更新日: 2019.03.12 その他

身近な人が亡くなった時の手続き

身近な人が亡くなった時の手続き
黒木達也

執筆者:黒木達也(くろき たつや)

経済ジャーナリスト

大手新聞社出版局勤務を経て現職。

宮﨑真紀子

監修:宮﨑真紀子(みやざき まきこ)

ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士

大阪府出身。同志社大学経済学部卒業後、5年間繊維メーカーに勤務。
その後、派遣社員として数社の金融機関を経てFPとして独立。
大きな心配事はもちろん、ちょっとした不安でも「お金」に関することは相談しづらい・・・。
そんな時気軽に相談できる存在でありたい~というポリシーのもと、
個別相談・セミナー講師・執筆活動を展開中。
新聞・テレビ等のメディアにもフィールドを広げている。
ライフプランに応じた家計のスリム化・健全化を通じて、夢を形にするお手伝いを目指しています。

臨終後の手順の流れ

① 親戚や親しかった友人への死亡の連絡
② 末期(まつご)の水など死出の旅への準備
③ 医師から死亡診断書を受け取り、死亡届を役所に提出
④ 葬儀場の手配および確保、喪主の選定
⑤ 遺体の搬送と安置
⑥ 僧侶(仏式の場合)など祭祀者の選定と依頼
 
などを順次進めていく必要があります。
 

死亡診断書と死亡届

病院で臨終を迎えた場合は、その病院の医師が「死亡診断書」を作成します。自宅で臨終を迎えた場合は、かかりつけの医師を呼び、死亡診断書を作成してもらいます。死亡診断書は、医師以外は作成できないからです。
 
不慮の事故などの場合は、警察で確認を受けた後に監察医などに「死体検体書」を作成してもらいます。これを持って役所へ出向き「死亡届」を提出します。死亡届は、臨終の事実を知ってから7日以内に市区町村役場へ提出する必要があります。
 
臨終に立ち会った家族が行うのが「末期の水」など、死出の旅立ちへの儀式です。
 
喉が渇かないように、故人の唇を清水で潤します。故人に近い順に行うのが慣例で、配偶者、子ども、兄弟姉妹といった順で進めます。その後、遺体を清める清拭(せいしき)は、病院の場合は看護師などに、自宅の場合は葬祭業者に依頼するのが一般的です。清拭が終わると、着替えをさせ、死に装束(しにしょうぞく)を着せます。
 
故人と親しかった人には速やかに連絡し、わかっていれば葬儀の日程や葬儀場なども伝えます。気が動転して冷静になれないことも多く、すべての人に連絡するのは実際には困難です。手間と時間もかかりますので、連絡をした人からも、他の知り合いに伝達してもらいましょう。
 

葬儀場の手配と葬儀の準備

葬儀場の手配や葬儀の形式について、故人の希望を生前聞いていれば、出来るだけその意向を尊重することが望ましいでしょう。故人の交際範囲に合わせて、葬儀の規模を決めます。葬儀場なども、もし日ごろから知っている場所があれば、まず連絡しましょう。とくに病院から遺体を搬送する業者などが、勧誘を受けるケースがよくあります。時期が迫っているという事情はありますが、式場などが確定していなくても、そこで即断せずに、複数の葬祭業者から見積もりを取ってから決めましょう。
喪主も決める必要があります。通常は故人に最も近い人が務めます。配偶者か子どもが務めることが多いようです。また一人ではなく複数人で務めることもできます。誰が喪主を務めるかを決めないと、葬儀の手順に影響しますので、なるべく早く決めましょう。喪服の準備や不意の出費もありますので、手許に50万円から100万円の現金は準備しておくと安心です。

葬儀の形式はどうするか

最近では、葬儀の形式も多様になってきました。一般には仏式の葬儀が最も多いようですが、キリスト教、神道で行う場合もあります。また音楽葬など無宗教の葬儀や、身近な親族だけの家族葬、樹木葬・自然葬(散骨など)といった自由葬も増えています。また交際範囲の広かった人でも、葬儀は大々的には行わず、親族だけの家族葬にして、日を改めて、お別れ会、偲ぶ会などを開くケースも多くなりました。
 
どのような形式の葬儀にするか、故人の意向も踏まえ、近親者で決める必要があります。
 
仏式などの宗教葬の場合、僧侶、神主、牧師・神父に依頼する必要があります。とくに檀家でない場合などは、葬祭業者を通して依頼し、費用なども確認して進めましょう。また受付、会計係、道案内などの手伝いが必要ですので、できれば親しい友人に依頼しましょう。
 
執筆者:黒木達也(くろき たつや)
経済ジャーナリスト
 
監修:宮﨑真紀子(みやざき まきこ)
相続診断士
 
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