更新日: 2020.02.26 子育て
幼稚園から高校までで学習費はいくらかかる?すべて私立の場合、公立の3倍以上にも
文部科学省は、幼稚園から高校までの子どもの学校教育および、学校外活動のために支出した1年間の経費の実態をとらえる「子供の学習費調査」を隔年で実施し、結果を公表しています(※)。
みんなは子どもの教育にどれくらいお金をかけているのでしょうか?それでは、昨年12月に発表された、平成30年度の調査資料を見てみましょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
日々の生活における、お金にまつわる消費者の疑問や不安に対する解決策や知識、金融業界の最新トレンドを、解りやすく毎日配信しております。お金に関するコンシェルジェを目指し、快適で、より良い生活のアイディアを提供します。
幼稚園から高校まで、1年間の学習費の総額は?
1年間の学習費の総額は、下記の通りでした。*カッコ内は前回調査との比較
公立幼稚園 22万3647円(-4.4%)
私立幼稚園 52万7916円(+9.4%)
公立小学校 32万1281円(-0.3%)
私立小学校 159万8691円(+4.6%)
公立中学校 48万8397円(+2.1%)
私立中学校 140万6433円(+6.0%)
公立高等学校(全日制) 45万7380円(+1.4%)
私立高等学校(全日制) 96万9911円(-6.8%)
公立は、幼稚園から高校まで近年おおむね横ばいで推移しており、私立は、高校を除き増加傾向にあります。 私立高校は前回調査から減少していますが、これは主に「授業料」や塾などの「補助学習費」が減少したことによるものです。
この中で、私立小学校と私立中学校の学習費は群を抜いています。内訳を見ると、私立小学校の学校教育費は90万4164円、学校外活動費は64万6889円で、私立中学校の学校教育費は107万1438円、学校外活動費は33万1264円となりました。学校教育費が100万前後かかるんですね。
学校外活動費は、塾などの補助学習費と稽古ごとや学習活動、スポーツ、文化活動などに要した費用のことで、私立小学校では60万円を超えています。子どもによりよい学習環境を与えるために、親はお金を惜しまないということでしょう。
幼稚園から高校まで私立の場合は全て公立の場合の3倍以上のお金がかかる
1年間でこれだけかかるのですから、幼稚園から高校卒業までの総額はどのくらいになるのでしょうか。幼稚園は3歳から通った場合としています。
全て公立に通った場合は15年間で約544万円、幼稚園のみ私立の場合は約635万円です。幼稚園・高校は私立という場合は約788万円、全て私立に通った場合は1830万円となりました。全て公立に通った時の3倍以上、約1300万円の差です。こんなに違うんですね。
塾や習い事にどれだけお金をかけているの?
次に、学習塾やスポーツ教室、ピアノなどの習い事を含めた、学校外活動費を見てみましょう。
公立幼稚園 8万3895円
私立幼稚園 16万5658円
公立小学校 21万4451円
私立小学校 64万6889円
公立中学校 30万6491円
私立中学校 33万1264円
公立高等学校(全日制) 17万6893円
私立高等学校(全日制) 25万860円
私立小学校の学校外学習費が突出しています。内訳を見ると、学習塾などの「補助学習費」が34.8万円と半数以上を占め、「教養・その他」が9.7万円、「芸術文化活動」が9.6万円、「スポーツ・レクリエーション活動」が8.3万円、「体験活動・地域活動」が2.3万円となっています。
私立小学校に通わせている家庭は、家計に余裕があり、教育熱心であると思われます。そのため、学習塾の他、スポーツや音楽、美術などの習い事、さらには教養を身につけさせるため、さまざまな体験を子どもの頃からさせているのでしょうね。
お金に余裕があれば、小学校から全て私立で良質な学習環境の中、附属大学にそのまま進学するのもよし。また、全て公立で、高校大学と厳しい受験戦争を経験して進学するもよし。それぞれの家庭の考えで、子どもに最適な学習環境を提供しているようです。
出典 ※文部科学省「平成30年度子供の学習費調査」
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部