更新日: 2019.06.14 その他
新社会人の本音!?振り返ると就職活動はお金がかかりすぎ・・
ところで「春」と言えば、「卒業」や「入社」に代表される「出会い」と「別れ」の季節。学生時代は、一人暮らしのために必要な費用のほとんどは、両親が準備してくれたという方が多いと思います。
ただこれが、入社に向けて必要な費用の準備となってくると話は別です。一人暮らしのために購入する家具などの費用はもちろん、それ以前の就職活動(以下、「就活」と略します)費の時点から、自分で捻出しているという学生は、意外と多いのではないでしょうか。
ここでは、今どきの就活費がどれほど必要なのか、ということと、就活費の内訳をご紹介します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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年々増加する就職活動費
ここ数年、新卒の就活は「売り手市場」と言われています。
実際、全国大学生活協同組合連同会の「第54回学生生活実態調査の概要報告」によると、「文系4年生(就職予定者を100として)の就職に対する意識」では、2018年10~11月時点で、就職予定者が82.9%と内定率はかなり高いです。
「高い」といえば、文系3年生の就職活動のための支出も、年々増加しています。それは、4~6月までに使われた特別費のうち「就活費」が占める割合は、2015年が13.1%、16年は16.8%、17年が22.5%、18年に至っては26.5%と、毎年高くなっているのです。
データとしては少し古いですが、2006年は大学4年生の10~11月頃までにかかった就職活動費用の平均が、平均9万8000円でした。ところが2012年になると、14万3800円にまで膨れ上がりました。
たかが交通費、されど交通費
おそらく売り手市場であろうとなかろうと、就活生は、少しでも効率的に就活を進めるため、一日に数社、会社訪問する予定を立てると思います。
その際、訪問先の企業の最寄り駅が、定期代の範囲内にあったり、同じ駅周辺にかたまっていればいいのですが、現実はそれほど都合よく事は進みません。筆者の経験からすると、一日にかかる就活の交通費は、安く見積もっても1000~1500円ほどになります。
しかしこれはまだ恵まれているほうで、例えば地方の大学に通っている学生が、東京や大阪の企業を受ける場合は、新幹線代や飛行機代、夜間バス代が必要となるでしょう。
そのうえ、もしまとめて数社受けるとなると、宿泊代がプラスされることに。そうなると、遠方の場合、たとえ宿泊なしでも交通費として1回につき最低1~2万円は用意しなければ、厳しいものと考えられます。
就活スーツはスーツだけじゃない!?
就活の準備に必要なものとして一番に思いつくのが、就活スーツでしょう。近年では、「就活スーツ以外の服装で来社ください」と事前告知する企業も増えてきましたが、最終面接となるとやはり、就活スーツが必要になると思います。
ただ特に、就活スーツはその名称通り、就活の間だけ、もしくはどんなに着まわしても、内定式と勤務後1週間ほどしか着用する機会がないようです。
しかも、就活スーツだけを購入すればいいわけではなく、カバンや靴、シャツなどもあわせて買わなければなりません。そのため、就活スーツセットの購入に必要なお金として、およそ3〜5万円は事前に準備したほうがいいでしょう。
就活用書籍や新聞、通信費もお忘れなく
就活用の書籍や新聞、切手代などの金額は、一つひとつでみれば、決して高くはありません。しかし「塵も積もれば山となる」ではありませんが、積み重なると結構な額になります。
まず就活生のバイブルといえば、「就職四季報」と「SPI問題集」でしょう。「就職四季報」は税込で2050円になります。次に「SPI問題集」は、各出版社により価格は異なりますが、1冊およそ1600円です。
また、就活生の新聞といえば、「日本経済新聞」になります。朝刊が一部180円、夕刊は70円、朝夕刊セットは1ヶ月で税込4900円です。なお、「日経電子版」の場合でしたら、1ヶ月で税込4200円となります。
ところで、最近の若い方の通信手段は、ほぼインターネットと考えられます。ただ、就活とプライベートの通信費を分けている学生は少ないのではないでしょうか。
でもあえて就活の通信費を計算するとすれば、ADSLの月額料金が3000円の場合、パソコンをプライベートと就活で半々で利用したとし、単純計算で2で割ると1500円が就活の通信費と仮定できます。
一方、契約書のやり取りなどは、持参以外はだいたい郵送です。連帯保証人を立てたり、大学の成績表が必要になったりする場合もあり、提出がギリギリになって速達郵便を利用することがあるかもしれません。そうなると普通郵便代に速達代が加算されます。
以上より、就活用書籍や新聞、通信費などは、どれだけの期間、就活をするのかにもよりますが、1ヶ月で3000円ほどはみておいたほうがいいでしょう。
就活準備金として10万円は準備しよう
就活費で、まとまったお金が必要なのは最初の就活スーツセットと問題集の購入だけです。それ以降の就活費は、1ヶ月の新聞代と3~6日分の交通費に通信費や履歴書などの書類の準備費用を考えて、月1~2万円ほどあれば安心でしょう。
ですから、就活を始めるまでに、就活準備金として10万円ほど貯めておくと、スムーズに就活が始められると考えられます。
滑り出しが順調だと最後までうまくいきそうな気がしますよね。「病は気から」ではありませんが何事も気持ちが大切。モチベーションを保ち続けるためにも、就活準備金は事前に用意しておきましょう!
出典
全国大学生活協同組合連合会「第54回学生生活実態調査の概要報告」
全国大学生活協同組合連合会「第47回学生生活実態調査の概要報告」
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部