執筆者:下中英恵(したなかはなえ)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者
“東京都出身。2008年慶應義塾大学商学部卒業後、三菱UFJメリルリンチPB証券株式会社に入社。
富裕層向け資産運用業務に従事した後、米国ボストンにおいて、ファイナンシャルプランナーとして活動。現在は日本東京において、資産運用・保険・税制等、多様なテーマについて、金融記事の執筆活動を行っています
http://fp.shitanaka.com/”
Web通帳って何?
Web通帳とは、銀行での入出金の履歴や取引明細、残高照会など、今まで紙の通帳を利用して確認していた内容をインターネット上で行うことを言います。銀行によって、「インターネット通帳」「デジタル通帳」「Eco通帳」などいくつかの呼び方があります。
Web通帳には、紙の通帳と比べて、いくつかのメリットがあります。例えば、いつでもインターネット上で最新の残高や取引明細を確認することができるため、銀行にわざわざ記帳に行く必要がありません。
また、「もの」として保管しなくてもよいので、紛失するリスクがなく、紙を使用しないという点で、環境に優しいというメリットがあります。さらに、銀行によっては、Web通帳を使うことで、銀行の振込手数料や、ATMの手数料などが無料になるサービスを実施しているケースがあります。
一方で、Web通帳には、いくつかのデメリットもあります。まず、インターネット環境がなければ、利用することができません。パソコンやスマートフォンを持っていない方や、高齢者などインターネットに慣れていない方には、操作が難しいケースがあります。
さらに、休日の深夜など、システムメンテナンスをしている間は、ページを閲覧することができません。また、Web通帳を利用する場合、紙の通帳は発行してくれないという金融機関がほとんどです。現物として通帳を持っておきたいという方には不向きですね。
Web通帳は、「閲覧期限」についても注意をする必要があります。大体の場合、Web通帳は、「過去25ヶ月まで閲覧可能」など、取引明細を表示する期間を限定しています。昔のデータを確認したい場合は、過去の紙の通帳を利用しなければならないため、不便に感じるケースもあるでしょう。
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Web通帳の便利な使い方
ご紹介したように、いくつかのデメリットはありますが、実はWeb通帳は、上手に利用すると、大変便利な家計管理のツールとなります。具体的な使い方を見ていきましょう。
例えば、Web通帳は、そのまま家計簿代わりとして代用することが可能です。大手金融機関の場合、Web通帳には、取引明細をCSVファイルなどにダウンロードできる機能がついているものがあります。
エクセルなどの表で、取引明細を1ヶ月ごとにまとめれば、簡易的な家計簿として利用できるでしょう。今月どのくらいお金を使ったのか、貯金はいくらできたのか、赤字か黒字か、先月に比べどのくらい支出が変化したかなど、ざっくりとしたお金の流れを確認することが可能です。
さらに、フリーランスや自営業を行っている方は、Web通帳をダウンロードし、エクセルファイルなどを上手に編集すれば、会計帳簿として利用することもできます。
Web通帳は、紙の通帳のように、自分でアナログに転記する必要がないので、時間の節約や、転記ミスを減らすことにもつながります。Web通帳は、自分の工夫次第で、お金の管理がより効率的になる可能性があるのです。
Web通帳への切り替え
現在、紙の通帳を利用している方が、Web通帳に切り替えたい場合、インターネット上か銀行窓口での手続きが必要となります。各銀行のホームページから、手続き方法を確認しましょう。
そして、紙の通帳からWeb通帳に切り替える前に、必ずチェックしておきたいポイントが「記帳」です。
先ほどご説明した通り、Web通帳を利用する場合、紙の通帳はもう発行してくれないケースが多く、Web通帳には「閲覧期限」があります。取引明細が途切れないように、Web通帳への切り替え前に、全て記帳しておくようにしましょう。
いかがだったでしょうか。環境問題への配慮などから、今後も、Web通帳のようなペーパーレス化の動きが加速すると考えられます。最初は慣れないと感じる方もいるかもしれませんが、地球にも優しく、便利なWeb通帳を使いこなして、上手に家計管理に役立てていきましょう。
執筆者:下中英恵
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者