更新日: 2019.01.11 その他
福岡ソフトバンクホークス優勝したら? その地元経済効果は!?
福岡でソフトバンクホークスが支持される理由を探ります。
Text:宮﨑真紀子(みやざき まきこ)
ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士
大阪府出身。同志社大学経済学部卒業後、5年間繊維メーカーに勤務。
その後、派遣社員として数社の金融機関を経てFPとして独立。
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年中行事としての野球の応援
9月19日、福岡県はホークスが日本一になった場合、県内に見込まれる経済効果は404億円になる試算を発表しました。
これはクライマックスシリーズ6戦、日本シリーズ7戦をフルで戦った場合の仮定です。
内訳は優勝記念セールなどによる売上増加が約269.2億円、ヤフオクドーム内での観客消費額が約92.5億円、パレードなどの優勝関連行事が約42.5億円。あくまで試算なので、2015年に日本一になった時は、事前の試算が403億円であったのに対し実際は365億円だったという数字もあります。
今年の結果も気になるところですが、いずれにせよホークス効果はかなりのインパクトであることは確かです。このようにホークスは地元に愛されていますが、福岡特有の気質と暮らし方から、支持される理由を考えてみます。
福岡は「のぼせもん」(お調子者)が多く、お祭り好きの気質があります。チームの調子が良いと、球場は満員御礼が続きます。試合を観戦というより参加型が好きなので、7回攻撃前の黄色風船飛ばし、勝った時の白色風船飛ばしの様子は壮観です。ノリが良いので、他球場と比べてビールの消費量も多いと思われます。
この一体感を裏で支える一つには、町を挙げてのユニフォーム作戦があります。毎年7月末に「鷹の祭典」と呼ばれる期間があります。
この時期を中心に、福岡の町はユニフォームだらけになります。デパートや商店街の店員さんをはじめ、宅配便の方も、三越のライオン像もユニフォーム着用という盛り上がりぶりです。期間中は試合の来場者全員にレプリカユニフォームを配布することもあり、ますます相乗効果があります。
ホークスの応援は、みんなで一緒にパレードに参加する「博多どんたく祭り」や、同じ法被に身を包み山笠を担いで疾走するで「博多祇園山笠」に通じる点が多いと思います。子連れで出かける機会が多い暮らし方も、野球観戦に合致しています。
東京に比べて職場と住居が近いので、親子で過ごす時間が長いと考えられます。夜11時頃、居酒屋にいる親子連れを見かけることも日常的です。
山や海も近いので休日に出掛けることは勿論、平日も父子で遊ぶ姿を見かけます。球場も子供向けに趣向を凝らしています。子どものチアガールを募ったり、場内アナウンスの体験があったり、マスコットと記念撮影等々飽きさせません。家族で一緒に楽しめるので、親子三代での光景もみられます。
ファンを増やす企業の努力
ホークスがこのように盛り上がったのは、ソフトバンクがスポンサーになってからだと聞きます。今日のようにファンが増えたのは、マーケティング力と資金力、企業努力があったと思われます。
孫オーナーはホークス球団に思い入れが強いようで、度々球場で見かけます。皆が楽しみにしている優勝パレードでも、オープンカーから手を振る姿があります。
そして、CMでお馴染みの“お父さん犬”もバスに搭乗し、人気者ぶりを発揮します。モノ消費からコト消費に転換していると言われていますが、コト消費がモノ消費を誘導するイベントとして、今後も商機があるのではないでしょうか。
Text:宮﨑 真紀子(みやざき まきこ)
ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士