更新日: 2019.01.10 その他
「長野で田舎暮らし」都内へ通勤の生活実態は?
数年前よりリタイア後の田舎暮らしがブームです。最近はリタイアする前の働いている時からそういった生活スタイルを求める方も増えてきました。
筆者の住む長野県佐久市は新幹線で都内まで1時間強という場所柄、そういった意向で移住してくる方もいらっしゃいます。
筆者自身も結婚のタイミングで佐久市に居住するようになった移住者です。
こちらでの暮らしや経済的な部分はどうなのか、経験者としてお伝えします。
Text:清水斐(しみず あや)
住宅ローンアドバイザー
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者
高専・大学を卒業後Webの制作会社を経て企業系ファイナンシャル・プランナーとなり30歳で独立。現在長野県佐久市に事務所を構えて長野・東京で活動中。主に30~40代、同年代の子育て・住宅購入世代に対して「自分がお客様の立場だったらどういう判断をするか」を軸にお金の持ち方・つかい方のアドバイスに力を入れている。ライフプラン作りから資産運用まで老後にわたる継続的なサポートすることを事業理念としている。
http://www.fp-saku.com/
都心と比べて暮らしは?
移住される方が求めるような緑が深く自然が多くある長野県。佐久市には特に小さいお子様がいる方が続々移住してきている印象です。
転職せず都内に通勤しながら広い土地でのびのび暮らす。子供用にレジャー施設はありませんが山や田畑、公園など身体を動かすことは出来ます。保育園の待機児童も現時点で0、一時預かりなども行っていますし延長保育の料金は掛かりません。
かつては生活用品以外の衣料品などの買い物が不便と言われることもありましたが今は車で30分で軽井沢アウトレットに行けます。ネットで買い物も出来ますので不便さを感じることはなくなりました。
気候は夏場の日中こそ都心と同じく最高気温35℃など暑いですが朝晩は20℃前後に下がるので夜のエアコンや寝苦しさがないのはとても快適です。エアコンは日中用で夜も利用するのはシーズンで2~3日です。
冬はやはり寒いです。冬場は最高気温が氷点下ということもあります。ただ、家の中を暖かく保ち(薪ストーブがある家庭も多いです)、外出時は基本的に車ですので寒さで生活に影響はあまりありません。びっくりされるのが雪はそう多くないこと。最近はシーズンで3~5回程度雪かきが必要な程度で積雪何メートルという地域ではありません。
ご近所づきあいも程良い距離感です。移住にあまり馴染みはありませんが外から来た方は歓迎されています。
お裾分けや回覧板は頻繁ですが地区のイベントの案内などはありますが必須ではありません。参加をするととても喜ばれるので自身にとって無理のない距離感を作ることが出来るのではないでしょうか。
出来る限り遠慮したい場合は最近開発が進んでいる佐久平駅周辺でしたら昨年に新しい小学校が出来るなど移住者の方が多くいらっしゃいます。都心とあまり変わらない距離感でのお付き合いが出来るのではないでしょうか。
生活に掛かる費用は?
都内の会社に勤務しているより地元勤務の方は収入が低い傾向にあります。それでも問題なく生活していますので都心で暮らすより家計に余裕は生まれるのではないでしょうか。
ガスがプロパンだったり、車に乗るのでガソリン代が掛かったりはしますが食料品、特に野菜が安く購入できますし、住む地域によってはご近所の方からのお裾分けを頂けたりもします。また、居住費が安く抑えられるというメリットもあります。
賃貸では2LDKで5万円台の物件は珍しくありませんし移住したからには自然の中で庭付き1戸建の家を持ちたいという方が土地を購入して戸建てを建てても3000万円台が平均的です。
こどもの教育は高校までは自宅から通える公立高校へ進学することが多く、そちらでも経済的負担は軽めです。ただ、大学進学の場合はほぼ一人暮らしをすることになるのでその準備は必要です。
通勤は現実的なのか?
この佐久から通勤するとなると新幹線通勤となります。朝の通勤時間帯は都心への通勤客が殆どです。
新幹線料金は東京駅まで1ヶ月定期で13万円強と安くありませんが多くの方が勤め先から半額程度は交通費を支給されているようです。リモートなど毎月通勤する必要がない方は回数券の利用もできます。生活費を削減できた分、交通費が増えてもやりくりはできているようです。
佐久市の移住促進事業の一環として年間最大30万円を3年間、補助金として受けることも出来ます。移住者向けの補助金は他にも住宅の購入などでこども二人の場合最大で160万円受け取ることが出来ます。
実際に住んでいる者としてはとても住みやすく満足をしているのでもっと移住者が増えれば良いと思っています。
佐久市としても都内での説明会や移住体験など色々な取り組みを行っているようです。より良い暮らしの選択肢として、参考に頂ければ幸いです。
Text:清水 斐(しみず あや)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者、住宅ローンアドバイザー