更新日: 2019.01.07 その他
<日常の危険に対する備え> ②昔は「うちの子がごめんなさい」で済んだものが、今は賠償責任。
これが他人に迷惑をかけない範囲内で収まっていれば問題もありませんでしたし、隣近所みんな顔なじみという時代であれば「ごめんなさい」と菓子折りとともに謝罪すれば済んだところが時代環境の変化と行動の複雑化もあって今はそれでは済まなくなっています。
しかも自分がコントロールできないところでのアクシデントで損害賠償を請求されたりするケースもあり、保険が果たす役割は大きくなっています。
Text:柴沼直美(しばぬま なおみ)
CFP(R)認定者
大学を卒業後、保険営業に従事したのち渡米。MBAを修得後、外資系金融機関にて企業分析・運用に従事。出産・介護を機に現職。3人の子育てから教育費の捻出・方法・留学まで助言経験豊富。老後問題では、成年後見人・介護施設選び・相続発生時の手続きについてもアドバイス経験多数。現在は、FP業務と教育機関での講師業を行う。2017年6月より2018年5月まで日本FP協会広報スタッフ
http://www.caripri.com
備え1:うっかり見過ごしがちだが、クレジットカードで安心を確保
損害保険会社で「個人賠償責任保険」というのがすぐに思いつくところかとは思いますが、お手持ちのクレジットカードのサイトを確認してみましょう。
意外に簡単にしかも月々150円程度で単体の個人賠償責任保険に加入できるという安心が確保できるものがあります。例えばJCBの日常生活賠償プランでは月20歳~69歳までが加入でき、額150円でいざという時に1億円まで、また訴訟費用もカバーしてくれるといったオプションを提供しています。
こういったクレジットカード付帯の保険の留意点は、カードを解約すると保険も自動的に解約になってしまうという点です。
備え2:火災保険や自動車保険に「個人賠償責任特約」をつける
<日常の危険に対する備え①ワンちゃんのトラブル>でもお伝えしましたが、自動車保険や火災保険に個人賠償責任保険特約を付けるという方法も有効です。
この機会にチェックして付加したほうがよければ、途中付加も可能です。「保険金額無制限・示談サービスつき」といったサービスが受けられますので、いざという時の備えとしては安心です。
具体的には、マンションでの洗濯機からの水漏れで下の階の戸室に被害を及ぼしてしまった場合、お店に陳列している商品を壊した場合、子どもが他人の家の窓ガラスを割ってしまった場合や、前回お伝えしたペットが他人にかみついた等でケガをさせた場合などは対象となります。
このようなオプションをつけたことによる保険料アップは月額100円程度です。
留意点:支払対象外も確認を
支払対象外についてまとめます。
まず、どんな損害かということですが、個人賠償責任保険は他人の「モノや体」に与えた損害が前提となるので、プライバシー侵害といった「権利の侵害については対象外」となります。また親族に対してケガを負わせた場合や他人からの「借り物(レンタルビデオやスキーのレンタルなど)」に対しては対象外となります。
レンタルについてどうしても心配な場合は、受託物賠償責任保険にという特約をつけることを検討してください。子どもの範囲ですが、たとえ別居でも結婚歴がない子どもは家族として扱われますが、「一度でも結婚したことがあると対象外」になります。
最後にシチュエーションについてですが、日常生活において発生した損害が対象なので「仕事中」に発生したものについては対象外です。