子の奨学金が対象です。無利子の場合も、同様の制度「猶予年限特例又は所得連動返還型無利子奨学金の返還期限猶予」があります。
在学猶予
返済期間猶予のひとつとして、学生を対象とした在学猶予制度があります。学生の場合は卒業予定年月(最長10年)まで支払猶予を申請できます。なお、申請後でも以下の変化があった場合は在学猶予の届け出が必要です。
・進学
・辞退
・留年
・休学
なお、奨学金を利用していれば「スカラネット・パーソナル」に登録することができ、各種の変更届け出や在学猶予を含めた申請が可能です。
返済が必要な奨学金には救済制度があるので、事前に確認しておこう
奨学金の返済は長期間にわたるため、さまざまな理由により返済が困難になることがあります。日本学生支援機構では、返済期間を延長することで返済額を減らしたり、返済しない猶予期間を設けたりする救済制度を提供しています。返済に困ってから慌てることがないように、事前に確認しておきましょう。
出典
独立行政法人 日本学生支援機構 減額返還制度の概要
独立行政法人 日本学生支援機構 返還を待ってもらう(返還期限猶予)
独立行政法人 日本学生支援機構 在学猶予
独立行政法人 日本学生支援機構 スカラネット・パーソナル
独立行政法人 日本学生支援機構 貸与奨学金(返済必要)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー