中高生が異常に「iPhone」にこだわる理由…「仲間外れになる」「AirDrop使えない」高額でも“子どものため”に買ってあげるべき? 筆者の家庭での対応もあわせ解説

配信日: 2025.06.15

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中高生が異常に「iPhone」にこだわる理由…「仲間外れになる」「AirDrop使えない」高額でも“子どものため”に買ってあげるべき? 筆者の家庭での対応もあわせ解説
2025年5月下旬、X(旧Twitter)上に「中1になる妹がスマホ買ってもらえるんだけど、iPhoneにこだわりすぎて困る」という趣旨の書き込みがされ、話題となっていました。iPhoneは、独自機能である「AirDrop(エアドロップ)」が使用できるため中高生に強く支持されていると言われていますが、そもそもどのような機能なのでしょうか。
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「AirDrop」は、なぜ学生に人気なのか?

筆者はスマホを持ち始めて以来ずっと「Android派」で、AirDropについては周囲の人が「iPhoneの人は集まって。AirDropで写真シェアするよ!」という話をしているのを聞いていた程度の知識しかありませんでした。
 
話の内容からAirDropとは「画像をシェアするアプリのようなもの」と認識していたので、なぜ同じような機能を持つアプリがたくさんあるのに中高生に大人気なのかがよくわかっていなかったのですが、今回話題となっていたことをきっかけに調べてみたところ、以下の点が理由で人気が出ていることを知りました。

1 .画像のシェアをするときに、Bluetoothを使用すれば通信量を使わない。
2 .Apple製品間(iPhone、iPad、MAC)でしか使えない。

1.については、中高生にとっては極めて重要と言えます。特に中学生はアルバイトができず、親にスマホの通信費を出してもらっていることがほとんどで、親が節約志向であれば月あたりに使える「ギガ数」が少ないことが多いでしょう。
 
加えて、最近のスマホで撮影した写真は極めて高画質で、1回の写真送信によって数メガ~数十メガバイトの通信量を消費することも珍しくありません。これらの事情によって友達同士のコミュニケーション手段として「写真の共有」が大事である現在の学生は、必然的に「通信量の節約」を意識するようになります。
 
そのような環境下にある学生は、通信量を使わずに写真シェアができるAirDropは、まさに「神機能」であると感じることでしょう。
 
2.については、一見すると不便なだけに思えますが、Apple社はあえて自社商品の機能を不便にすることで商品価値を高めているように見えます。
 
元からAppleは、自社の製品を「ほかの製品より割高だけど、持っている人は『イケている』」という立ち位置にブランディングしてきました。その結果、日本でもApple製品を所有することに「誇り」を持つユーザーが多く育ってきたと考えられます。
 
ただ、これには裏の面があり、Apple製品ユーザーが、「Apple製品を持っていない人たちは『イケてない、仲間でない』」という認識を持ってしまうことも大いにありえます。
 
このような考え方が頭に浮かんでしまった学生たちが、「iPhoneを所有することで『仲間はずれ』にされないようにしたい」という思考に至ることは、決して否定できません。中高生が「iPhone」の所有に異常にこだわるのは、このような強迫観念に囚われている可能性が高いように筆者には思えます。
 

「iPhone・Android論争」筆者の家ではこうした

筆者の家庭には中高生の子どもが3人おり、高校入試の合格とともに「個人用のスマホ」を買い与えるというイベントが定型化しています。当然、子どもは最初「iPhone」を欲しがるのですが、筆者は以下のようなルールのもとで子どもに所有するスマホを選ばせました。

(1)スマホ本体は、必ず新品・中古、iPhone・Androidを両方選択肢に入れて自分でスペックや機能などをチェックし、納得してから機種を決めること。
 
(2)スマホ本体に親が出す金額は「6万円」とする。6万円で足りない場合は、不足分を高校生になってからアルバイトで親に返すこと。逆に予算が余る場合は、余った分を「高校合格祝い」として現金で子どもに渡す。

その結果、長女は中古のiPhone、次女は新古品のAndroidを選択し、ともに数万円の「高校合格祝い」を受け取りました。通信プランもキャンペーンを利用し、ある程度の通信量を確保しながらも格安になる方法を親子で考えて、納得の上で選択しています。そのためか、スマホの機能などについて子どもから文句が出たことはありません。
 
中学生はともかく、高校生ともなれば自分の所有する高価なものには、自分なりの理由を持って納得した上で購入すべし。また、親が出せるカネには限度があることも知るべし。というのが筆者の考え方です。
 
「高価なものでも、子どものために買ってあげたい」という気持ちを持つことは、親として当然かも知れませんが、子どもの人としての成熟を応援したいのであれば、「条件を提示し、自分で選ばせる」といった経験を積ませてみるのも大事ではないでしょうか。
 

まとめ

Apple製品のみで使用できる「AirDrop」機能の大きな特徴は、画像のシェアをするときに、Bluetoothを使用すれば通信量を使わないことです。通信量の消費を気にしがちな中高生にとって非常にありがたい機能になっているために、iPhoneの人気が高まっている面があると思えます。
 
ただ、子どもが強く求めていることだけを理由に、高額な商品を親が買い与えることはおすすめできません。きちんと親子で話し合い、親は購入の条件を提示するなどして、子どもが本人の中で納得した上で選択をすることが重要なのではないでしょうか。
 

出典

iPhoneユーザガイド AirDropを使って近くにあるAppleデバイスに項目を送信する
 
執筆者 : 山田圭佑
FP2級・AFP、国家資格キャリアコンサルタント

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