更新日: 2020.05.06 その他

「新型コロナで収入減。家賃が払えるか心配…」知っておきたい返還不要の住居確保給付金って?対象者は?

「新型コロナで収入減。家賃が払えるか心配…」知っておきたい返還不要の住居確保給付金って?対象者は?
新型コロナウイルス感染拡大を受け、収入の大幅減少で家賃が払えるか心配。
 
このような方は非正規雇用やフリーランスで働く人が多いと思いますが、公的支援制度の「住居確保給付金」の利用を検討してみてはいかがでしょうか。対象範囲が拡大されるなど、以前に比べ利用しやすくなっています。
 
新美昌也

執筆者:新美昌也(にいみ まさや)

ファイナンシャル・プランナー。

ライフプラン・キャッシュフロー分析に基づいた家計相談を得意とする。法人営業をしていた経験から経営者からの相談が多い。教育資金、住宅購入、年金、資産運用、保険、離婚のお金などをテーマとしたセミナーや個別相談も多数実施している。教育資金をテーマにした講演は延べ800校以上の高校で実施。
また、保険や介護のお金に詳しいファイナンシャル・プランナーとしてテレビや新聞、雑誌の取材にも多数協力している。共著に「これで安心!入院・介護のお金」(技術評論社)がある。
http://fp-trc.com/

住居確保給付金の対象範囲が拡大されました

住居は生活の基盤です。住居確保給付金は、離職などにより住居を失った方、あるいは失うおそれが高い方を対象に、常用就職に向けた就職活動を行うなどを条件に、一定期間、家賃相当額を給付するものです。返還の義務はありません。
 
支給対象者として「離職・廃業後2年以内の者」に「給与等を得る機会が当該個人の責に帰すべき理由・当該個人の都合によらないで減少し、離職や廃業と同程度の状況にある者」が加えられました。
 
離職等していなくとも利用できる点は大きいと思います。
 
また、「申請日において65歳未満」という要件は、令和2年4月1日支給決定分以降は撤廃されました。
 
収入要件に関しても、申請日の属する月の収入が収入要件を超えている場合であっても、収入の減少等によって申請日の属する月の翌月から、収入要件に該当すると申請者が提出資料等により証明が可能な場合は、翌月に申請があったものとして扱うことができるとされています。
 
求職活動要件についても要件が緩和されました。月4回の自立相談支援機関への相談は面談が原則ですが、勤務状況や地域の感染状況等により役所に行くことが困難な場合には、電話等の手段で状況を報告するとともに、給与明細の郵送をもって収入の確認にかえることが可能です。
 
住居確保給付金の受給中は、少なくとも月2回以上公共職業安定所の職業相談等の利用、および週1回以上求人先への応募を行うか求人先の面接を受ける必要がありますが、これらに関しては回数を減免することが可能になりました。
 
支給期間は原則3ヶ月で、一定の条件を満たせば最長9ヶ月まで延長できます。
 
支給額は、その上限額や計算式に使う基準額が各地域で異なり、また世帯人数によっても違いがあります。
 
例えば、東京都特別区の場合、支給額の目安は、単身世帯で5万3700円、2人世帯で6万4000円、3人世帯で6万9800円となっています。
 
支給方法は本人ではなく大家等へ支払われます(代理納付)。
 
支給要件には、収入要件、資産要件、求職活動等要件(誠実かつ熱心に求職活動を行うこと)があります。詳しくは、市区町村のホームページで確認できます。相談はお住まいの市区町村や、自立相談支援事業を実施する機関の窓口に連絡してください。
 

生活困窮者自立相談支援機関って何?

収入が減ってしまい、家計が苦しくなったとき、仕事、住宅、生活のことなどについて相談できる窓口です。各市区町村の相談窓口では、専門の相談員が、解決に向けた提案や、解決までのお手伝いをしてくれます。
 
支援メニューには、就労支援・就労準備支援、家計改善支援、一時生活支援、子どもの学習支援、住居確保給付金などがあります。相談は無料です。
 
困ったときは、1人で悩まず、早めに行政に相談しましょう。
 


 
執筆者:新美昌也
ファイナンシャル・プランナー。


 

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