ホームステージングって何？不動産の価値を上げる方法とは

日本ではまだまだ認知度が低いホームステージング。しかし、住み替えをお考えの方や、中古マンションの売却をより好条件で効率的に済ませたい方には、ぜひチェックしていただきたいサービスです。
 

第一印象でほぼ決まる！　のルールに沿った効率的な方法

ホームステージングとはズバリ！　お持ちの売却予定不動産物件をモデルルームのようにデコレーションして内覧の人への訴求力アップを図るものです。日本では不動産市場は圧倒的に新築が主流ですが、欧米では中古物件の流通市場が主流です。
 
もともと1970年代にアメリカで提唱され、のち欧州にも広まっており、現在ではほとんどの中古市場で取り入れられています。日本では数年前までほとんど普及していなかったのですが、最近ようやくこのようなサービスも不動産業者や家具メーカーが乗り出すようになりました。

ホームステージングをすることで、販売に至るまでの期間が3分の1に短縮！

日本ホームステージング協会の調べによると、ホームステージングをしないであるがままの中古物件と、内覧に来た人に「住みたい」と思わせるホームステージングを施した場合とでは、販売成約までの期間が約3分の1、販売価格もアップしているとの報告をあげています。
 
ホームステージング先進国のアメリカでは、ホームステージング未実施と実施の場合の売却価格では6～20％以上の違いがあり、売却期間も約30～50％短縮できたと報告しています。もちろん、物件の間取りや利便性など、物件本来がもっている特性で反応が薄いという場合もあります。
 
しかし、このような工夫をすることで、効率的によりストレスなく手持ち不動産を売却できるのであれば、試さない手はないといえそうです。

費用は5万円から30万円というのが相場

ここで気になるのが、ホームステージングに絡む費用。どのような家具をどのような部屋に配置するのか、水回りや玄関・廊下にまで実施するのか、それとも、リビングダイニングだけにとどめるのか。
 
さらに、どのくらいの期間デコレーションをしておくのか、それともウェブ広告に掲載するために1日だけで写真撮影が終わればすぐに撤去するのか、によって価格は変わりますが、相場は5～30万円というのが一般的なようです。
 
最近はウェブ広告を不動産購入の際の第一歩にするケースが多く、効果的な写真や３D、立体撮影などを盛り込むと料金は上がります。

取り組んでいる企業はまだまだ少ない

ホームステージングに本格的に取り組んでいるところはまだまだ少なく、またビジネス展開エリアも、首都圏を中心とした関東近郊限定というところが多いようです。
 
というのは、ホームステージングに使用する家具・装飾小物はレンタルが一般的。搬入・撤去などを考えると、全国展開には少し時間がかかりそうです。それでも、少しでも手持ちの不動産を早く、高く売却したい方は、調べてみる価値は多いにありそうです。
 
執筆者：柴沼直美
ＣＦＰ(R)認定者