更新日: 2019.01.10 その他
テスラモーター、400人に解雇通知!何があったのでしょう?
Text:柴沼直美(しばぬま なおみ)
CFP(R)認定者
大学を卒業後、保険営業に従事したのち渡米。MBAを修得後、外資系金融機関にて企業分析・運用に従事。出産・介護を機に現職。3人の子育てから教育費の捻出・方法・留学まで助言経験豊富。老後問題では、成年後見人・介護施設選び・相続発生時の手続きについてもアドバイス経験多数。現在は、FP業務と教育機関での講師業を行う。2017年6月より2018年5月まで日本FP協会広報スタッフ
http://www.caripri.com
バッテリーの持続力が日本車と比較にならない!
乗り心地や加速スピードもさることながらバッテリーの持続力が日本車とは比較にならないほどよいと、テスラの現地工場を視察した人が興奮気味に話していたのが印象に残っています。
自由度が大きい米国なら、こうような画期的な製品力を持つ企業が生まれる環境が整って然るべきとも言われていましたが、その当時から「生産が間に合わない」という懸念の声はありました。
中間管理職が解雇通告の対象
日本であれば、会社の業績の足を引っ張るような大きなダメージを与えたわけでもないのに、このような事態になると天と地がひっくり返るほどの大事件として取り扱われ、会社(マクロ)および対象となった従業員とその家族(ミクロ)の両面から猛烈な批判を浴びることになるでしょう。
急速に成長した企業では組織整備が追い付かないという問題点は洋の東西を問わず指摘されるところです。しかしながら組織整備と柔軟性は、トレードオフで、組織が整備されすぎたがゆえに柔軟性をなくし風通しを悪くするという問題が指摘されるケースも散見されます。
踏まれても、倍返し、三倍返し
あくまで想像ですが、今回対象となった管理職は、理不尽な対応を受けたときの訴訟を考えるよりも次のキャリア開拓への準備をしていると思われます。
テスラに、大企業ならではの安定性を求めている人は皆無で、自分のスキルを磨き、発揮、発信する舞台としてとらえている人がマジョリティでしょう。
人口の多い米国でアピール力は自然に養われてきたのか、自分で培っているのかは不明ですが、実績をアピールし、この機会を次のステップアップの好機ととらえようと活動していると思われます。あるいは、彼らにはそのつもりがなくても、外部ヘッドハンターからの人材獲得合戦が始まっているでしょう。
こうしてテスラスピリッツの種が全米に撒かれ、第二、第三のテスラ誕生のきっかけになり、新興企業が新たなNASDAQの構成銘柄に成長していくと予想できます。
Text:柴沼 直美(しばぬま なおみ)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者
日本証券アナリスト協会検定会員、社会保険労務士
MBA(ファイナンス)、キャリアコンサルタント、キャリプリ&マネー代表