2025年3月から始まった「マイナ免許証」。運転免許証のみ・マイナ免許証のみ・2枚持ち、それぞれのメリットを教えてください。
配信日: 2025.08.03

本記事では、マイナ免許証を所持するメリットなどについて解説します。

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「マイナ免許証」とは
マイナ免許証とは、マイナンバーカードに搭載されているICチップに免許情報を書き込むことで、マイナンバーカードを運転免許証として利用できるようになるものです。2025年3月24日から運用が開始されました。
運転免許センターや一部の警察署でもマイナ免許証の利用開始手続きが可能です。なお、マイナ免許証の利用は任意です。
3つの保有形態のメリット
ここからは運転免許証を保有する際の3つの形態について、それぞれのメリットを紹介します。
運転免許証のみのメリット
マイナ免許証を利用するには手続きが必要です。一方、通常の運転免許証をそのまま所持・使用する場合、マイナ免許証への切り替え手続きは不要です。
マイナ免許証のみのメリット
マイナ免許証のみを保有する場合、氏名や住所の変更などが生じた際に都道府県警(運転免許センターや警察署など)へ届け出る必要はありません。市区町村役場でマイナンバーカードの変更手続きを行えば、自動で更新されます。
また、「マイナ免許証のみ」もしくは「マイナ免許証と運転免許証の2枚持ち」で、優良運転者・一般運転者の方は、免許証の更新時に必要な講習をオンラインで受けられる点もメリットです。運転免許センターなどへ移動する手間や現地での待機時間、交通費などを省けます。
さらに、新規免許の取得時と更新時の手数料が最も安い点もマイナ免許証のみを持つメリットです。
デジタル庁の「マイナンバーカードの運転免許証利用」を参考に、運転免許の新規取得時と更新時にかかる手数料を3つの保有形態ごとに表1にまとめました。
表1
運転免許証のみ | マイナ免許証のみ | 2枚持ち | |
---|---|---|---|
新規免許取得時の手数料 | 2350円 | 1550円 | 2450円 |
免許更新時の手数料 | 2850円 | 2100円 | 2950円 |
出典:デジタル庁「マイナンバーカードの運転免許証利用」を基に筆者作成
頻繁に手数料が発生するわけではありませんが、金銭的にお得な保有形態といえます。
2枚持ちのメリット
運転免許証とマイナ免許証を2枚持ちするメリットは、両者の良いとこ取りができる点にあります。
前述の通り、マイナ免許証を保有していて、優良運転者もしくは一般運転者の方であれば、免許の更新時に必要な講習をオンラインで受講できます。
また、どちらかを紛失したとしても、もう一方を身分証として使える点もメリットです。
さらに、レンタカー業者によっては、マイナ免許証に対応していないことがあり、そうなれば運転免許証が必要です。マイナ免許証のメリットを享受しながら運転免許証が必要な場面にも対応したい場合は、2枚持ちがおすすめです。
ただし、表1の通り、運転免許の新規取得時と更新時の手数料は2枚持ちの場合が最も高くなります。運転免許証のみの場合と比較するとそれぞれ100円の違いですが、マイナ免許証のみの場合と比べると1000円弱の差が生じます。
また、住所変更などの際には、市区町村の窓口でマイナンバーカードの手続きを行うだけでなく、都道府県警で運転免許証の住所変更も行う必要があります。
それぞれのメリットを理解して保有方法を選択しよう
現状、マイナ免許証の利用は任意であり、運転免許証のみの場合を含めた3つの保有形態があります。
マイナ免許証のメリットのひとつは、優良運転者もしくは一般運転者であれば、免許証更新時に必要な講習をオンラインで受けられる点です。また、マイナ免許証のみを持つ場合には、免許証の新規取得時と更新時の手数料が3つの保有形態のうちで最も安くなります。
マイナ免許証の発行には一定の手続きが必要ですが、運転免許証のみを保有し続ける場合には手続きは不要です。「現状維持ができる」点がメリットといえます。
2枚持ちをするメリットは、ほかの保有形態の良いとこ取りをできる点にあります。優良運転者もしくは一般運転者であれば免許証更新時にオンライン講習を受けられるうえ、どちらかを紛失したとしても、もう一方を身分証として使える点もメリットです。
出典
デジタル庁 マイナンバーカードの運転免許証利用
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー