更新日: 2019.01.10 その他
企業内学校(2)高校進学か就職か、どうせなら両方(日野自動車、日立編)
今回は、引き続き、日野工業高等学園と日立工業専修学校(手当なし)を紹介します。
その他、企業内学校ではありませんが、陸上自衛隊高等工科学校についても紹介します。
Text:新美昌也(にいみ まさや)
ファイナンシャル・プランナー。
ライフプラン・キャッシュフロー分析に基づいた家計相談を得意とする。法人営業をしていた経験から経営者からの相談が多い。教育資金、住宅購入、年金、資産運用、保険、離婚のお金などをテーマとしたセミナーや個別相談も多数実施している。教育資金をテーマにした講演は延べ800校以上の高校で実施。
また、保険や介護のお金に詳しいファイナンシャル・プランナーとしてテレビや新聞、雑誌の取材にも多数協力している。共著に「これで安心!入院・介護のお金」(技術評論社)がある。
http://fp-trc.com/
企業内学校つづき
・日野工業高等学園(東京都日野市)
日野工業高等学園(日野学園)は、日野自動車(株)が運営する企業内訓練校です。
日野学園に入学すると同時に日野自動車(株)に就職することになり、学園生は日野自動車(株)の社員(訓練生)になります。
選考方法は、筆記試験(国語・数学・英語・作文)、適性試験、面接です。科学技術学園高等学校との技能連携制度により、高卒の卒業資格を取ることができます。
学園生の仕事は「学習すること」です。工場で働くことはありません。ただし、各学年で年1回ずつ、実際の生産現場を体験するため約1か月の「応用実習」があります。
手当(月額)は学年により、9万4千円~14万4千円です。年2回の特別手当もあります。手当から、毎月、社会保険料、税金、教科書代、積立金(修学旅行費、自動車運転免許など)、昼食代(社員食堂利用の場合)、寮費(通学が困難な場合のみ利用可)などが控除されます。
卒業後は、日野自動車(株)の製造職場を中心に正式に各部門に配属されます。
・日立工業専修学校(茨木県日立市)
手当は出ませんが、学費と寮費が無料になる、(株)日立製作所が運営する日立工業専修学校があります。
ただし、入学準備金13万円(制服、実習作業着、体育用品他を購入します)が必要です。入学試験は、学力試験(数学・国語・英語)、適性試験、面接試験です。
全寮制で、全員部活動に参加します。ニュージーランドへの海外研修(自己負担なし)もあり、科学技術学園高等学校と連携により、高卒資格が取れます。
卒業後は日立グループ、三菱日立パワーシステムズ(株)に就職できます。
企業内学校のメリット・デメリット
工業系の科目が好きな中学生には、より専門的な知識や技術を習得できます。今回、紹介した企業内学校は、大企業への就職が約束されているので、就職活動が必要なく、3年間、勉強に打ち込めます。
給料ももらえ(例外あり)、高卒資格が取れるのも魅力です。
一方、生産現場のリーダーを育てるための学校なので、勉学や訓練はハードです。
寮生活では集団生活にも馴染む必要があります。目的意識が明確でないなど、生半可な気持ちでは続きません。
そのほかのお得な学校
・陸上自衛隊高等工科学校(神奈県横須賀市川)
陸上自衛隊高等工科学校は中学卒業後に入校する学校です。
一般採用試験の第1次試験は、マークシート方式の国語、社会、数学、理科、英語と500字程度の作文です。
第2次試験は口述試験(個別面接)と身体検査です。推薦採用試験もあります。全寮制男子校で通信制高校(神奈川県立横浜修悠館高等学校)との連携で高卒資格が取れます。
特別職国家公務員として手当が支給されます。生徒手当は手取り額で月額約8万円です。
このほか年2回の期末手当が支給されます。卒業後は陸上自衛官として任官し、1年間の教育を受けた後に3等陸曹に昇任します。
卒業後、防衛大学校、航空学生(防衛省関係機関の学校)等を受験することもできます。
Text:新美昌也(にいみ まさや)
ファイナンシャル・プランナー。ライフプラン・キャッシュフロー分析に基づいた家計相談を得意とする。
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