更新日: 2019.01.10 その他

マンションに宅配ボックスがほしい!どうすればいい?

執筆者 : 束野浩

マンションに宅配ボックスがほしい!どうすればいい?
築年数が経った分譲マンションには、昔から住んでいるオーナー世帯、途中で購入したオーナー世帯、賃貸人の世帯等が住んでいます。築年数が高いほど年金のみ世帯も多く、賃貸人は転勤族や単身者も多く、新婚世帯や子育て世帯など、老若男女さまざまな人が住んでいます。どこの管理組合も、入居者の意見や要望を吸い上げる事に苦労しているのが現状でしょう。

定期的に理事会を開催していない管理組合、年1回の総会は郵送での決議でされているマンションなどもあるようです。
そんなマンションでは、「宅配ボックスを導入したい」という意見があがっても、そんな事に時間をかける余裕がないとの理由で断念されているのではないでしょうか? 

管理組合の理事の皆さんにアドバイスをお届けします。
束野浩

Text:束野浩(つかの ひろし)

ロングステイ財団登録アドバイザー

ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者
鹿児島県出身。電機メーカに入社後、銀行の情報システム営業を経て、平成25年FPとして独立。転勤族かつ趣味の旅行が高じて、渡航歴40数回。日本全国に宿泊した経験を活かし、ロングステイに関する個別相談やセミナー講師を務めている。日本FP協会福岡支部の幹事やマンション管理組合理事長、九州ロングステイ同好会の幹事の経験を活かしつつ、年金支給開始年齢65歳時代となるまでに、定年前からどのような準備をすれば良いのか等、健康年齢までにやっておきたい事、定年後の生活レベル向上へのアドバイスなどを中心に活動中。

まずは、管理組合の理事会としての基本的なスタンスを決める

宅配ボックスを導入するには、当然ながら費用がかかります。まずは管理組合の理事会が、居住者の負担とサービスをどのように考えるかがポイントとなります。
例えば以下のようなケースや課題が考えられます
 
(1)毎月徴収している管理費や修繕積立金の範囲内で導入できるか?
→ 「追加の費用は発生しない」ことを明確に伝える。この条件が一番導入しやすい
 
(2)宅配ボックス導入の為、追加の費用(管理費及び修繕積立金の値上げ含む)の負担が必要
→ 値上げする場合には、総会決議等が必要となります。
 
(3)値上げする場合、オーナーと賃貸人の費用負担割合はどうするのか?
→ 宅配ボックスを利用する人だけ(居住者)が費用負担する等、居住者の管理が大変になる
 
(4)宅配ボックスは不要、無駄な追加設備の負担を望まないオーナーへの対策
→ リタイヤ年金受給している居住者に多い意見ですが、1円たりとも追加費用の支出をしたくないという声もあります。このような居住者が多い場合、導入は難しいでしょう。
 
(5)管理会社(管理人)が協力的でない場合の対応
→ 管理会社は居住者の入退室の管理をしています。入居者のデータを宅配ボックス会社のサービスセンターに連絡する為の追加費用として、管理会社から管理費の値上げを要求されるケースがあり、考慮が必要です。(具体的には業務委託契約の内容変更)
 
重要な点は、管理組合の理事会は「居住者のサービス向上」と「マンションの資産価値向上」を目的として考え、オーナーや居住者の意見も尊重しながら、落としどころを見極めることだと考えます。
 

宅配ボックスの設置場所と、必要な工事の内容

宅配ボックスの設置場所及び導入の工事費用が発生します。以下の点について検討しましょう。

(1)設置場所は屋内/屋外の他、建築基準法や消防法で規制されている場所には設置できません。
(2)宅配ボックスの筐体の床にアンカーボルト工事が必要、耐震による筐体の転倒を防ぎます。
(3)電源工事(必須)及びコンセント工事や(オプション)通信回線工事が必要です。
(4)仕様の決定(管理方式、ボックス数、特殊仕様(冷蔵タイプ等))
(5)ボックス筐体の色決めする必要があります。(周りの壁の色を参考に)
 
見積を依頼する為には、宅配ボックスを提供する業者に一度現地視察をしてもらい、できれば理事会に参加してもらうことをおすすめします。またこの段階から管理会社(管理人)との情報連携も忘れずに行ってください。
 
大手宅配業者にも一度相談してみてはいかがでしょうか?
 
Text:束野 浩(つかの ひろし)
ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、ロングステイ財団登録アドバイザー。

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