お盆の帰省、手土産は「3000円」でOK?それとも「5000円」にすべき?親戚3組それぞれに用意する予定ですが、他の人は「手土産代」にどれくらいかけているのでしょうか?
配信日: 2025.08.08

本記事では、手土産の予算の相場や選び方などを解説します。

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目次
多くの人が選ぶ「手土産の金額」は?
帰省時の手土産にどのくらいの金額をかけるべきか、他の人が実際にどれくらい支出しているのかは、気になるポイントではないでしょうか。
株式会社DIGITALIOが運営する「ECナビ比較」が2025年6月に実施した調査によると、手土産1軒あたりの予算は「2000円~3999円」(36.3%)が最多でした。次いで「特に予算は決めていない」(21.0%)、「2000円未満」(18.0%)と続いています。
5000円以上の高額な手土産は少数派であり、多くの人が“3000円前後”を目安にしていることがうかがえます。
帰省費用全体とのバランスで考える「手土産予算」
手土産の相場がわかっても、「自分の家庭ではどこまで出費できるか」はまた別の問題です。特にお盆の帰省は、単なる日帰りの訪問とは違い、交通費や滞在費などの大きな出費がともなうイベントです。
株式会社JTBが2024年7月に発表した調査によれば、夏休み期間中の国内旅行の一人あたりの平均費用は4万2000円。家族での帰省となれば、交通費や滞在費で10万円を超えることも珍しくありません。
このようにまとまった出費が発生する帰省シーズンでは、手土産にかける金額も「無理のない範囲」で計画的に決めておきたいところです。
家計感覚で考える、手土産の“ほどよい金額”とは
帰省全体にかかる出費だけでなく、普段の家計の中で「手土産」にかけられる金額の目安を知っておくことも役立ちます。
家計支出の中で「手土産」は、家計簿の分類でいうと「交際費」にあたります。総務省「家計調査(2024)」によると、二人以上世帯の交際費の月平均は9978円でした。これは、家計全体の消費支出(月30万円程度)の約3.3%にあたります。
例えば親戚3組に、それぞれ3000円の手土産を用意した場合、合計9000円。これはまさに、月の交際費の中に収まる現実的な水準です。
昨今はエンゲル係数の上昇によって、食費や光熱費といった「必須の支出」が家計を圧迫し、交際費や娯楽費といった“自由に使えるお金”は見直される傾向にあります。そんな中でも、交際費の範囲内で無理なく収まる3000円前後は、一つの現実的な目安として参考になるかもしれません。
手土産代は地域で差がある!首都圏はやや高めの傾向に
さらに、同じ手土産でも、住んでいる場所によって感覚に違いがあるようです。
フコク生命が2024年7月に実施した調査によると、帰省のお土産にかける金額が最も高かったのは東京都(4712円)、次いで神奈川県(4620円)でした。全国平均は3881円となっています。
首都圏で手土産代が高くなる背景には、物価の高さや、贈答に使われる商品そのものの価格帯の違いがあります。都心の百貨店や専門店では、地方に比べて話題性のある商品や限定品など、単価が高めの品を選びやすい環境にあるのも一因でしょう。
このような地域差を知っておくと、「自分の地域ではこの価格で十分」という安心感につながります。地域ごとの物価や慣習に合わせて、柔軟に考えることが大切です。
手土産の金額、迷ったら「3000円前後」が安心
金額よりも気持ちが大切という考えが基本にある中で、一般的な調査では、1組あたり3000円前後を目安にする人が多いことが分かっています。ただし、これはあくまでも目安であり、無理に合わせる必要はありません。
家庭の事情や相手との関係性に応じて、「少し控えめにしたい」「気持ちだけ伝えたい」と考えるのも、ごく自然なことです。相場にとらわれすぎず、「これなら気持ちよく渡せる」と思えるものを選ぶことが、一番のポイントといえるでしょう。
出典
株式会社JTB 2024年夏休み(7月15日~8月31日)の旅行動向
株式会社DIGITALIO お盆の手土産、失敗しない選び方は?予算は?300人に聞いた帰省ギフトのポイント 「ECナビ比較」調査
フコク生命 【帰省】47都道府県、帰省する時のお土産は?いくらかける?
総務省統計局 家計調査報告 〔 家計収支編 〕 2024年(令和6年)平均結果の概要
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー