「年収が高いと保育園に落ちる」は本当?保育園の“入園審査”ってどうやって決まるの?
配信日: 2025.08.04

本記事では、認可保育園の入園審査について解説します。

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認可保育園と無認可保育園の違い
保育園は「認可保育園」と「無認可保育園」の2種類に大別できます。認可保育園には自治体が運営している公立のものと、民間団体によって運営されている私立のものがあります。一方、無認可保育園は私立であることがほとんどです。
認可保育園と無認可保育園の大きな違いは、国が定めた基準をクリアしているかどうかです。施設の広さや保育士などの職員数、衛生管理を含む保育環境などがその基準となります。
また、入園手続きの窓口も異なります。認可保育園の窓口は各自治体ですが、無認可保育園の窓口は各保育園です。
さらに、保育料の違いも特徴の一つです。無認可保育園では各保育園が独自に保育料を設定するため、保育園によって料金に大きな差が生じるケースもあります。一方、認可保育園の保育料は世帯所得に応じて決まります。認可保育園の保育料に対して、国や自治体から補助金が出るため、保育料が比較的安いことも特徴の一つです。
なお、東京都には独自の制度である「認証保育園」も存在します。認証保育園は無認可保育園に含まれます。
入園審査における3つの区分
無認可保育園における入園審査の基準は、各保育園による独自のものです。一方、認可保育園では自治体のポイント制によって入園の優先順位が決まります。審査基準は各自治体によって異なり、ポイントが高い家庭から順に希望の保育園を割り当てられます。子どもを認可保育園に入れたい場合には、より高いポイントを獲得することが目標になるでしょう。
ここからは、認可保育園における入園審査の3つの区分について紹介します。
基準指数
基準指数とは、保育園への入園に関わる保護者の基本情報を数値化したもので、就労状況や健康状態、介護が必要な人員の有無などが基準です。
フルタイムで共働きの場合はポイントが高くなり、パート勤務であればややポイントが低下します。
調整指数
調整指数とは、各家庭の細かな状況に合わせて基準指数のポイントを加減するものです。例えば、入園希望の保育園に兄弟姉妹が在園していたり、就労していて無認可保育園などの利用経験があったりすると加点対象になります。一方、祖父母が同居していると減点対象になることが一般的です。
調整指数の加点と減点の状況次第で、ポイントの順位が変動することもあります。
優先順位
優先順位とは、点数が同一の入園希望者がいた場合に指数以外で順位を決める定義のことです。該当の自治体への居住歴が長い世帯や、所得が低い世帯が優先されがちです。
認可保育園の保育料
認可保育園の保育料は自治体によって異なりますが、各世帯の住民税額を基に決定されます。例えば豊島区では、住民税額ごとに階層区分を設定しており、その区分によって保育料が異なります。
生活保護世帯と住民税が非課税の世帯であれば保育料はかかりません。最も保育料が安いのは住民税の均等割のみを支払っている世帯で、月額3400円(0~2歳児クラス)です。
一方、保育料が最も高くなるのは住民税の所得割額が105万6600円以上の世帯で、月額6万3000円です。なお、この保育料は「保育標準時間認定」のもので、「保育短時間認定」とは異なります。
認可保育園への入園審査はポイント制
保育園は大別すると認可保育園と無認可保育園の2種類です。認可保育園の場合、各自治体のポイント制によって入園できるかどうかが決まります。
保護者の就労状況や健康状態などを数値化した基準指数と、祖父母の同居の有無といった各家庭の細かな状況に合わせてポイントを加減する調整指数が基準です。なお、同じポイントの場合は世帯所得などの優先順位事項が加味されます。
審査基準は自治体によって異なりますが、ポイントが高いほど希望する保育園に入園しやすいといえるでしょう。
出典
豊島区役所 保険料基準表
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー