令和の時代に「忍者」になれる!?「受験料3000円」を払って資格取得する“メリット”とは? 当時の「ガチ忍者」に求められたスキルも解説
配信日: 2025.08.09

しかし、現代の日本にも忍者のスキルを学び、その実力を試せる「甲賀流忍者検定」という検定が存在するのを知っていますか?
本記事では、「甲賀流忍者検定」とはどんなものか、合格率や受験費用、そしてこの検定を通じてどんなスキルが身につくのかについて、解説します。
甲賀流忍者検定とは? 受験費用や合格率は?
甲賀忍術研究会主催、甲賀市・甲賀市観光まちづくり協会後援のこの検定は、甲賀忍者に関する知識を問う筆記試験形式で、初級・中級・上級の3つのレベルに分かれています。
試験の概要は?
・受験料:各級3000円
・形式:50問四択式(筆記)
・合格基準:初級:約5.5割の正答が必要
中級・上級:約7割以上の正答が必要
2025年の試験では、初級の検定において、筆記試験に加えて手裏剣投げの実技が導入されていたり、忍者コスプレでの受験には加点されたりする制度が設けられていました。
知識だけでなく“ノリの良さ”や体験を楽しむ姿勢までもが評価されるという、粋なルールです。
合格率は?
2025年の受験データによると、8歳から80歳まで幅広い世代が挑戦し、初級の合格率は約9割、中級は約7割の合格者が出ています(上級は2025年8月初旬現在審査中)。最高得点は初級で94点、中級で91点と、かなりの高得点もでているようです。
観光ついでに受ける人もいれば、本気で満点を狙うガチ勢もおり、それぞれのスタイルで楽しめるのが魅力です。
忍者検定を取るメリットやスキルはある?
甲賀流忍者検定を、単なるご当地資格ととらえるのはもったいないかもしれません。
試験では、忍者の歴史的背景、流派、使用された道具、生活様式など、多岐にわたる知識が問われます。
忍者は結局どんなことをしていたのか? 戦国時代にどう役立っていたのか? といった基本的な疑問に答えられるようになります。
実際、忍者という言葉は知っていても、その正体を正しく説明できる人は意外と少ないものです。検定に合格すれば、旅行先の外国人観光客との会話などで一目置かれ、初対面の場でも話題が広がる雑談力としても生かせるでしょう。
そして、「忍者検定を持っています」というだけで、誰とでも会話のネタとして使えます。面白い人として一発で覚えてもらえるインパクトは、ほかの資格よりも強いかもしれません。
昔の「ガチ忍者」に求められた驚きのスキルとは?
私たちがイメージする忍者といえば、手裏剣を投げて素早く敵を倒す姿かもしれません。
アクション映画のような派手な存在と思われがちな忍者ですが、実際は戦わずして勝つために動く裏方のプロでした。
戦国時代、忍者は敵の城や村に潜入して情報を集めたり、火薬を使った破壊工作を行ったりするスパイ的な役割を担っていました。必要だったのは、変装術、地理感覚、薬草・火薬の知識、心理戦術など、非常に実用的で幅広いスキルです。
伊賀・甲賀の忍者は、武士ではなく農民や僧侶などになりすまし、周囲に溶け込むことが得意だったようです。まさに「目立たずに成果を出す」存在であり、今の会社で言えば、調整役や縁の下の力持ち的なポジションと言えるかもしれません。
このように、昔の忍者に求められたのは、力任せの武力ではなく、知恵と戦略を駆使する高度なスペシャリストとしての能力だったと言えるでしょう。
まとめ
甲賀流忍者検定は、単なる歴史の知識を試すだけでなく、楽しみながら学び、ユニークなスキルを身につけられる点が大きな魅力です。合格率も高く、初球の試験では、手裏剣の実技やコスプレ加点といったユニークなルールもあるため、誰でも気軽に忍者への第一歩を踏み出せます。
そして、この検定を通じて得られる知識は、単なる雑学にとどまりません。戦国時代の忍者が駆使した情報収集や心理戦のスキルは、現代社会においてもコミュニケーション能力や問題解決能力として応用できる知恵と言えるでしょう
出典
一般社団法人甲賀市観光まちづくり協会 甲賀流忍者検定
執筆者 : 渡邉志帆
FP2級