【対象者拡大】大学無償化制度が「多子世帯」に対象拡大! でも長男が“大学院生”になるわが家では、ほか2人は対象外になるのでしょうか?「支援対象」の考え方を解説
配信日: 2025.06.20

とはいえ、「うちは子どもが3人いるけれど、長男はもうすぐ大学を卒業して大学院に進学予定。次男と三男はまだ高校生だけど、どこまで支援の対象になるの?」といった疑問を持つ人もいるでしょう。
本記事では、2025年度から拡大された大学無償化制度の概要を解説しつつ、特に授業料と入学金について、大学院生がいる家庭の支援対象の考え方について整理していきます。

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大学無償化制度とは?
「大学無償化制度」は、正式には「高等教育の修学支援新制度」という名称です。
この制度では、家庭の経済状況に応じて、大学や短大、専門学校などの授業料・入学金の減免および給付型奨学金の支給が行われています。2020年度から本格的にスタートし、2024年度に変更が加えられたのち、2025年度からさらに内容が拡充されました。
「大学無償化制度」の内容を見ると、給付型奨学金と授業料・入学金減免の2つがあります。このうち給付型奨学金は、親の年収が一定以上だと受けることはできません。
一方、授業料・入学金減免については、2025年度からは、家族構成次第では親の年収に関わらず制度の適用を受けることが可能になりました。ここからは、2025年度から所得制限が撤廃された多子世帯(子ども3人以上)の授業料・入学金減免について詳しく解説します。
授業料・入学金の支援対象
授業料・入学金の支援対象となる学校は、要件を満たした大学・短期大学・高等専門学校(4年・5年)・専門学校です。対象となる学校の一覧は文部科学省の公式ページで確認できますので、まずは子どもの学校が対象か確認しましょう。
親の年収に関わらず支援を受けられる家庭は、扶養する子どもが3人以上の世帯です。ただし、注意しなければならないのは、支援対象となる教育機関に「大学院が入っていない」点と、「扶養する子どもが3人以上」という点です。
例えば、第1子が大学生、第2・3子が高校生で全員扶養対象であれば、第1子が大学生の間、年間最大で授業料は70万円、入学金は26万円が無償で支給されます。
しかし、第1子が大学院に進学した場合、第1子の大学院に対する授業料・入学金の支援は受けられません。また、第1子が大学を卒業し社会人となり、その後第2子が大学に行った場合、その時点では扶養する子どもは2人ですので、第2子に対する授業料・入学金の支援も受けられません。
ただし、大学院生は「扶養する子ども」にはカウントされます。例えば、第1子が大学のあと大学院に進学し、扶養対象だったとします。そして、第2子が大学に通った場合、「扶養する子どもが3人以上」となるため、第2子に対しては授業料・入学金の支援対象です(第1子に対しては支給なし)。
まとめ
2025年度から拡充された多子世帯に対する授業料・入学金に関する「大学無償化」の制度では、大学院生本人は支援の対象外ですが、扶養家族としてカウントされることにより、家族全体の支援対象基準を緩める効果があります。次男や三男が大学に進学する際には、実質的な支援が受けられる可能性があります。
まずは、扶養状況や対象学校を確認して、支援対象となるかどうかをチェックしてみましょう。
出典
文部科学省 高等教育の修学支援新制度
文部科学省 令和7年度からの奨学金制度の改正
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー