更新日: 2019.10.09 子育て
幼保無償化、働く主婦の反応は?賛成が半数以下という結果も
しかし、小学生以上の子どもを持つ親は恩恵を受けられないほか、保育園の空きを待つ人には競争が激化しそうだという声もあり、すべての人が手放しでは喜べないかもしれません。
主婦に特化した人材サービス「しゅふJOB」(事業運営者:株式会社ビースタイル/本社:東京都新宿区)の調査機関しゅふJOB総研は「幼児教育・保育の無償化」をテーマに働く主婦層にアンケート調査を行いました。働く主婦の幼保無償化に対する意識は、実際のところどうなんでしょうか。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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目次
幼保無償化の認知は86.5%。幼児期の子どもがいる家庭では生活費が助かるかも。
2019年10月から幼保無償化が始まることを知っていたかと聞くと、「知っていた」が63.2%「少しは知っていた」が23.3%と、86.5%が「知っていた」と回答しました。
また、「子育て環境への影響を考えた場合、幼保無償化についてどう思いますか」と尋ねると、「幼児期の子どもがいる家庭の生活費が助かる」が、55.8%と最も多い回答でした。
次いで、「幼児期よりも高校・大学など高等教育の子育て支援を手厚くすべき(38.9%)」と、学費や塾代などでよりお金がかかる時期の支援を望む声が多くありました。
その他には「子どもを保育施設に預けて働きに出る人が増える(30.9%)」「子どもを預けやすくなり待機児童が増えないか心配(24.9%)」などの回答がみられました。
幼保無償化により子どもを持つ主婦が働きやすくなると感じる一方で、保育施設がすぐに増えるわけではないため、待機児童が増えるのではないかという懸念を持っていることがわかりました。
子どもを預けて働く人が増える?30代は育児と仕事を両立したい傾向が強い。
年代別にみると、すべての年代で「幼児期の子どもがいる家庭の生活費が助かる」がトップでしたが、特に30代以下では72.7%と圧倒的に多い結果でした。
30代では「子どもを保育施設に預けて働きに出る人が増える(40.6%)」がそれに続きました。30代では育児と仕事を両立する志向が他の年代より高い傾向がみられました。その一方40代では「幼児期よりも高校・大学など高等教育の子育て支援を手厚くすべき(45.9%)」と、それぞれの年代に特有な意見が多くみられるようです。
幼保無償化に賛成、反対する理由とは?
幼保無償化に対する賛否については、「賛成」が45.6%、「反対」が22.8%で、賛成が半数に満たない結果になりました。
子どもの有無でみると、子どもがいる人では46.6%が賛成で22.2%が反対、子どものいない人で40.6%が賛成で26.3%が反対でした。年代別では30代以下が賛成61.5%と6割が賛成で、その他の年代は賛成は40%台でした。幼保無償化の対象となる子どもを持つ年代の賛成が多いのは当然ですね。
フリーコメントでは、賛成と回答した理由について下記のようなものがありました。(年代:子どもの有無)
・無償化の費用を教育費に使えるから(50代:いる)
・少しでも子育ての負担が減らないと、子供を生み育てたいと思わないので(50代:いる)
・給料の手取りがそんなに増えない中、幼稚園や保育園の負担が大きすぎる(30代:いる)
・自分も子供が小さければそれを望むから(40代:いる)
・出生率を上げろと言うなら、これだけでは不十分だが、何もやらないよりはマシ(50代:いない)
当事者が歓迎するのはもちろんですが、そうでない年代の人も少子化を憂いており、その解決策のひとつとなればと考えているようです。
「反対」と回答した人の理由は下記のようなものです。
・財政難という理由で消費税を上げたのに無償化にしたら意味がない(50代:いない)
・大学などの高等教育に比べて小さな金額。金銭的な問題で高等教育を受けることを断念せざるを得ない人材を救うべき(50代:いる)
・無償化よりも、保育士の給与や待遇改善、待機児童解消にお金を使った方がいいと思う(30代:いる)
・出生率を上げたいのであれば、団塊ジュニアが出産できる年齢のうちにやっておくべきだったと思う。もう遅い(40代:いる)
反対の人は、国の財政状況を懸念したり、もっと高額な教育費がかかる子どもを支援すべきだという意見や、この施策では少子化解消にはつながらないなど、厳しい意見がみられました。小さな子どもを持つ親でも、日本全体の財政難や少子高齢化などの問題解決を優先してほしいと考える人もいるようです。
幼保無償化はまだ始まったばかりです。よい面も悪い面もあるかと思いますが、実施しながら出てくる課題を解決していければいいですね。
※しゅふJOB総研「幼児教育・保育の無償化に関するアンケート調査」
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部