
そこで、公的な調査の結果をもとに、マンションの事情をいろいろと探ってみました。第1回目は賃貸と空室の状況について取り上げます。

執筆者:松浦建二(まつうら けんじ)
CFP(R)認定者
1級ファイナンシャル・プランニング技能士
1990年青山学院大学卒。大手住宅メーカーから外資系生命保険会社に転職し、個人の生命保険を活用したリスク対策や資産形成、相続対策、法人の税対策、事業保障対策等のコンサルティング営業を経験。2002年からファイナンシャルプランナーとして主に個人のライフプラン、生命保険設計、住宅購入総合サポート等の相談業務を行っている他、FPに関する講演や執筆等も行っている。青山学院大学非常勤講師。
http://www.ifp.cc/
賃貸住戸のないマンションは僅か12%しかない!
マンションの住戸の中には、所有者が自ら住まずに他の人等へ貸している場合もあります。賃貸目的で購入して初めから貸している場合もあれば、転勤等で住めなくなり貸す場合もあります。
区分所有者が自ら住むかどうかは、他の所有者にとってあまり大きな関心事ではないかもしれませんが、区分所有者が住んでいない(自己使用していない)とマンション管理組合の役員になれない場合もあり、他の区分所有者に影響を及ぼす(役員になる機会が増える)ことも考えられます。
そこで、マンションではどのくらいの割合で賃貸にしている住宅があるのかを調べてみました。国土交通省の平成30年度マンション総合調査では、管理組合や区分所有者に対してマンションに関するさまざまな調査をしています。その中から完成年次別に賃貸戸数割合を調べ、グラフにしてみました。

賃貸戸数割合の全体平均は13.2%で、20%を超えるマンションが17.1%ある一方で、賃貸住戸がないマンションは11.6%しかありません。おおよその傾向としては、完成年次の古いマンションほど賃貸戸数の割合が高くなっています。
例えば、1970年(昭和45年)から1974年(昭和49年)完成のマンションでは、賃貸戸数割合20%超のマンションが43.3%もあり、賃貸住戸のないマンションは2.2%しかありません。賃貸戸数割合の平均は22.1%となっています。
一方で比較的新しい2010年(平成22年)から2014年(平成26年)完成のマンションでは、賃貸住戸のないマンションが14.6%で、賃貸戸数割合20%超のマンションは9.8%しかありません。割合が最も高いのは賃貸戸数割合5%以下のマンションで、平均は8.9%となっています。
空いている住戸の割合は完成年次によって10倍以上の差がある
今度はマンションの住戸を貸していないけれども、自らも使っていなく空室になっている割合を調べてみました。同じ国土交通省の平成30年度マンション総合調査から、3ヶ月以上空室になっている戸数の割合をグラフにしてみました。

空室戸数の割合は全体平均が2.7%で、空室住戸がないマンションは半数近い47.9%、空室が20%を超えるマンションが1.2%となっています。完成年次別にみると、先ほどの賃貸戸数割合と同様に、古いマンションほど空室戸数の割合が高くなっています。
例えば、1970年から1974年完成のマンションでは、空室住戸がないマンションは16.7%しかなく、20%を超えるマンションが14.4%もあり、空室戸数割合の平均は8.4%となっています。
一方で比較的新しい2010年から2014年完成のマンションでは、空室住戸がないマンションは63.4%もあり、賃貸戸数割合が20%を超えるマンションはありません。平均では0.8%で、1970年代前半のマンションと比べて10分の1以下となっています。
古くなればなるほど貸したり空いたりしている住戸が増えるのは、転勤や親の介護、家族構成の変化等が起きて、住み続けられなくなった人が一定割合いるからだと考えられます。区分所有者が自ら住み続けられなくなれば、売るか貸すか、空けておくかになります。
どのように使おうと所有者の自由ですが、マンション等の共同住宅は、区分所有者が共同で維持管理していかなければなりません。他の所有者のためにも長期間放置することは避けましょう。
執筆者:松浦建二
CFP(R)認定者
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