政府・与党が掲げた「一律2万円」の給付金。4人家族なら「8万円」のはずが、住民税非課税世帯なら「16万円」もらえるって本当ですか?
配信日: 2025.08.03

この給付金は、世帯の条件によって追加支給される可能性があり、家族4人で最大16万円を受け取れるケースがあります。どのような場合に、家族4人で最大の16万円を受け取ることができるのでしょうか。
本記事では、政府与党が参院選の公約に掲げた給付金の仕組みについて解説します。

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給付金の具体的な検討内容は?
政府与党が参院選の公約に掲げた給付金は、すべての人への一律給付と特に支援が必要な人への上乗せ給付の2つがあります。一律給付の金額は1人あたり2万円で、年齢や対象者の所得を問わず、全国民が対象です。一方、特に支援が必要な人への上乗せ給付は、年齢および所得の状況に応じて、以下の2つのパターンがあります。
・18歳以下の子ども1人あたり2万円の加算
・住民税非課税世帯の大人1人あたり2万円の加算
以上の条件に当てはまる場合、対象者には一律給付の2万円に加え、2万円の加算があるため、合計で最大4万円が支給されます。例えば夫婦と18歳以下の子ども2人の4人家族で、住民税非課税世帯の場合、全員が4万円の支給対象となり、世帯全体の給付額は16万円になります。
住民税非課税世帯ってどんな世帯?
住民税非課税世帯とは、前年の所得が一定基準を下回っており、住民税を課されない世帯のことを指します。住民税が非課税になる所得金額は、配偶者および扶養の有無によって変わります。
また、自治体ごとに多少異なる場合がありますので、ここでは東京都文京区を例にとり、夫婦と2人の子どもの4人家族を想定して住民税非課税世帯に該当する所得額を計算します。
計算方法)
扶養親族等がいる人の所得額は以下の計算で求めます。
35万円×(本人+同一生計配偶者+扶養親族数)+31万円
計算結果)
35万円×4人+31万円=171万円
所得額は年収からさまざまな控除を差し引いて求めます。控除は扶養の有無、配偶者の収入、社会保険の加入状況などによって個人ごとに異なります。
基礎控除43万円と給与所得控除(収入によって控除額は異なる)のみを加味して計算すると、所得が171万円以下となる目安の年収額は317万円です。実際に自分の世帯が住民税非課税世帯に該当するかどうかは、市区町村から送られてくる住民税決定通知書などで確認しましょう。
自分の世帯の支給額を正しく理解しておこう
物価高対策として政府与党が公約に掲げた給付金は、一律給付の2万円に加え、18歳以下の子どもや住民税非課税世帯の大人に対しては2万円が加算され、1人あたり最大で4万円となる可能性があります。そのため、各世帯の家族構成や所得状況によって、同じ4人家族でも、8万円支給される世帯と最大で16万円支給される世帯があることになります。
選挙対策のバラマキとの批判もありますが、物価高で生活が苦しい中で、この給付金に期待している人もいるでしょう。支給されるとなった場合に、自分の世帯はいくら支給されるのかを正しく理解しておきましょう。
出典
自由民主党 「日本を動かす 暮らしを豊かに」参院選の公約を発表
公明党 “公明、参院選重点政策を発表” 日本経済・社会保障を強く
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー