更新日: 2020.04.14 その他

資格取得をしたい! そんな時にもらえる〈国の給付金〉とは?

資格取得をしたい! そんな時にもらえる〈国の給付金〉とは?
人生100年時代といわれている現在、これからは働く期間も長くなると考えられます。働く期間が長ければ、現在の仕事の中でスキルアップしなければならないことや、再就職しなければならないこともあるでしょう。
 
そんなとき、資格を取得することで効率良く前へ進むことができると考えます。そこで知っておいた方が良い国のサポートをお伝えします。
 
上山由紀子

執筆者:上山由紀子(うえやま ゆきこ)

1級ファイナンシャルプランニング技能士 CFP®認定者

1級ファイナンシャルプランニング技能士 CFP®認定者 鹿児島県出身 現在は宮崎県に在住 独立系ファイナンシャル・プランナーです。
 
企業理念は「地域密着型、宮崎の人の役にたつ活動を行い、宮崎の人を支援すること」 着物も着れるFPです。
 

知っておきたい教育訓練給付制度!

雇用保険の給付制度のなかには、働く人の能力開発の取り組みやキャリア形成を支援し、雇用の安定と再就職の促進を図るための、「教育訓練給付金」という制度あります。
 
この教育訓練給付制度(※1)は
 
(1)一般教育訓練給付金
(2)専門実践教育訓練給付金
(3)特定一般教育訓練給付金

 
の3つに分かれています。それでは、その支給要件などについてお伝えしていきます。

一般教育訓練給付金とは?

一般教育訓練給付金は、厚生労働大臣が指定する教育訓練を受講する場合に受給できるものです。対象となる講座には、外国語やパソコン技能に関するものなど、さまざまなものがあります。
 
【一般教育訓練給付金の支給対象となる人】
下記の(1)または、(2)に該当している人で、厚生労働大臣が指定する一般教育訓練講座を修了した人です。

(1)お勤めの方で雇用保険の被保険者である人の場合

・教育訓練の受講開始日現在で、雇用保険の支給要件期間(*)が3年以上(初めて教育訓練給付金を受給する場合は1年以上)ある人。

(2)雇用保険の被保険者であったが、現在はお勤めを辞められた人の場合

・雇用保険の被保険者資格を失った日(離職日の翌日)から受講開始日までの期間が、1年以内(適用対象期間を延長した場合は最大20年以内)である人。
 
(1)、(2)に共通
教育訓練給付金を受給したことがある場合は、前回の受給から今回の受講開始日前までに3年以上が経過していること。
 
(*)支給要件期間とは
受講開始日までの間に、同一の事業主に引き続いて被保険者として雇用された期間になります。
 
勤めを辞めて雇用保険の被保険者の資格がなくなった場合でも、1年経たずに新しい事業所に勤めた場合は辞めた事業所の期間も被保険者期間に数えることができます。ただし、空白期間が1年を超えると辞めた事業所の被保険者期間は年数としてカウントされないため、勤めを辞められた場合は注意が必要です。
 
また、資格取得を複数回行う人も、過去に受講した受講開始日より前の被保険者期間はカウントすることができません。
 
【支給額】
教育訓練施設に支払った教育訓練経費の20%に相当する額になり、上限は10万円です。その額が4000円を超えない場合は支給されません。
 
例えば、私の場合
ファイナンシャルプランナーの資格取得のとき、勉強していて情報を入手、支給要件も確認し、ハローワークで手続きをしたところ、受講料の20%を支給していただきました。受講料6万4000円×20%=1万2800円でした。

専門実践教育訓練給付金とは?

専門実践教育訓練給付金は、介護や保育、医療、工業などにおける、より専門的で実践的な教育訓練を受講する際に受けられる給付です。
 
【専門実践教育訓練給付金の支給対象となる人】
下記の(1)または、(2)に該当している人で、厚生労働大臣が指定する教育訓練講座を修了した人です。

(1)お勤めの方で雇用保険の被保険者である人の場合

・受講開始日現在で、雇用保険の支給要件期間が3年以上(初めて受給する場合は2年以上)ある人。

(2)雇用保険の被保険者であったが、現在はお勤めを辞められた人の場合

・雇用保険の被保険者資格を失った日(離職日の翌日)から受講開始日までの期間が1年以内(適用対象期間を延長した場合は最大20年以内)である人。
 
こちらも、前回の給付金受給日から今回受講開始日前までに3年以上経過していることなどの条件があります。
 
【支給額】
(1)教育訓練施設に支払った教育訓練経費の50%に相当する額が支給されます。1年分の支給上限額は40万円(訓練期間は最大で3年間となるため、最大で120万円が上限)となります。4000円を超えない場合は支給されません。
 
(2)上記の(1)が支給された人で、資格などを取得し、受講終了日の翌日から1年以内に被保険者として雇用された人、またはすでに雇用されている人に対しては、教育訓練経費の20%に相当する額が追加で支給されます。
 
つまり、教育訓練を終了し、雇用が決定した場合、(1)訓練経費50%と(2)追加給付20%を合わせた70%に相当する額が支給されます。この70%の額に関しては、訓練期間が3年の場合で168万円が上限(2年の場合は112万円、1年の場合は56万円が上限)となります。4000円を超えない場合は支給されません。
 
なお、10年の間に複数回、専門実践教育訓練を受講する場合は、最初に受講開始した日から10年間の教育訓練給付金の合計額は168万円が上限となります。
 
ただ、法令上最短4年の専門実践教育訓練を受講している人は、3年目受講終了時に支給上限額168万円、4年目受講相当分として上限56万円が上乗せされます(4年間で最大224万円)。
 
例えば、看護師を目指す場合看護の専門学校に入学、3年間通学します。入学料と受講料を合わせて3年間で180万円かかるとすると
 
180万円×50%=90万円÷3年間=30万円(1年間の受給額)・・・(1)
1年間の上限は40万円なので、全額受給できます。
 
受講を修了し、資格を取得して1年以内に再就職した場合は180万円×20%=36万円(追加支給分)・・・(2)
 
(1)3年分+(2)=合計126万円が支給されます。事前に受給要件を確認して、申請をすることが大切です。
 
注意:受講開始した年月日によっては受給割合が変わります。

特定一般教育訓練給付金とは?

特定一般教育訓練給付金は、税理士、社会保険労務士、介護職員初任者研修など、キャリアアップ効果の高いとされる、特定の教育訓練を受講する場合、一般教育訓練給付よりも多い給付が受けられるものです。
 
【特定一般教育訓練給付金の支給対象となる人】
一般教育訓練給付と同じ対象者になります。
 
【支給額】
教育訓練施設に支払った教育訓練経費の40%に相当する額になり、上限は20万円です。その額が4000円を超えない場合は支給されません。

まとめ

人生100年時代、同じ仕事をするならスキルアップして年収を上げてみてはいかがでしょうか。まずは厚生労働大臣が指定する教育訓練にどのようなものがあるかチェックしてみてください(※2)(※3)。
 
資格取得を目指し受講すると、受講料の一部が返ってくるとてもお得な制度です。利用しない手はないと思いますのでぜひ、チャンスを生かしてください。
 
[出典]
(※1)ハローワークインターネットサービス「教育訓練給付制度」
(※2)厚生労働省「国から支援を受けられる主な資格・講座リスト」
(※3)厚生労働省「教育訓練給付制度検索システム」
 
執筆者:上山由紀子
1級ファイナンシャルプランニング技能士 CFP®認定者


 

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