更新日: 2019.10.11 その他

がん保険に入る前に知っておきたい「がん罹患率」。日本人の2人に1人は罹患する?

がん保険に入る前に知っておきたい「がん罹患率」。日本人の2人に1人は罹患する?
日本人の三大疾病の一つといわれている、がん。しかし、実際どれくらいの人ががんに罹患するかをご存じですか? 保険の加入について考えるために、日本人のがん罹患率を確認しておきましょう。
 
重定賢治

執筆者:重定賢治(しげさだ けんじ)

ファイナンシャル・プランナー(CFP)

明治大学法学部法律学科を卒業後、金融機関にて資産運用業務に従事。
ファイナンシャル・プランナー(FP)の上級資格である「CFP®資格」を取得後、2007年に開業。

子育て世帯や退職準備世帯を中心に「暮らしとお金」の相談業務を行う。
また、全国商工会連合会の「エキスパートバンク」にCFP®資格保持者として登録。
法人向け福利厚生制度「ワーク・ライフ・バランス相談室」を提案し、企業にお勤めの役員・従業員が抱えている「暮らしとお金」についてのお悩み相談も行う。

2017年、独立行政法人日本学生支援機構の「スカラシップ・アドバイザー」に認定され、高等学校やPTA向けに奨学金のセミナー・相談会を通じ、国の事業として教育の格差など社会問題の解決にも取り組む。
https://fpofficekaientai.wixsite.com/fp-office-kaientai

がんにかかる割合は?

日本人の2人に1人がかかるといわれているがん。あくまでも確率のため、必ずそうなるというわけではありませんが、国立がん研究センターによると、日本人のがん罹患率は下表のようになっています。
 
○日本人の生涯がん罹患リスク(2014年)

※国立がん研究センター「最新がん統計」より
 
これは2014年のデータですが、部位などに関わらず、一生涯のうち、がんにかかる割合は、男女ともに「2人に1人」となっています。うち、男性では「胃がん」が11%、女性では「乳がん」が9%と、もっとも割合が高くなっています。
  
・日本人の「2人に1人」が、なんらかのがんに罹る可能性がある。
・部位別の罹患率を見ると、もっとも高いのは、男性で「胃がん」、女性で「乳がん」となっている。

 
次は、年齢・性別ごとのすべてのがんに対する罹患率を見ていきます。
 
○年齢・性別ごとのすべてのがんに対する罹患率(2014年)

※国立がん研究センター「最新がん統計」より
 
グラフを見ると、男性では60歳前後あたりから罹患率が高まっていますが、女性の場合、40歳前後から緩やかに増加する傾向があるようです。
 
・男性では60歳前後からがんの罹患率が高まるが、女性の場合、がん罹患率は40歳前後から緩やかに増加している。
 
参考までに、部位別のがん罹患数についても見ておきましょう。
 
○年齢・部位別のがん罹患数(2014年)

※国立がん研究センター「最新がん統計」より
 
上のグラフを見ると、がんにかかりやすい部位は、男性では、「胃がん」・「肺がん」・「大腸がん」・「前立腺がん」の割合が高く、女性の場合、「乳がん」・「大腸がん」・「胃がん」・「肺がん」で割合が高い傾向があります。
 
・男性では「胃がん」・「肺がん」・「大腸がん」・「前立腺がん」が、女性では「乳がん」・「大腸がん」・「胃がん」・「肺がん」で、がんの罹患数が多い。
 
これらを年齢別に見たものが次のグラフです。
 
○年齢・部位別のがん罹患数の割合(2014年)

※国立がん研究センター「最新がん統計」より
 
60歳前後から男性はがんの罹患率が高まりますが、中でも、「胃がん」・「肺がん」・「大腸がん」・「前立腺がん」が目立って多いようです。一方、女性の場合、40歳前後からがんの罹患率は高まりますが、特に顕著に表れているのが「乳がん」です。
 

まとめ

・日本人の「2人に1人」が、なんらかのがんに罹る可能性がある。
・部位別の罹患率を見ると、もっとも高いのは、男性で「胃がん」、女性で「乳がん」となっている。
・男性では60歳前後からがんの罹患率が高まるが、女性の場合、がん罹患率は40歳前後から緩やかに増加している。
・男性では「胃がん」・「肺がん」・「大腸がん」・「前立腺がん」が、女性では「乳がん」・「大腸がん」・「胃がん」・「肺がん」で、がんの罹患数が多い。
・女性の場合、特に、40歳代、50歳代では「乳がん」の罹患率が高い。

 
過去のデータをもとに考えると、私たち日本人は、三大疾病のひとつである「がん」にかかるリスクは高いのかもしれません。しかし、がん検診による早期発見、治療技術の進歩や薬剤の開発などにより、かつてと比べ、がんは治りやすくなっているといわれています。
 
ファイナンシャル・プランニング上は、がんにかかった場合に備え、どのようにリスクマネジメントを行うかを考えていきますが、その前段として、今回取り上げたがん罹患率などのデータは参考になるかもしれません。
 
出典:※国立がん研究センター「最新がん統計」
 
執筆者:重定賢治
ファイナンシャル・プランナー(CFP)


 

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