更新日: 2019.06.14 その他

60歳前半の男性は8割以上が働いているって本当!?

60歳前半の男性は8割以上が働いているって本当!?
かつては、多くのサラリーマンが60歳で定年となり、退職金を受け取って、後は悠々自適に余生を過ごす姿があちらこちらでみられました。
 
退職前には会社の同僚が集まってささやかなセレモニー、退職の日は社内であいさつ回りを終えると大きな花束を受け取って帰路につき、住み慣れたわが家に着くと「長い間お仕事お疲れさまでした」と家族に温かく迎えられました。
 
こうした光景はすでに過去のものになってしまったのでしょうか。
 
人生100年時代と言われる昨今、いったい何歳まで働けば老後も安心して暮らせるのでしょうか。年金・社会保障制度はどうなっているのか、老後の生活設計と資金の準備はどうすればよいのか、今回から3回のシリーズでみていきます。
 
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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60歳代前半の男性は8割以上が就業

最近、高齢者が働く姿をよくみかけますが、実際、どれくらいの割合で働いているのでしょうか。
 
2019年2月1日に総務省統計局から公表された「労働力調査(基本集計)平成30年(2018年)平均(速報)結果の概要」によると、2018年の60~64歳の就業率は68.8%(男性81.1%、女性56.8%)です。
 
男性は、調査開始以来はじめて60代前半の就業率が8割を超え、女性も年々増加しています。
 
男性の就業率は、10歳刻みで最も高い35~44歳でも94.0%ですから、働き盛りのアラフォー世代と13%程しか差がありません。年金をフルにもらえる60代後半(65~69歳)でも57.2%と、働いている人の方が多くなっています。
 
なお、昨今は、統計そのものが問題になっていますが、それについてはここでは触れず先に進めます。
 

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20年前の60歳は現在の65歳

平均寿命が延びて元気な高齢者が増えたことは確かですが、公的年金の受給開始年齢の引き上げによる影響も大きいと思われます。
 
1941年4月1日以前に生まれた男性(女性の場合は1946年4月1日以前)は、その多くが会社員や公務員であり、厚生年金(共済年金)に加入していました。そのため、60代前半でも老齢年金(定額部分と報酬比例部分に分かれた特別支給を含む)がほぼ100%もらえ、定年後も収入が途絶えないようになっていました。
 
それより若い世代では、60代前半の老齢厚生年金は原則として、まず定額部分が65歳まで徐々に繰り下がっていきます。さらに、1953年4月2日以後に生まれた男性(女性は1958年4月2日以後)は、報酬比例部分も65歳まで徐々に繰り下がっていきます。 
 
そして、1961年4月2日以後に生まれた男性(女性は1966年4月2日以後)は、65歳にならないと老齢年金をフルにもらうことができません。最大で5年間、60歳まで繰り上げて受給することもできますが、受給開始月に応じて減額された年金が、一生涯続くことになります。
 
したがって、20年前の60歳は現在の65歳と考えなくてはならなくなりました。
 

何歳まで仕事をして収入を得たいか

2019年1月、「老後の生活設計と公的年金に関する世論調査」が内閣府により公表されました。
 
「あなたは、何歳頃まで収入を伴う仕事をしたいと考えますか。既に退職し、今後働く予定のない方は、何歳頃に収入を伴う仕事を退職しましたか」という質問に対して、回答は「61歳~65歳」が最も多く30.7%、「66~70歳」が21.5%、「51~60歳」が18.8%となりました。
 
ただし、この調査では回答の選択肢の年齢幅が30歳から60歳までは10歳刻み、61歳からは5歳刻みで、節目の年齢が上限年齢となっています。
 
例えば、65歳まで仕事をしたい場合は、61~65歳の区分に回答することになるため、イメージとしては各区分の上限年齢で回答している人が多いのではないでしょうか。したがって、まずは65歳まで働きたい、65歳を過ぎても健康に支障がなければ働き続けたいと考える人がボリュームゾーンのように見てとれます。
 
最近は、年金がもらえるようになっても仕事をしたいという人も増えてきました。しかし、現役時代と同じように会社で働き続けていると、在職老齢年金制度によって年金が減額、または支給停止となることもあります。
 
65歳以上の場合、年金の基本月額と総報酬月額相当額(標準報酬月額とその月以前1年間の標準賞与額の総額を12で除して得た額とを合算して得た額)を合計した額が47万円(2019年3月までは46万円)を超えると支給調整が行われます。
 
65歳未満の支給調整は、同様の計算で28万円(2019年3月までも28万円)を超えた場合です。
 
人生100年時代と言われますが、いわゆる「健康寿命」でみれば一生涯働き続けることができる人はほとんどいません。また、60歳を過ぎると健康面・体力面での個人差が広がっていくため、個々に健康とお金のバランスを考えた生活設計が必要となるでしょう。
 
次回は、60歳からの働き方と年金・社会保障制度などについて考察します。
 
出典:総務省統計局:労働力調査(基本集計)平成30年(2018年)平均(速報)結果の概要
内閣府:「老後の生活設計と公的年金に関する世論調査」の概要
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
 

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