更新日: 2019.08.27 その他

あなたのマンションの工事はどうしてる? 1割強は借入金や一時徴収金でまかなっているという事実

あなたのマンションの工事はどうしてる? 1割強は借入金や一時徴収金でまかなっているという事実
分譲マンションでは、通常十数年ごとに大規模な修繕工事を行います。大規模な修繕工事を行うことで、マンションを適切に維持管理できるからです。しかし、大規模な修繕工事を行うには多額の費用が必要になるので、管理組合で計画的な準備をしていくことが重要です。
 
一般的にはどのくらいの頻度で大規模な修繕工事を実施しているのでしょうか? また、どのように工事費を調達しているのでしょうか? 確認してみました。
 
松浦建二

執筆者:松浦建二(まつうら けんじ)

CFP(R)認定者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士
1990年青山学院大学卒。大手住宅メーカーから外資系生命保険会社に転職し、個人の生命保険を活用したリスク対策や資産形成、相続対策、法人の税対策、事業保障対策等のコンサルティング営業を経験。2002年からファイナンシャルプランナーとして主に個人のライフプラン、生命保険設計、住宅購入総合サポート等の相談業務を行っている他、FPに関する講演や執筆等も行っている。青山学院大学非常勤講師。
http://www.ifp.cc/

大規模修繕工事の実施回数はマンションごとにかなり差がある

国土交通省の平成30年度マンション総合調査では、大規模修繕工事の実施回数に関する調査もしています。古いマンションほど実施回数が増えるのは当然なので、ここでは完成年次別に大規模修繕工事の回数を表にしてみました。
 

 
実施回数ごとに見てみると、完成年次が2005年以降のマンションでは0回のマンションが圧倒的に多いです。
 
2018年の調査なので、築10年強までの新しいマンションでは当然でしょうが、2005年~2009年のマンションでは17.1%が1回目の大規模修繕工事をすでに終えており、2010年~2014年のマンションでも4.1%が終えています。
 
完成年次が2015年以降ですでに実施しているマンション、2005年以降ですでに2回も実施しているマンションは、何か特別な事情があったのではないでしょうか?
 
実施回数が1回のマンションは、完成年次が1990年~2004年で最も多くなっています。少なくとも築14年ほどたっているので、実施回数0回は大きく減っており、1990年~1994年のマンションでは31.1%ですでに2回目を終えています。
 
実施回数が2回になると完成年次が1980年~1989年で最も多く、3回になると1970年~1979年で最も多くなっています。
 
計画的な大規模修繕工事は12年程度ごとに必要といわれており、多くのマンションではそれに沿っての実施を目指していますが、現実はマンションによって時期に意外とバラツキがあります。
 
例えば、完成年次が1985年~1989年では、築年数は29年~33年程度なので2回実施済みとなっていたいところですが、2回実施は44.9%しかなく、1回実施が42.5%もあり、その他は0回もあれば5回以上のマンションもあります。実施回数の違いはマンションの現状にも大きく影響しているはずです。
 

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大規模修繕工事の工事費を借入に依存しているマンションもある

大規模修繕工事は管理組合の修繕積立金だけで実施するのが理想ですが、修繕積立金が不足しているマンションもあるようです。同じ平成30年度マンション総合調査から、大規模修繕工事の工事費調達方法を調べてみました。
 

 
大規模修繕工事を、修繕積立金だけで実施できているマンションは85.8%となっています。その他のマンションは修繕積立金だけでは工事費をまかなえず、区分所有者から一時的に徴収したり借入したりしています。
 
修繕積立金以外の調達方法で特に多いのは公的金融機関からの借入で、0%以外の6.4%のマンションが利用しています。
 
大規模修繕工事は修繕積立金だけで実施するのが理想的で、一時的な徴収や借入は利用するにしても極力割合を少なくしたいものです。大規模修繕の工事費は実施するまでに計画的に貯めておくべきであり、借入が50%を超えるような工事は、そこに至るまでの経緯が気になります。
 
ちなみに修繕積立金の運用方法としては、リスクの少ない方法に限定している管理組合がほとんどで、超低金利時代であっても銀行の定期預金や普通預金、決済性預金の割合が非常に高いです。
 
その他は住宅金融支援機構の「マンションすまい・る債」や、積み立て型マンション保険が目立つ程度で、国債や公社債等を利用する管理組合はほとんどありません。運用を放棄している状態でもったいない気もしますが、運用に失敗した時の責任を考えると仕方ないのでしょう。
 
執筆者:松浦建二
CFP(R)認定者


 

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