中学から大学まで10年間「私立」に通う場合、学費だけでいくらかかるのでしょうか?

配信日: 2025.06.19

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中学から大学まで10年間「私立」に通う場合、学費だけでいくらかかるのでしょうか?
子どもの進学先として私立を検討するご家庭は多いのではないでしょうか。しかし、教育費がどれほどかかるのか、しっかり把握している方は意外と少ないかもしれません。
 
本記事では、中学から大学までの10年間を私立に通った場合の学費総額を試算し、さらに進学パターン別に必要な準備や学資保険の活用法についても解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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中学から大学まで私立に通うときの学費総額はいくら?

子どもを中学から大学まで私立に通わせた場合、学費の総額は2000万円を大きく超える可能性があり、通学スタイル(自宅か下宿か)や学部の違いなどで、さらに大きな差が出てきます。
 
本章では、具体的な学費の総額を見ていきましょう。
 

10年間で約1300万円

中学から大学までの10年間、私立に通うときにかかる学費の目安は図表1のとおりです。
 
図表1

私立中学3年間 156万359円 × 3年 = 468万1077円
私立高校3年間 103万283円 × 3年 = 309万849円
私立大学4年間 130万8100円 × 4年 = 523万2400円
合計 1300万4326円

出典:文部科学省「令和5年度子供の学習費調査」、(独)日本学生支援機構「令和4年度学生生活調査」より筆者作成
 
図表1の合計金額は約1300万となり2000万円未満ですが、私立大学は学部によって学費は大きく異なります。例えば、医歯学部・薬学部の6年間の学費は約1150~2600万円(年間約190~430万円)に及ぶとされています。つまり、中学から医歯系大学まで私立で進学した場合、総額が3000万円超になることも珍しくありません。
 

国公立との差額

次に、中学から大学までの10年間を国公立に通ったときの学費(図表2)を見ていきましょう。
 
図表2

公立中学3年間 54万2475円 × 3年 = 162万7425円
公立高校3年間 59万7752円 × 3年 = 179万3256円
国立大学4年間 59万8600円 × 4年 = 239万4400円
合計 581万5081円

出典:文部科学省「令和5年度子供の学習費調査」、(独)日本学生支援機構「令和4年度学生生活調査」より筆者作成
 
私立との差額は、約720万円となります。なお、国公立大学は学部による学費の違いはありません。そのため、医歯学部・薬学部に進む場合には、私立と国公立とでかかる学費の差はさらに大きなものとなります。
 

私立にかかるそのほかの教育費

中学・高校の場合、習い事や塾などの学校外活動費がかかることもあります。文部科学省の「令和5年度子供の学習費調査」によると、私立中学では年間42万2981円、私立高校では26万3793円となっています。6年間の総額では、約206万円が目安です。
 

一人暮らし(地方の私立大学など)の場合

大学進学にあたり一人暮らしをするケースでは、生活費の負担が大きくなります。日本学生支援機構の「令和4年度学生生活調査」によると、私立大学学部(昼間部)では、自宅通学の生活費が173万1800円であるのに対し、一人暮らしでは240万3800円でした。
 
自宅に比べて約67万円(4年間で約268万円)高くなるため、地方から都市部の有名私立大学へ進学するケースや、実家から通える範囲に私立大学がない場合には、この金額を見積もっておく必要があります。
 

教育費の備え方のポイント

子どもにかかる教育費は、進学する学校の種類やタイミングによって大きく異なります。私立をどの段階で選ぶかにより、必要な資金総額は何百万円単位で差が生じます。中学から私立に進む場合には、早期からの資金準備が欠かせません。
 

中学受験前から学費の準備を

中学受験を前提とする場合、小学校高学年から塾費用が急増します。年間100万円を超える塾も珍しくありません。小学生時代の塾にかかる費用は前述の学費試算には含まれていないため、教育費は中学受験開始前の段階である程度備えておく必要があります。
 

学資保険などを活用する

大学進学時には、入学金や一人暮らしの初期費用といった大きな出費が重なります。そこで、子どもが生まれる前から学資保険に加入する、または毎月5~7万円の積み立てを15年以上継続することで、初期にかかる教育費にも対応しやすくなるでしょう。
 
また、新NISAなどの資産形成型の制度を活用し、長期的な分散投資を検討するのもおすすめです。
 

進学パターンを見直す

私立をどの段階から選ぶのかによって、必要な資金総額は何百万円単位で差が生じます。家計状況によっては、教育費が比較的安価な国公立への進学を検討したほうがよい場合もあるでしょう。
 
特に、医歯学部・薬学部に進む場合や一人暮らしを伴う場合、家計にかかる負担を軽減するため国立大学への進学を視野に入れるのも一つの方法です。あるいは、授業料等が免除される特待生を目指す方法もあります。
 

余裕のある資金計画を立てよう

公立と比較して、私立の進学にかかる教育費は数百万円単位で増大します。さらに、下宿や医歯系学部などの要素が加われば、教育費の負担はさらに重くなることが予想されます。そこで、進学パターンに応じて早期から計画的に備えることが大切です。
 
まずは、「どれくらい必要なのか」を明確にしたうえで、学資保険や積立投資などを活用していきましょう。
 

出典

文部科学省 令和5年度子供の学習費調査
独立行政法人日本学生支援機構 令和4年度学生生活調査
 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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