更新日: 2020.02.23 その他
やっぱり「無料」は危険? 騙されてはいけないタダ商法
今回は、危険な「無料」のイベントや商品、そして、もしもの時の相談窓口について、ご紹介します。
執筆者:下中英恵(したなかはなえ)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者
“東京都出身。2008年慶應義塾大学商学部卒業後、三菱UFJメリルリンチPB証券株式会社に入社。
富裕層向け資産運用業務に従事した後、米国ボストンにおいて、ファイナンシャルプランナーとして活動。現在は日本東京において、資産運用・保険・税制等、多様なテーマについて、金融記事の執筆活動を行っています
http://fp.shitanaka.com/”
「タダ」のサービスの目的とは?
「タダより怖いものはない」という言葉があるように、慈善サービスやボランティアでない限り、「無料」のものには、何かしらの目的や意図があります。無料のサービスや商品を利用する場合は、その目的をしっかりと考え、強引な勧誘やトラブルに巻き込まれないよう、注意することが大切です。
例えば、金融機関などが実施している「無料のお金の相談会」もその一つです。大手の銀行や証券会社が、相続や住宅ローンなどの相談に乗ってくれるので、安心して参加しているという方もいるかもしれません。
しかし、名前が知られている大手の会社だからといって、決して安心してはいけません。金融機関は、「お金の相談会」を慈善事業で行っているわけではなく、「営業活動の場」として利用しています。顧客の資産状況を聞き出し、投資を勧めてきたり、保険を勧めてきたりする可能性があります。
お金について、本当に相談をしたい場合は、「相談料」として、きちんとお金を支払う方が、無駄な勧誘を受けることは少ないでしょう。一つの相談窓口ではなく、複数の方から意見を聞くのも有効です。
被害に遭いやすい人とは?
詐欺や強引な勧誘にはさまざまな手口がありますが、一般的に、消費者被害に遭いやすいのは、高齢者です。
高齢者は、年金や退職金、今までの貯蓄など、大きな財産を持っている可能性があるため、言葉巧みにいいくるめられてしまう場合があります。先ほどの「無料のお金の相談会」も、「退職金の運用」や、「老後資金の貯蓄」、「相続対策」などをテーマとして扱い、高齢者をターゲットとしているケースもよく見られます。
高齢者を強引な勧誘被害から守るためには、本人だけではなく、その家族も、しっかりと注意を払ってあげることが大切です。特に、保険や投資については、家族も一緒に、どんな金融商品を持っているのか、いくらくらい投資しているのかなどをチェックしてあげるとよいでしょう。
金融機関の営業員に勧められて、手数料が高すぎるものや、無駄な保障内容が付いている保険などを購入してしまっている場合、売却や解約を検討するなど、一緒に対応するようにしましょう。
困ったときの相談窓口
強引な勧誘を受けて、無理やり商品を買わされてしまった場合などは、頼れる相談窓口に問い合わせを行ってみましょう。消費者庁(※1)や独立行政法人 国民生活センター(※2)のホームページには、さまざまな詐欺被害やトラブルについて、情報が掲載されています。現在何か困っていることがある方は、まず、チェックするとよいでしょう。
いかがだったでしょうか。「自分は大丈夫」と思っていても、「無料」のサービスは世の中に溢れており、実は誰でもトラブルに巻き込まれる危険性があります。今回の記事を参考にしながら、被害に遭わないように、ぜひもう一度、家族みんなで身を引き締めていきましょう。
[出典]
(※1)消費者庁
(※2)独立行政法人 国民生活センター
執筆者:下中英恵
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者