住宅ローンの返済額は年収の何%に抑えるべき? 返済負担率を低く抑える方法は?
配信日: 2023.01.14
そこで考えたいのが「毎年の住宅ローンの返済額を年収の何%以下にしておくべきか」という水準です。
本記事では、公的なデータから、住宅ローンの返済額は年収の何%以下にしておくべきかを読み解きます。

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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返済負担率の理想は20%以下
(独)住宅金融支援機構では、住宅ローンを契約して家を買った人に対し、定期的に「住宅ローン利用者の実態調査」と称したアンケート調査を行っています。2022年4月の調査における、住宅ローン利用者1500人の返済負担率(年収に占める年間返済額の割合)の分布は図表1のとおりです。
【図表1】住宅ローン契約者の返済負担率の分布
10%以内 | 10.6% |
10%超15%以内 | 19.8% |
15%超20%以内 | 27.3% |
20%超25%以内 | 22.3% |
25%超30%以内 | 10.6% |
30%超35%以内 | 5.4% |
35%超40%以内 | 2.4% |
40%超 | 1.5% |
※変動型金利の住宅ローンの契約者における割合
出典:独立行政法人住宅金融支援機構 住宅ローン利用者の実態調査【住宅ローン利用者調査(2022年4月調査)】
15%超20%以内が最も多く、その後20%超25%以内が続きます。25%を超えると、かなり少なくなってくるのが分かるはずです。このデータを見るかぎりでは、返済負担率はできれば20%以内、多くても25%以内に抑えておくのが返済に行き詰まらないための現実的な水準になり得るでしょう。
なお、厳密にいうと、返済負担率は住宅ローンの返済額だけではなく、クレジットカードのリボ払いや自動車ローン、奨学金やカードローン、キャッシングなど、他の借入額と合算して計算されます。
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住宅ローンの返済負担率を低く抑えるには?
住宅ローンの返済負担率を低く抑える方法を端的にいうと、「借りる額を減らす」ことです。そこで、家を購入する際に借りる額を減らすには、具体的にどのような方法があるか考えてみました。
できるだけ頭金を多めに用意する
頭金を多めに用意できれば、住宅ローンで借入が必要になる額は減らせます。逆に、頭金をまったく用意せず、全額住宅ローンで賄う(フルローン)は、返済負担率が高くなりがちです。地方で中古住宅を購入するなど、借入額が安く済む場合を除いては、フルローンはやめたほうが無難でしょう。
新築にこだわらない
新築にこだわらず、中古住宅の購入を検討するのも、返済負担率を抑えるためには有効です。どうしても新築がよいという明確な理由がなければ、状態のよい中古住宅も候補に入れましょう。
特に、2021年に発生したウッドショックや2022年に発生したウクライナ危機により、住宅建築資材価格は高騰しています。資材の調達価格が高くなれば、おのずと出来上がった住宅の値段も高くなるため、注意が必要です。
他の借入をまずは返済する
すでに触れたとおり、返済負担率は住宅ローンだけでなく「お金を借りるあらゆる取引」を考慮したうえで決められます。そのため、自動車ローンや学生時代の奨学金の返済が残っている場合は、まずはそれを優先的に返済することを考えましょう。他の借入による残高が減らせれば、おのずと返済負担率も減っていきます。
また、他の借入を返済する際は、カードローンやキャッシングなど、利子の高い借入から優先して返済していきましょう。利子の高い借入は早めに完済したほうが、総返済額は減らせるからです。
返済に行き詰まって家を手放すことがないように
実際のところ、返済負担率が高くても住宅ローンを組んでいる人はいます。ただし、返済負担率が高いと毎月の返済金額も高くなるため、生活に余裕がなくなりがちです。
せっかくマイホームを買ったのに、余裕のない暮らしを余儀なくされるのは、自分や家族にとって幸せとはいえません。「無理なく、最後まで返すこと」を前提に、住宅ローンを組みましょう。
出典
独立行政法人住宅金融支援機構 住宅ローン利用者の実態調査【住宅ローン利用者調査(2022年4月調査)】
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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