友人がドライブに「運転のお礼とガソリン代の代わり!」と“ETCカード”を持参してくれました。「貸し借り禁止」だったと思いますが、友人が同乗していれば問題ないですか?
配信日: 2025.08.10

そのため、同乗者はかかった費用の半分より多く支払ったり、プレゼントを贈ったり、その日の食事代などを負担したりすることもあるでしょう。
今回のケースでは、運転のお礼やガソリン代として、友人が自身のETCカードを持参して高速道路の料金を支払おうとしたようです。ETCカードの貸し借りは原則禁止されていますが、友人が同乗していれば大丈夫そうな気もします。
本記事では、ETCカードの利用のルールについて確認しながら、運転者のものではなく、同乗する友人のETCカードを使って支払うことに問題がないのかどうか解説します。

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ETCカードを利用する際のルール
ETCカードは、利用者が有料道路の通行料金を支払うための専用のカードです。ルールはそれほど厳しく設けられてはいませんが、利用者本人が車載器を介して通行料金を支払うか、料金所でETCカードを提示して支払います。
ETCカードは、クレジットカードに付帯して発行される場合が多く、クレジットカードと違うのは一括払いのみ対応可能という点です。車内にETCカードを放置したまま、盗難・紛失した場合は利用者に過失があったとみなされてしまうため、車を降りる際はETCカードを抜いて、財布などに入れておきましょう。
ETCカードの名義は運転者である必要があるか
ETCカードは他人への貸与は禁止されています。家族間でも名義人が違う場合は、使い回してはいけません。
しかし、車の所有者とETCカードの名義人は別であっても問題ありません。例えば、レンタカーを利用する際、自分で持参したETCカードカードをレンタカーの車載器に差し込んで利用するといったケースもあり得ますが、この行為に問題はありません。
それでは、ETCカードの名義人が運転者ではないが、同じ車に乗っている同乗者である、という場合はどうでしょうか。ETCカードの名義人が運転できる状態で同乗しているときは、問題ないと考えられます。名義人が運転していたが、疲れたので交代してもらったなどとみなされるからです。
今回のケースの場合、ETCカードの名義人である友人は該当の車に同乗しているため、友人名義のETCカードは使える、ということになります。
同乗者のETCカードを使用するリスク
ただ、ETCカードの利用者が運転者ではなく同乗者である場合、リスクが全くないとは言い切れません。
例えば、事故や違反があった際に、ETCカードの利用履歴が調査される可能性があり、運転者とETCカードの名義人が異なることで、説明が求められるケースも考えられます。
また、もしカード発行会社が厳密に「他人への貸与」を禁止している場合、形式的に規約違反となる可能性はゼロではありません。
ただし、利用者が支払い意思を示している場合、実際の処罰や問題に発展することはまれです。ETCカードの名義人が同乗者であることはおおむね問題はありませんが、どうしても心配な場合はカード会社に確認しておくとよいでしょう。
同乗者名義のETCカードであれば使用しても大きな問題はない
本記事では、同乗者がETCカードを持参した場合、利用しても問題がないかについて解説しました。
ETCカードの利用規約に、利用者が運転者であることを必須とする、と明記されていることはほとんどありません。今回のケースの場合は、貸与ではなく「本人の利用」として解釈される場合が一般的でしょう。
運転者にとっては、同乗者がETCカードを持参して支払う意思を見せてくれる行為はうれしく感じられることもあるでしょう。ETCカードの利用に限らず、お互いが気持ちよく出掛けられるような気遣いができるといいですね。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー