更新日: 2020.04.26 その他
【新型コロナウイルスの教訓】緊急事態に必要なお金の備えとは?
執筆者:下中英恵(したなかはなえ)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者
“東京都出身。2008年慶應義塾大学商学部卒業後、三菱UFJメリルリンチPB証券株式会社に入社。
富裕層向け資産運用業務に従事した後、米国ボストンにおいて、ファイナンシャルプランナーとして活動。現在は日本東京において、資産運用・保険・税制等、多様なテーマについて、金融記事の執筆活動を行っています
http://fp.shitanaka.com/”
新型コロナウイルスで家計が受けた影響は?
まずは新型コロナウイルスの蔓延により、最近どのようなお金がかかってしまったかをチェックしていきます。
一般のご家庭では、感染予防のためにマスクやアルコール消毒液が必要となりました。しかし、これらの商品は全国のドラッグストアやスーパーで品薄状態になり、需給のバランスが崩れています。
インターネットでは一時期、普段の10倍近い価格で取り引きされるようになりました。どうしても必要な方は、1枚100円ほどする値段が高いマスクを買わざるを得なかったでしょう。
また、感染拡大を防ぐために全国の学校が休校となりました。家で留守番ができる中学生や小学校高学年は良いのですが、小学校低学年など、子どもがまだ1人で留守番できず、いわゆるシッターさんなどを手配しなければならなかったご家庭もあるでしょう。
シッターさんにお願いすると、1時間1000円くらいはかかるため、午前9時から午後5時まで利用する場合、1日で8000円近くの大きな出費となります。
さらに、新型コロナウイルスの影響で収入が減ってしまったという方も多いはずです。日雇いやパートタイマーの方で会社が休業してしまったケースでは、働くことができずに収入が減ってしまいました。
フリーランスや自営業の方も、休校中の子どもの面倒を見るために仕事を休まざるを得なくなり、思うように働けない方もいるかもしれません。
普段から準備したいお金
新型コロナウイルスは今年の1月末から中国で流行が始まり、実際に私たちの生活に大きな影響が出始めたのは2月中旬くらいからでした。大きな心構えや準備期間がなく、マスクやトイレットペーパーが買えなくなったり、学校が休校になったりと不自由な生活になってしまったという方が多いでしょう。
新型コロナウイルスに限らず、地震などの自然災害、交通事故や病気など突然の出来事により、普段の生活が大きく変わってしまうというリスクは常に存在します。そのため私たちは、このような不測の事態に備えてしっかりとお金を貯めておく必要があるのです。
まず、日々の生活に使うお金の3ヶ月〜6ヶ月分くらいは、すぐに使えるように貯金しておくようにしましょう。また、小さい子どもがいるご家庭で夫のみが働き、妻が専業主婦の場合は、夫の収入がなくなってしまうケースに備えて、保険に加入することも検討してはいかがでしょうか。
例えば、交通事故など、突然夫が亡くなってしまうリスクについては、10年の定期保険などでカバーすることが可能です。ライフステージの変化に合わせて保障内容を見直していくようにすると、無駄な保険に入らずに済みます。
国の制度をチェック
自然災害や交通事故、そして今回のような新型コロナウイルスの流行により、収入が減ってしまったり、医療費がかかってしまった場合には、国で用意されているさまざまな制度を上手に活用することが大切です。
国の補償制度を利用する場合、私たち当事者から制度への申し込み手続きや書類の申請をする必要があります。受け身で待っていても補助は受けられません。
どのような制度があるのか、あらかじめインターネットなどで制度について調べて内容を理解し、申請に必要な書類を揃えて準備しておくことが大切です。手続きに慣れていないため、少し面倒だと感じる方も多いと思いますが、私たちの生活を経済的に助けてくれる制度については常にアンテナを張っておくようにしましょう。
なお、新型コロナウイルスの補償制度である小学校休業等対応助成金などは、厚生労働省のホームページ(※)で詳しく解説されています。こうした情報は今後も頻繁に更新される可能性があるため、適宜チェックすることが大切ですね。
いかがだったでしょうか。突然現れた新型コロナウイルスによって、精神的にも経済的にも不安な生活を送っている方も多いと思います。今回の出来事を教訓にして、日頃からしっかりと貯金をしたり、国の制度を調べておくなど、「備えあれば憂いなし」を心がけるようにしていきましょう。
参考
(※)厚生労働省 小学校等の臨時休業に伴う保護者の休暇取得支援のための新たな助成金を創設します
新型コロナウイルス感染症による小学校休業等対応支援金(委託を受けて個人で仕事をする方向け)
執筆者:下中英恵
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者