もしも乳がんになったら、 必要なお金はどのくらいかかる?

配信日: 2019.09.15

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もしも乳がんになったら、 必要なお金はどのくらいかかる?
30歳から60歳までの女性の死亡原因として、毎年上位となっている「乳がん」は、女性なら誰でもなる可能性がある病気です(※1)。みなさんの周りにも、実際に乳がんと闘っている方がいるかもしれません。
 
乳がんになった場合、病状はもちろん、手術費や治療費など、お金のことも気になりますね。実際のところ、乳がんの治療費はどのくらいかかるのか、万一の時に備えて、一緒に確認しておきましょう。
 
下中英恵

執筆者:下中英恵(したなかはなえ)

1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者

“東京都出身。2008年慶應義塾大学商学部卒業後、三菱UFJメリルリンチPB証券株式会社に入社。

富裕層向け資産運用業務に従事した後、米国ボストンにおいて、ファイナンシャルプランナーとして活動。現在は日本東京において、資産運用・保険・税制等、多様なテーマについて、金融記事の執筆活動を行っています
http://fp.shitanaka.com/”

早期発見がポイント

乳がんは、治療開始が早ければ早いほど、完治する可能性が高い病気です。セルフチェックや、健康診断などで、早期発見できれば、体への負担だけではなく治療費などの経済的負担も軽減させることができますよ。
 
乳がんは、超音波検診やマンモグラフィーによって検査を行うのが一般的です。40歳以上の女性の場合、無料~3000円くらいで、検診が受けられる補助券を自治体からもらえることがあります。自治体から乳がん検診について手紙を受け取った方は、必ず検診に行くようにしましょう。
 
40歳未満の方でも、胸に気になる症状がある方は、自分で検査を受けに行くことをおすすめします。会社の健康診断ではない場合や、自治体の補助券がない場合、超音波検診やマンモグラフィー検査は、自費で1万円くらいかかるのが一般的です。
 

治療内容と治療費をチェック

それでは、乳がんの具体的な治療方法と費用について、日本乳癌学会の資料(※2)を確認していきましょう。
 
例えば、ホルモン療法の場合、閉経前と閉経後で治療に使うホルモン剤が異なったり、投与期間が2~10年と個人差があったりするため、どの薬を何年続けるかで治療費が大きく変わります。
 
また、病院や、入院日数などによっても、医療費は変わってくるため、大体の目安を参考値として知っておくと安心ですね。
 
<放射線治療>
総額およそ47万~70万円
実際に支払う金額(3割負担の場合)14万~21万円
 
<ホルモン療法>
閉経前(12週ごと1年間)
総額およそ29万円
実際に支払う金額(3割負担の場合)8.8万円
 
閉経前(4週ごと1年間)
総額およそ47万円
実際に支払う金額(3割負担の場合)14万円
 
閉経後(1年間)
総額およそ18万円
実際に支払う金額(3割負担の場合)5.4万円
 
<化学療法(抗がん剤治療>
いくつかの抗がん剤を組み合わせて行い、使用する薬の量は、体重と身長によっても異なります。例えば身長160cm体重50kgの方の場合、総額は13万円から68万円ほどで、実際に支払う金額(3割負担の場合)は、4万円から20万円くらいとなっています。
 

「高額療養費制度」も活用しよう

実際に乳がんの治療を行うことになったら、「高額療養費制度」を利用することを検討するようにしましょう。これは、公的医療保険における制度の1つで、医療機関や保険薬局の窓口で支払った額が一定額(自己負担限度額)を超えた場合、その超えた金額が支給される制度です。
 
乳がんになってしまい、長期間におよぶ治療を行う場合、経済的に助けてくれる制度なので、ぜひ厚生労働省のホームページ(※3)を確認してみてくださいね。
 
いかがだったでしょうか? 万一、乳がんと診断された時に慌てないために、また、お金の心配をせずに病気と闘うために、今回ご紹介した治療費や活用できる制度について、ぜひ頭に入れておいてくださいね。
 
出典・参考
(※1)国立がん研究センター がん情報サービス 最新がん統計
(※2)日本乳癌学会 患者さんのための乳癌診療ガイドライン 「Q16.初期治療には,どのくらいの治療費がかかりますか。」
(※3)厚生労働省 高額療養費制度を利用される皆さまへ
 
執筆者:下中英恵
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者


 

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