退去時の請求が予想外に高額!すべて「敷金」で収まると聞いたのになぜ?

配信日: 2025.06.15

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退去時の請求が予想外に高額!すべて「敷金」で収まると聞いたのになぜ?
退去時に、敷金に収まらないほどの金額を請求されると、なぜこの金額なのか疑問に思ったり、納得がいかなかったりするでしょう。この記事では、どのような場合に退去費用が高額になってしまうのか、高額な費用を請求されたときの対処法について解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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退去時の費用とは

賃貸物件を退去するときに請求される金額は退去費用と呼ばれ、主に原状回復にかかる費用のことです。
 
原状回復には借り主が負担すべきものと貸主が負担すべきものがあり、国土交通省は、妥当と考えられる一般的な基準を「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」として取りまとめています。
 

敷金の相場

賃貸物件を契約する際に支払う敷金ですが、相場は家賃の1~2ヶ月分です。敷金は貸主が滞納された家賃や修繕費用などの補填に充てるためのもので、一般的には退去時の原状回復費用に使用され、残額があれば返金されます。
 

退去費用の相場

退去費用は物件の原状回復とハウスクリーニングが主な費用です。退去費用は物件の間取りや広さ、補修や清掃箇所によって変わります。
 
例えば、間取りで見ると退去費用の目安はワンルームで1万5000円~3万円、1DK・1LDKで2万円~4万円、2DK・2LDKで3万円~5万円です。また、修繕費用として壁紙の張り替えを見てみると、1平方メートルあたり500円~1500円です。ただし、この金額はあくまでも目安ですので、汚れがひどい場合や修繕箇所が多いと退去費用は増加します。
 

退去時の費用が高額になるケース

退去時の原状回復のために、ハウスクリーニングの費用が高額になりやすいケースがあります。

●室内で喫煙していた
●ペットを飼っていた
●日常の清掃不足によるひどい汚れ

これら3点について解説します。
 

喫煙

喫煙による壁紙の汚れを消すには、壁紙の張り替えとにおいを消すための作業が必要になります。さらに、壁紙の張り替え範囲が広い場合や特殊な壁紙を使っていた場合には費用がかさみます。室内でタバコを吸わないようにするなどの工夫をしましょう。
 

ペット

ペットを飼っている場合は、床や壁、ドアについた引っかき傷などを修繕するための修繕費用を請求される可能性があります。退去時に動物のにおいが残っていれば消臭作業も必要になります。ペットを飼う場合は、入居時にできるだけ傷防止の対策をしておきましょう。
 

清掃不足

日常の清掃をせずに汚れやカビなどを放置した場合も退去費用が高額になります。例えば、結露によるカビで壁や床が傷んだり、換気扇にひどい油汚れがこびりついて一般的な洗剤で落とせなくなったりすると余計に費用がかかります。こまめな清掃を心がけ、設備は丁寧に使うようにしましょう。
 

退去時の費用が高額なときの対処法

消費庁によると、2023年4月~12月の退去費用のトラブルを含む「不動産賃借」の消費生活相談件数は全体の2番目で2万9339件でした。
ここでは、退去費用が高額で困った場合の対処法を紹介します。
 

請求書・契約書を確認する

退去費用の請求書に書かれている内容を確認して、貸主が負担すべき内容が請求されていないか、契約書や原状回復のガイドラインと照らし合わせます。
 
注意点として、賃貸借契約書で貸主負担のものでも借り主が負担するという特約がされている場合は、借り主が原状回復費用を負担しなければいけません。
 

貸主・管理会社に相談する

請求書の内容を確認して、金額などに疑問点があれば貸主や管理会社に交渉しましょう。管理会社には退去費用について知識を持った担当者がいるので、より確かな退去費用を算出してくれる場合があります。
 

専門家・消費生活センターに相談する

貸主や管理会社との交渉が難しいようであれば、消費生活センターや弁護士などより専門的な機関へ相談しましょう。
 
消費生活センターは「消費者ホットライン(188)」という全国共通の電話番号を設けており、地方公共団体が設置している最寄りの消費生活センターや消費生活相談窓口の相談員につながります。相談員のアドバイスがあっても当事者間での解決が望めないときは、弁護士などの専門家に相談して、法的措置をとる方法もあります。
 

退去費が高額の場合は契約を確認して相談しましょう

高額な退去費用を請求された場合は、冷静に契約書や請求内容を確認して、疑問点や費用について貸主に交渉したり、専門家に相談するようにしたりしましょう。
 

出典

国土交通省住宅局 原状回復をめぐるトラブルとガイドライン
消費者庁 消費者白書等 【本文】令和6年版消費者白書)(22ページ)
 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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