ホテルの部屋においてある「アメニティ」。使わない分は持って帰っていたけど、それってダメだったの?

配信日: 2025.08.01

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ホテルの部屋においてある「アメニティ」。使わない分は持って帰っていたけど、それってダメだったの?
気軽なつもりでバッグに入れたアメニティが、実はホテルの「資産」だった……。
 
知らずにやっていた行動が法律違反になる可能性もあるようです。夏休みシーズンで旅行が増える今、思わぬ落とし穴を回避するためのマナーとルールをチェックしていきましょう。
FINANCIAL FIELD編集部

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ホテルのアメニティ、持ち帰っていいもの・ダメなものの違いは?

宿泊施設の部屋に置かれているアメニティは、日々の出張や旅行で気になる存在です。どこまで「持ち帰りOK」なのかは曖昧ですが、一般的には以下の基準があります。
 

〈持ち帰っていいもの〉

歯ブラシ・歯磨き粉、カミソリ、
コットンや綿棒、シャワーキャップ、
紙コップ、使い切りのシャンプー・リンスなど

 
衛生上再利用できない「消耗品」「個包装」のものはOK。
 

〈持ち帰りNG〉

バスタオルやフェイスタオル、バスローブ、
浴衣、ドライヤー、大きな備品、
瓶入りのシャンプーなど

 
これらは何度も使う前提の貸与品なので持ち帰ってはいけません。
 
持ち帰りNGのものはホテルの所有物で、持ち帰ると賠償請求や窃盗罪となる可能性もあるでしょう。迷う時はホテルフロントに尋ねることをおすすめします。なお、明確な説明表示や注意喚起がなければ、安易な持ち去りはトラブルの元なので注意しましょう。
 

持ち帰りがホテルや宿泊料金に与える影響

ホテルが提供するアメニティは無料サービスである一方、当然その原価は宿泊代金に加算されています。例えば一般的なビジネスホテルでは、アメニティセット一人分の原価は約150~200円と言われており、これが年間で合計1400万円以上のコストになることもあるようです。
 
利用者の立場でも、「もらえるものは持ち帰る」と考えがちですが、実際は使わないアメニティを無駄に持ち帰ることで将来的な値上げや有料化(SDGs推進や資源節約の流れも加速)につながるおそれがあります。
 
現状、多くのホテルでは使い捨てアメニティの総量削減や「アメニティバイキング」(必要なものだけ自分で取る方式)を導入しています。これによりホテル側は無駄なコストを抑え、消費者も「必要分だけ使う」意識へとシフトしています。
 

使わないアメニティを持ち帰る時の注意点と法律・マナー

使い捨てアメニティ以外を無断で持ち帰った場合、法的なリスクが生じる場合もあります。
 
例えば、タオルや大きなボトル入りシャンプー、電化製品などはホテルの所有物なので、無断持ち去りは刑法235条の「窃盗罪」に問われる可能性があり、最悪の場合10年以下の懲役または50万円以下の罰金となるケースも考えられます。
 
持ち帰る場合は、消耗品や明らかに一回使い切りのものだけにとどめ、万一間違って持ち帰った際はすぐホテルへ連絡・返却することが重要です。
 
また、「持ち帰っていいか」の不安があれば、必ずフロントに相談しましょう。ホテル側も備品管理を徹底しており、不正が発覚すれば追加請求の原因になるため注意が必要です。
 

まとめ

無料だからと安易に余分なアメニティを持ち帰るより、「今後も快適に使えるサービスを応援したい」と考え行動することが、ホテル業界・環境・自分の財布の三方良しにつながります。
 
特に最近は、コスト削減やSDGs意識の高まりから持ち帰り対象の見直しやアメニティの有料化も進んでいます。持ち帰れても活用しきれない場合は不要分を取らない・節度ある利用を心がけると、宿泊料金(サービスの質維持)や環境負荷抑制にも貢献できるでしょう。
 
エコ意識、マナー、そしてコスト感覚を持って、上手にホテル生活を楽しみましょう。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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