更新日: 2019.01.08 その他
かつての王様IBMが22四半期連続減収
そもそも最近はIBMという名前すら色褪せたような印象ですが、ダウ工業株30種平均の1社を構成する優良企業。そんな優等生が22四半期連続の減収という速報に主役交代の感を抱かずにはいられません。
Text:柴沼直美(しばぬま なおみ)
CFP(R)認定者
大学を卒業後、保険営業に従事したのち渡米。MBAを修得後、外資系金融機関にて企業分析・運用に従事。出産・介護を機に現職。3人の子育てから教育費の捻出・方法・留学まで助言経験豊富。老後問題では、成年後見人・介護施設選び・相続発生時の手続きについてもアドバイス経験多数。現在は、FP業務と教育機関での講師業を行う。2017年6月より2018年5月まで日本FP協会広報スタッフ
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16ビットCPU搭載
ITについて、全く知識はなく、あくまで一人の社会人として目線での感想ですが、IBMといえば、文字通りインターナショナル・ビジネス・マシンという社名通り、世界最大級のシステムインテグレーターで、電子計算機の製造からスタートしてPCの開発に移行、16ビットCPU搭載のパーソナルコンピュータを市場導入したことでその名を世界に知らしめた企業だと認識しています。
筆者が米国で勉強していたときは1990年初めですが、まだインターネットが普及していなかったのでレポートを書くには必ず大学付属のコンピュータセンターに行かねばならず、そこのマシンはすべてIBM製でした。
それでも当時の学生にとっては、タイプライターではなく、PCで表計算をしながらレポートを仕上げていくことは画期的で自分用にほしいと思いながらも手が出なかった記憶が未だによみがえります。
ハードからソフトへ、ストレージからクラウドへ
それが、ウィンドウズの市場導入により、PCの利便性は上がりましたが、同時にメモリ搭載量などが急激に上昇、拡大し、今やストレージはハードというよりクラウドでというのが一般的になってきたように感じます。
その時代にIBMも乗っているからこそ、クラウド部門やソフトウェア、さらにはコグニティブ・ビジネスへと注力部門をシフトさせていったのでしょう。
超巨大企業は右を向くにも左を向くにも時間がかかる?
しかしながら減収の要因はハードウェア部門であると触れられています。当然ソフトウェアが好調であることも同時に報道はされているものの、IBMほどの巨大企業になれば従業員は米国だけで10万人以上、世界170か国でビジネス展開されているのですから、全世界でどのくらいの従業員数なのか把握できません。
これだけの従業員を、ハードからソフトへとシフトさせるにしても機動的に動くのは難しいのかもしれません。