「コンビニ」に行くと孫に「くじが引きたい!」とねだられます。いつも1回で終わらず、「2000円くらい使う」こともあるのですが、上手な「かわし方」ありますか?
配信日: 2025.06.15

1回数百円でも、何度も引くと出費がかさみ、気づけば数千円になっていた……ということもあるでしょう。
この記事では、くじが家計に与える影響と、孫との関係を大切にしながら上手に“かわす”ためのルール作りについて、具体的な方法をご紹介します。

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大人も子どもも気になる……「コンビニのくじ」
お孫さんがくじを欲しがるのには、いくつかの“しかけ”があります。人気キャラクターや「ハズレなし」という仕組みは、子どもだけでなく大人もワクワクしてしまう魅力があります。
また、SNSでの「当たり報告」や人気キャラの起用は、子どもたちの間で話題になりやすく、「自分も引きたい」と思う気持ちに火をつけるでしょう。
さらに、値段に対して「手に入るもの」が釣り合っているかは人それぞれですが、上位賞を目指すドキドキ感も魅力のひとつといえるかもしれません。
月8000円は年間約10万円。「つい、もう1回」が家計に与える影響
続いて、「つい、もう1回」が家計に与える影響を見てみましょう。総務省の2024年家計調査によると、「65歳以上の夫婦のみの無職世帯」が1ヶ月に使う「教養娯楽費」は平均で2万5377円です。
例えば、1回800円のくじを、月に2〜3回コンビニでねだられたとします。孫が2人いて、それぞれ2〜3回ずつ引くとなると、1回の会計が2000円を超えることも珍しくありません。このような買い方が何度か続けば、月の出費が8000円前後になることも十分にあり得るでしょう。
これは、教養娯楽費全体の約3分の1を「くじ」というひとつの楽しみに費やしている可能性があります。月8000円は年間にすると9万6000円です。では、この金額が家計全体の中でどの程度の位置づけになるか見てみましょう。
同調査によると、「光熱・水道」費(電気・ガス・水道代)は月平均2万1919円。つまり、くじに使う年間金額は、光熱費の約4ヶ月分に相当します。
お孫さんとの楽しい時間も、もちろん大切ですが、「いつの間にか」使いすぎていたということがないよう、お金の使い方のバランスを見直してみるのもよいかもしれません。
「納得できるルール作り」を
では、具体的にどのようなルールを作ればよいのでしょうか。以下の3ステップを参考に、無理のないルールを一緒に考えてみるのもよいかもしれません。
・予算を決めて見える化する
「今日、コンビニで使えるおやつ代は300円ね」と、具体的な金額を先に渡すのが効果的です。1回800円のくじは物理的に引けないと理解でき、「じゃあ、この300円でアイスを買おう」など、予算内で自分で考えて使う練習になります。
・「特別な日」をカレンダーに書き込む
誕生日やクリスマス、お盆など、「この日は特別にくじを引いてもよい日」とカレンダーに印を付けて共有しましょう。「いつでも無条件に手に入るものではない」という価値観と、先の楽しみを待つ心を育むことができます。
・お金のかからない「別の楽しみ」を提案する
くじを我慢できた代わりに、「公園でいつもより長く遊ぶ」「一緒にアイスを食べる」など、別の楽しい体験を提案することも大切です。「一緒に過ごす時間」の価値を伝えることで、お子さんの満足度は決して低くないでしょう。
くじと楽しく付き合うための工夫を
コンビニのくじは、子どもにとってはちょっとしたイベントのような楽しみであり、時には大人も一緒にワクワクしてしまう魅力があります。
ただし、日常的に続けると気づかぬうちに出費が重なることもあるため、予算を決めたり、ルールを設けたりして、うまく距離をとることが大切です。無理のない範囲で楽しみながら、孫との時間をより豊かなものにしていくとよいでしょう。
出典
総務省統計局 家計調査報告(家計収支編)2024年(令和6年)平均結果の概要
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー