4月からスタート!私立高校授業料の実質無償化の内容とは?
配信日: 2020.03.27 更新日: 2020.03.30
そこで、4月から制度改正が行われ、私立高校に通う生徒への就学支援金を拡充し、年収590万円未満の家庭を対象に、私立高校授業料の全国平均額(年約40万円)まで、支給額の上限が引き上げられます。
執筆者:新美昌也(にいみ まさや)
ファイナンシャル・プランナー。
ライフプラン・キャッシュフロー分析に基づいた家計相談を得意とする。法人営業をしていた経験から経営者からの相談が多い。教育資金、住宅購入、年金、資産運用、保険、離婚のお金などをテーマとしたセミナーや個別相談も多数実施している。教育資金をテーマにした講演は延べ800校以上の高校で実施。
また、保険や介護のお金に詳しいファイナンシャル・プランナーとしてテレビや新聞、雑誌の取材にも多数協力している。共著に「これで安心!入院・介護のお金」(技術評論社)がある。
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高等学校等就学支援金とは?
高校生の授業料を国が支援する制度です。高校や専修学校高等課程などに在籍している人で、「道府県民税所得割額」と「市町村民税所得割額」の合算額が、50万7000円未満の方(年収目安910万円未満の方)が対象になります。
支給額は公立学校に通う場合、年額1万1880円(公立高校授業料相当額)です。つまり、国公立高校は授業料負担が実質0円になります。私立高校等に通う場合は、現行、年収目安590万未満の場合、所得に応じて17万8200円~29万7000円が支給されます。
なお、就学支援金は生徒や保護者が直接受け取るものではなく、学校が生徒に代わって受領し、授業料に充当されます。
私立高校授業料実質無償化の内容
私立高校全日制に通う生徒の就学支援金が、2020年4月から世帯年収目安590万円未満では39万6000円に引き上げられます。私立高校通信制は29万7000円、国公立の高等専門学校(1~3年)は23万4600円が支給の上限です。
所得の判定基準も変更されます。令和2年4月分~6月分(令和元年度と同様)は、都道府県民税所得割額と市町村民税所得割額の合算額(両親2人分の合計額)により判定します。
所得割の合計額が50万7000円(年収目安910万円)以上の場合は対象外。25万7500円以上、50万7000円未満の支給額が11万8000円。25万7500円(年収目安590万円)未満の支給額が最大39万6000円になります。
なお、都道府県民税所得割額や市町村民税所得割額は、「課税証明書」や「特別徴収税額の決定・変更通知書」(勤務先を通じて6月頃に配布)で確認できます。自営業の場合、「住民税納税通知書」(市町村から送付)で確認できます。
令和2年7月分以降(新しい判定基準)は、判定基準が「市町村民税の課税標準額×6%-市町村民税の調整控除の額」(政令指定都市の場合は、「調整控除の額」に3/4を乗じて計算する)になります。
この算式による算出額が、15万4500円以上、30万4200円未満の場合の支給額は11万8000円。15万4500円未満の支給額が最大39万6000円になります。
出典:文部科学省 2020年4月から「私立高等学校授業料の実質無償化」リーフレット
就学支援金を申し込むには申請が必要です。新入生の皆さんは、入学時の4月など、手続きが必要な時期に学校から案内がありますので確認してください。
在校生の皆さんは、収入状況の届出を行う7月頃に案内があります。申請された月からの支給ですので、遅れないように注意しましょう。
各都道府県による授業料減免制度もチェックしよう。
各都道府県では、国による就学支援金に上乗せする形で、独自の授業料減免制度を設けている場合があります。
例えば、東京都の場合、年収目安約760万円までの世帯に対し、在学校の授業料を上限に国の就学支援金と合わせて、45万 6000円(都内私立高校平均授業料相当)まで助成しています(令和元年度)。
高校生等奨学給付金の申請も忘れずに
就学支援金は授業料に対する助成ですが、高校生等奨学給付金は、低所得世帯を対象に、授業料以外の教科書費、教材費などの教育費を助成する制度です。申請方法などについては通う学校やお住まいの都道府県の教育委員会などで確認してください。
執筆者:新美昌也
ファイナンシャル・プランナー。