日本の住宅価格は急上昇⁉ 大家さんから「家賃を“5000円”値上げしたい」と言われたら断ってもいいの?
配信日: 2025.08.04

そこで今回は、大都市圏の賃貸物件における近年の価格変動についてご紹介します。また、賃貸物件の家賃を値上げすると言われた場合、断ることができるのか、家賃交渉はできるのかなどについても解説します。

1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者
“東京都出身。2008年慶應義塾大学商学部卒業後、三菱UFJメリルリンチPB証券株式会社に入社。
富裕層向け資産運用業務に従事した後、米国ボストンにおいて、ファイナンシャルプランナーとして活動。現在は日本東京において、資産運用・保険・税制等、多様なテーマについて、金融記事の執筆活動を行っています
http://fp.shitanaka.com/”
賃貸物件の家賃をチェック
まずは、最新の家賃の動きをチェックしていきましょう。国土交通省が公開しているデータによると、非木造の民営借家で1畳当たりの1ヶ月の家賃は、以下のとおりとなっています。
平成25年 :3883円
平成30年 :3832円
令和5年 :4151円
平成25年 :5138円
平成30年 :5039円
令和5年 :5513円
平成25年 :3813円
平成30年 :3786円
令和5年 :4018円
(出典:国土交通省「令和6年度 住宅経済関連データ <6>住宅と家計経済 4. 家賃の動向 (1)民営借家の1畳当たり家賃」
このデータから、近年、全国的に家賃は値上がりしていることが分かります。特に、もともと家賃が全国平均より高い関東大都市圏では、上昇金額も全国平均より高くなっていることが分かります。
家賃の値上げは断れる? 家賃交渉の方法は?
日本では、食料品や日用品など多くの物やサービスの値上げが続いていますが、前述のとおり、家計の支出で大きな割合を占める住居費についても値上げが行われています。家賃の値上げは、賃貸物件の更新タイミングなどで行われることが多いようです。家賃が値上がりすると、家計が苦しいと感じる方も増えていくでしょう。
大家さんから家賃の値上げを告げられた際でも、値上げに納得がいかない場合は、断ることができます。家賃は、大家さんと借り主の両者の合意が必要となるため、大家さんだけが一方的に決めることはできません。
ただし、家賃の値上げに正当な理由があっても借り主が応じない場合、家を立ち退くように言われる可能性や、裁判を起こされる可能性があります。
そのようなときは、家賃の値上げ金額について、大家さんと交渉することを検討してみましょう。例えば、以下のような交渉をするのがおすすめです。
●家賃の値上げ金額を下げてもらう
●値上げ時期を遅らせてもらう
●更新料を減らしてもらう
まず、値上げ金額を1万円から5000円に下げてもらうようにお願いするなど、値上げ幅を交渉する方法です。大幅な値下げは難しいかもしれませんが、1000円や2000円などの下げ幅の場合、応じてくれる可能性があります。
また、値上げの時期を数ヶ月遅らせてもらうという方法もあります。切りのよい年明けからの値上げにしてもらうなど、数ヶ月遅くするだけでも、家計にとっては大変助かるでしょう。
さらに、家賃の値上げが避けられない場合、更新料を下げてもらうという方法もあります。2ヶ月分の更新料を1ヶ月分にしてもらうなど、大家さんと交渉してみましょう。
大家さんにとっても、新しい借り主を探すより、そのまま今の住人の方に住み続けてもらったほうがよいと考えるケースもあります。ぜひ、上記のような交渉を検討してみましょう。
まとめ
大都市圏に住んでいる方のなかには、賃貸物件の家賃まで値上げされて、生活が苦しいと感じている方もいるかもしれません。しかし、資材費や人件費などが上がっているため、家賃の値上げが避けられないケースもあります。
ただし、大家さんとの交渉次第では、値上げ幅を減らすといったことができるかもしれません。今回ご紹介した内容を参考に、大家さんとの交渉を検討してみてはいかがでしょうか。
出典
国土交通省 令和6年度 住宅経済関連データ <6>住宅と家計経済 4. 家賃の動向
執筆者 : 下中英恵
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者