歯医者に通院し、年に「8万円」かかっています。これって高いのでしょうか?
配信日: 2025.06.20

本記事では、歯の治療にかかる費用や費用を減らす方法を解説します。歯の治療費が高いと感じている方は、ぜひ参考にしてください。

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歯の治療にかかる費用はどのくらい?
厚生労働省の「令和4(2022)年度 国民医療費の概況」によると、人口一人あたりの国民医療費と歯科診療医療費は、表1の通りです。
表1
年齢 | 国民医療費 | 歯科診療医療費 |
---|---|---|
65歳未満 | 20万9500円 | 2万1600円 |
65歳以上 | 77万5900円 | 3万6200円 |
出典:厚生労働省「令和4(2022)年度 国民医療費の概況」を基に筆者作成
医療費における歯科診療医療費の割合は、65歳未満で約10.3%、65歳以上で約4.7%であることが分かります。
上記の金額を見ると、年8万円の歯の治療費は、高いと考えられます。しかし、上記金額は保険診療のみの場合です。自由診療で詰め物や入れ歯などをしていた場合、歯科医院によっては数万円かかるケースがあるため、年8万円ほどの治療費が必ずしも高いとはいいきれません。
歯科医療費を減らす方法
歯の治療にかかるお金を減らしたい方のために、ここでは、歯科医療費を減らす方法を4つ解説します。
信頼できる歯科医院を見つける
歯科費用をおさえるためには、決まった歯科医院に継続して通うことが大切です。医院を毎回変えると、初診料や検査費がそのたびに発生し、結果的に医療費がかさむことになります。さらに、治療の重複や方針のズレにより、口の中に不要な負担がかかる可能性もあるでしょう。
一方で、かかりつけ歯科を持つと、これまでの治療履歴や症状の変化をふまえた対応ができるため、効率的かつ的確な処置が可能です。「ここなら安心して任せられる」と思える歯科医院を見つけ、継続的に通うことが医療費の節約につながります。
定期的にメンテナンスを受ける
虫歯や歯周病は、痛みを感じたときにはすでに悪化しているケースが多い病気です。治療が長引けば、それだけ費用も高くつきます。重症化すると治療に数万円かかることもあるため、注意が必要です。
定期的なメンテナンスを受けていれば、早期発見、早期治療が可能になります。歯垢や歯石の除去、フッ素塗布などを習慣化することで予防でき、将来の治療費を大幅におさえられるでしょう。
医療費控除を活用する
歯科治療で大きな出費があった年には、医療費控除の活用もおすすめです。1年間にかかった治療費が一定額を超えた場合、確定申告で所得税の控除を受けられる可能性があります。
たとえば、インプラントやセラミック、金歯といった比較的高額な自由診療でも、治療目的であれば控除の対象になります。ただし、見た目を整えることを目的とした矯正などは、医療費控除の対象外です。
一方、子どもの歯並びを改善して正常な発育を助けるような矯正治療であれば、必要な医療費として認められ、医療費控除の対象となる可能性が高いです。
通院日や交通費の記録、領収書の保管を忘れずにしておくと、申告がスムーズに進められます。年に一度の申告チャンスを無駄にしないよう、医療費控除は賢く活用しましょう。
歯の治療に年8万円は高い可能性がある
歯の治療費は、年齢や保険診療の有無によって大きく差が出ます。一般的な保険診療の医療費と比べて年8万円の治療費は高めですが、自由診療で治療をしていた場合は、保険診療外のため高額になりやすいです。
歯の治療費を安くするためには、信頼できるかかりつけの歯科医院を持ち、定期的なメンテナンスを受けることが大切です。さらに、医療費控除を活用することで、出費の一部を取り戻せる可能性もあります。
歯の健康は、体全体の健康にも深く関係しています。今からできる工夫で、将来の医療費とリスクの両方を減らしていきましょう。
出典
厚生労働省 令和4(2022)年度 国民医療費の概況(6ページ)
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー