築20年の分譲マンションに住んでいます。毎月「1万5000円」の「修繕積立金」を払っていますが、金額としては「妥当」でしょうか?

配信日: 2025.08.05

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築20年の分譲マンションに住んでいます。毎月「1万5000円」の「修繕積立金」を払っていますが、金額としては「妥当」でしょうか?
一般的に、分譲マンションを所有している人は修繕積立金を支払う必要があります。
 
修繕積立金の金額はマンションの規模や築年数などによって異なるため、自分が支払っている金額が高いのか安いのか、よく分からない人もいるでしょう。
 
そこで本記事では、分譲マンションの修繕積立金の平均額とともに、修繕積立金が高くなる理由として考えられるものや、そもそもの使い道についてご紹介します。
FINANCIAL FIELD編集部

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分譲マンションの修繕積立金の平均額はどのくらい?

国土交通省によると、令和5年度におけるマンションの1ヶ月あたりの修繕積立金の平均額は1万3054円です。平成25年度は1万783円、平成30年度は1万1243円なので、ここ10年で増加傾向にあることが分かります。
 
また、駐車場使用料などからの充当額を含む修繕積立金の総額の平均は1万3378円で、こちらも同様に、年々増加傾向にあります。
 
マンション完成年次別の内訳を見てみると、平成27年以降に完成したマンションの修繕積立金の平均額(月額/1戸あたり)は1万1405円です。
 
平成17~26年の1万3485円、平成7~16年の1万4317円を下回っていることから、新しいマンションの方が修繕積立費が安い傾向にあるのは、古いマンションほど老朽化が進んでおり、修繕に費用がかかるためであると考えられます。
 
今回の事例では「築20年の分譲マンションの修繕積立金が月1万5000円」ということなので、平成17年ごろに建ったマンションであると考えられます。平成17~26年に完成したマンションの修繕積立金の平均は1万3485円で、古いマンションほど高くなる傾向にあることを鑑みると、1万5000円は妥当な金額といえるでしょう。
 

修繕積立金が高くなる理由

マンションに住んでいるうちに、月々の修繕積立金が高くなることもあるでしょう。その理由として考えられるものには、人手不足による人件費の高騰が原因で修繕費の相場が上昇したことが挙げられます。そのほかにも、初期の修繕積立金が低く設定されており、値上がりが必要になったことも理由の1つになり得るでしょう。
 
また、修繕積立金が段階的に上がる「段階増額積立方式」が採用されていた可能性もあります。この場合はマンション購入時に説明があるはずなので、値上がりに疑問を感じた場合は確認してみるとよいでしょう。
 

そもそも修繕積立金は何に使われるお金なのか?

修繕積立金とは、廊下やエレベーター・エントランスなどマンションの共用部の修繕などに使用するお金で、原則としてマンション住戸の区分所有者が管理組合に支払っていきます。
 
同じように、共用部のメンテナンスのためのお金に「管理費」がありますが、管理費は日常的な管理のための費用であるのに対し、修繕積立費は大規模修繕工事などのための費用です。
 
大規模修繕工事とは10~13年に1度程度の頻度で行われる工事のことをいいます。具体的には、外壁や屋根・屋上の改修工事や手すりのペンキ塗り替え、配管の取り換えなどの費用になると考えてよいでしょう。
 

築20年のマンションの修繕積立費の平均と比較すると1万5000円は妥当と考えられる

令和5年度におけるマンションの修繕積立金の平均額は1万3054円で、完成年次別にみると平成17~26年に完成したマンションにおける平均額は1万3485円です。
 
今回の事例では1万5000円ということなので、平均より少し高めではありますが妥当と考えてよいでしょう。
 
そもそも修繕積立金とは大規模修繕工事に充てるための費用であり、日常的な管理のための費用である管理費とは異なります。初期の修繕積立費が低く設定されていた場合や、段階増額積立方式が採用されている場合などは途中で値上がりすることもあるため、覚えておきましょう。
 

出典

国土交通省 令和5年度マンション総合調査(令和6年6月21日公表) 令和5年度マンション総合調査結果からみたマンションの居住と管理の現状
 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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